規格外の男、バッバ・ワトソンが国内ツアー参戦!?三井住友VISA太平洋マスターズプレビュー?
2015年7月2日(木)午後4:00
バッバ・ワトソンが来日!
日本ツアー終盤戦のビッグトーナメント「三井住友VISA太平洋マスターズ」に、今年のマスターズチャンピオン、バッバ・ワトソンが出場します。
先月の日本オープンでは、元世界ランキング1位のアダム・スコットが来日しましたが、このときは4日間で3万人近い観客を集める大盛況ぶりでした。この数字は、今年のトーナメント平均の約2倍にのぼり、やはり大物選手の参戦が集客の起爆剤になることが証明されました。
ワトソンは、世界でも屈指の飛ばし屋として人気が高く、マスターズを2度制したキャリアの持ち主であることからも、さらなる盛り上がりが期待できそうです。
前週の「WGC-HSBCチャンピオンズ」では劇的優勝
先日中国で行われた2014-2015年シーズンのUSPGAツアー第5戦「WGC-HSBCチャンピオンズ」で劇的な優勝を飾ったワトソン。最終日17番Par3ではガードバンカーからまさかのミスショットでダブルボギーの後に、最終18番Par5で劇的なイーグルを奪い、プレーオフを制しての優勝となりました。
ホールアウト後には「難しいバンカーショットだったが、キャディが狙っていこうと言ったので、狙っていったら入った。バンカーショットとプレーオフのパットは同じラインだったので自信を持って打てた。7勝目なので二桁優勝に一歩近づいた。来週は日本でも良いプレーを見せたい。」と語るなどコンディションは上々。気分屋のワトソンには好要因かもしれません。今週の御殿場ではワトソンがどんなプレーで日本のゴルファンを魅了するか楽しみです。
9年ぶり2度目のコースをバッバがどう攻略するか?
実はバッバ・ワトソンは、2005年にもこの大会に出場しています。今回は、9年ぶりの太平洋クラブ御殿場コースです。
05年には、初日、2日目を小山内護、川岸良兼という日本きっての飛ばし屋と同組で回り、「飛ばしの競演」を披露しました。
今年の大会、初日・2日目のペアリングは谷原秀人となんと石川遼。人気ナンバーワンの遼くんとバッバの組み合わせで、この組に多くのギャラリーが集中することが予想されます。
05年のワトソンを振り返ると、初日に3オーバーと出遅れたのが響き、トータル5アンダーの24位タイという結果でしたが、コースに慣れた最終日には5アンダーを叩き出す爆発力を見せました。とくに、フロント9では2?6番ホールで5連続バーディを取るなど、名物の高速グリーンとの相性も良さそうです。
05年のワトソンは、2日目の最終18番ホールではイーグルをマークしています。この名物ホール18番パー5は、松山英樹が2011年にアマチュアでの優勝を果たした時、最終日に2打目を8番アイアンで打ってイーグルを奪ったホール。
圧倒的な飛距離を武器にマスターズを二度制したワトソンが、セカンドを何番で打つのか、注目が集まっています。当時とは実力も段違いのバッバだけに、今回はビッグスコアが期待できるかもしれません。
注目は圧倒的なドライバーショット!
ワトソンといえば、その驚異的な飛距離が有名。
昨年のUSPGAのスタッツを見ると、ドライビングディスタンスは314.3Yで第1位。この数字だけを見ても、今年の日本ツアーの1位、I・H・ホの300.67Yよりも、13.67Yも飛ぶ計算です。
同組で回る石川も飛ばし屋ですが、昨年のUSPGAのデータでは291.0Y(80位タイ)と、ワトソンとは23.3Yもの差があり、谷原の場合は今年のドライビングディスタンスが280.0Yですので、34.3Yもの差をつけられています。
さらにワトソンの場合、フルスウィングすると350Yを越える爆発的な距離を叩き出せることも知られています。彼の昨年の最長不倒飛距離はなんと424Y。一般的には飛ばないと言われているスライス系のボールで圧倒的な飛距離を生むパワーは底が知れません。
この飛距離差を前に、同組の谷原と石川がどう戦うかは大会序盤の見どころのひとつになるでしょう。2人は、同大会の歴代覇者として、相性がよくコース攻略法を知り尽くしています。飛距離の差を意識することなく、コースマネージメントに徹して好スコアをマークすることも十分あり得るでしょう。
また、現在ドライビングディスタンス5位の藤本佳則(293.97Y)をはじめ、6位の岩田寛(293.83Y)、8位の小田孔明(292.25Y)ら日本勢との飛ばし対決も見物です。
曲がり対策とコース戦略にも注目
観戦するうえでは、単純な飛距離だけでなく、各選手が2打目に持つ番手にも注目してみると面白いかもしれません。
仮に450Yのパー4のティショットで、ワトソンが315Y、谷原が280Yの距離を打ったとすると、2打目をワトソンはウェッジ、谷原は7?8番アイアン辺りで打ちます。この番手差は、高速グリーンにボールを止められるかどうかの差にもつながります。
一方でワトソンは、ショットの曲がり幅が大きいのも特徴。
二度目の優勝を果たした、今年のマスターズ。アーメンコーナー最後の13番ホールパー5で特大のプッシュスライスを打ち、セカンドを56度のウェッジで打ちました。
大きなスライスボールでダイナミックに攻略するワトソンですが、会場となる太平洋クラブ御殿場コースは、高い松でセパレートされたホールが多く、ワトソンのドライバーショットには不向きかもしれません。
もっとも曲げた後の林からのリカバリーショットがもしみられれば、2012年マスターズのプレーオフのような、曲芸的ショットが出るかもしれません。規格外の男、バッバ・ワトソンに今週