CS放送「ゴルフネットワーク」で7月放送中の「ゴルフ真剣勝負 the MATCH」でマッチプレー対戦をした高山忠洋と宮里聖志。プロ同期で付き合いも長いという二人が、ざっくばらんにラウンジで語りあいました。
 

宮里兄妹の長男からみた弟・優作と妹・藍

高山　聖志さんにとって、優作や藍ちゃんというのはどういう存在なんですか？

宮里　それ結構きかれるやけど、オレ的にはただの弟、妹やからね。それ以上でもそれ以下でもない感じ。高山は兄妹はいるの？

高山　いないんです。だから、すごく羨ましいんですよ。しかも3人ともプロゴルファーで、トッププロでやっていますからね。

宮里　でも、腹たつこともあるよ（笑）。たとえば優作が東建で優勝した時に、全然知らない人に、「優作さん、優勝おめでとう」って言われたからね。後ろで野上（貴夫）がえらいわろとったけど。

高山　その時、何て言ったんですか？

宮里　「ありがとうございます」だよ。「ちゃいますよ」って言うのもヘンだし（笑）。それを見て野上はさらに爆笑してたけどね（笑）。

高山　藍ちゃんの引退を聞いた時、どう思いましたか？

宮里　ある程度やりきって、精神的にもやっていくモチベーションが減ってきたというのがあったからね。家族の中では、本人が辞めたいなら無理してやる必要はないんじゃないかって。本人も10年やって、そこにたどり着いているわけやから。オレらが「まだ早いんじゃない？」とか言うのもね。もちろん、オレはまだできたと思うよ。でも、本人の中では、ここで区切りをつけたいと。それはそれでいいんじゃないかと。それはそうと引退してからは、すごくラクそうよ。いろんなことから解き放たれたんやろうね。プライベートのゴルフも、まぁまぁ上手やし（笑）。

高山　マスターズに優作と行った時もキャディーしてましたよね。

宮里　あれはだいぶ渋っていたな。外から見たいって言っていたんだけど。優作も初めてのマスターズやし、優作のために行ったらって言って。

高山　ボクとしては聖志さんにもつなぎ着て欲しかったんですけど。

宮里　いやいやそれは（笑）。さすがにそこは遠慮させてもらって。

高山　藍ちゃんはショットも披露してましたよね。

宮里　パー3コンテストね。藍ちゃんはつなぎが小さくて自分のスイングができなかったってこぼしてたよ。しかも、優作のクラブだったしね。
 

高山が苦手なアレ

宮里　苦手なものってある？

高山　高いとこダメなんですよ。

宮里　高所恐怖症ってこと？　絶叫マシンとかもダメ？

高山　マシンはまだ一瞬なんで。とはいっても富士急は行ったことないですけど（笑）。

宮里　ないんかい。ほかにどこがダメなの？

高山　たとえば東建の練習場の上あるでしょ。あれダメなんですよ。

宮里　マジで？　でも東建は勝ってるよね。

高山　違う場所で練習しました。怖くないところで（笑）。それと、サザンリンクスの茶店のパー3もダメですね。

宮里　あの海沿いの？

高山　怖くて打てないんですよ。あと、観覧車もダメなんです。僕の所だけ、はずれて落ちそうな気がするんです。揺らしたらマジ怒りますからね（笑）。

宮里　高山に勝つためには、そういうことすればいいのね。オレは、絶叫系は大好き。高いところも大好き。富士桜に行くときは絶対富士急に寄ってるからね。この前練習ラウンド終わって富士急に行ったら、目の間に中嶋常幸さんが並んでいたよ（笑）。

高山　聖志さんは苦手なものないんですか？

宮里　最初に浮かんだのはパクチー。

高山　これといった苦手がないってことですね（笑）。
 

男子プロたちの愉快な素顔

高山　聖志さんは交友関係も広いと思うんですけど、付き合ったら実はこういう人だったということってあります？

宮里　男子プロの場合、けっこうみんな素顔をさらけ出しているからね。ファンが知らないかもしれないという点でいうと、優作が意外と面白い。カラオケではずっとモノマネしながら歌っていたりするからね。あと、今中周吾が全然しゃべらないっていうのも、意外じゃないよね。見たまんまだから（笑）。

高山　あいつけっこういじられていますよね。

宮里　そうそう。この前も大御所の方々がいっぱいいる中、優勝挨拶をしなきゃいけないということがあって、「周吾、15分はしゃべれよ」といったヤジが飛んでいたもんね。

高山　そういう意味では最近まじめなやつ多くて、昔みたいにとんでもない人は少なくなりましたよね。

宮里　とんでもないといえば平塚（哲二）さんね。試合前に、「（二日酔いで）アカン、下向いたら気持ち悪なるから下向かれへん」とかいいながら練習してるしね（笑）。

高山　それでいて68とかで回って来ますからね。

宮里　この前、「オレ、2週間酒やめてんねんって」と豪語しながら78。思わず『哲兄、飲んだほうがいいですよ』って（笑）。あとオレが知っている中でいうと、田島創志がクラブオタクだということと、小林伸太郎がオレの知らないゴルフ用語をたくさん知っているということ（笑）。あいつら２人とも、自分のクラブの自分で調整をするしね。シャフト入れたり、クラブを削ったり。

高山　僕も削りますよ。

宮里　えっ？　やるの？　やらないのはオレだけ？（笑）でも、優作がクラブを削ってるの見たことないしな。

高山　グリップぐらいは自分で換えたりしないんですか？

宮里　やったことない。

高山　紙やすりで削ることも？

宮里　うわー、マジで？　オレなんかクラブいじりっていうたら、溝にはいったゴミをティーでとるくらいやもん（笑）。カチャカチャもようやらんかったしね。
 

全英オープンの思い出

宮里　今回の対談は「全英オープン出場者対談」ということもあるそうだけど、高山は何回出てるんだっけ？

高山　僕は4回です。

宮里　メチャメチャ出てるやん（笑）。

高山　セントアンドリュースに2回行ってるんですよ。2005年と2015年。あとは、セントジョージ―ズとロイヤルリザム。聖志さんは？

宮里　オレは02年のミュアフィールド。トム・ワトソンと回ったんだよね。あと、マンデーから勝ち上がってきたスティーブ・エルキントンね。エルキントンは全然ドライバーを使わなくてね。2アイアンばっかり（笑）。それでプレーオフの残っていたもんね。ところがプレーオフの1ホール目でドライバー抜いてたからビックリ（笑）。勝負かけるんだねって。

高山　ミュアフィールドもなかなかのコースですもんね。

宮里　今でも覚えているのがスタートホール。まっすぐなパー４なんだけど、ラフがすごくてね。オレとワトソンは右に打ち込んでしまったんだけど、ワトソンは２打目で脱出できず。「なんやワトソンでも出ないこととあるんや」と思って打ったらオレも出ずに結局２人ともダボ（笑）。それしか覚えてない。高山は予選通過したことあるんだよね。

高山　最初に出たときが23位タイでした。

宮里　それはすごい！

高山　賞金は150万円くらいでしたけどね。

宮里　経費かかったでしょう？

高山　かかりましたよ。それが一番大変だった。

宮里　オレはミズノで2位になって出場したんだけど、優作も藍ちゃんもまだプロになっていなかったんで、ウチの親をファーストクラスに乗せて連れて行ってね。結果的にミズノの賞金の半分は吹っ飛んだ（笑）。

高山　一人頭100万くらいはかかりますからね。

宮里　そしたら、その後、優作と藍ちゃん、メジャー出る出る（笑）。連れていかへんかったらよかった（笑）。高山は？　家族を連れてった？

高山　行きましたよ。

宮里　直近は2015年か。3年前だね。

高山　そうなんです。あの時は風が強くて途中で10時間中断したんですよ。これはゴルフじゃないと思うくらい風が吹いていましたからね。11番でグリーンに乗ってから、中断して。一夜明けて、朝の7時30分くらいからプレーを再開したんですけど、まだ風が強くて、しかも寒くて。そのとき僕が一番長かったんで、再開の合図が鳴った瞬間、打たなきゃと思ったんですけど、打つまでに5分くらいかかりましたね。で、それが入って同伴の2人が拍手してくれたんですが、なんとその2人が打たないんですよ。ムリムリって。じゃー、その前に止めてよって感じですよね（笑）。で、結局中断に。そこから10時間ですよ。残り7ホールあったんですけど、この風が続くなら止めようと思いましたね。

宮里　今年はカーヌスティだっけ？

高山　あの悲劇があったとこですよ。

宮里　池からトリプル打ったとこ？　みんなあれ覚えてるんだね～。誰だっけ？

高山　ジャン・ヴァン・デ・ヴェルデです。

宮里　オレ、テレビを見てて、「これ後ろ戻ったほうがいいんちゃう？」と思ったもんね。

高山　ボクも思いました。

宮里　しかも池から打とうとしたんだよね。それで打って、また入ったじゃない。

高山　そうそう。バックしてまた入って。

宮里　そこしか覚えてないな（笑）。

高山　僕もそこしか覚えてない（笑）。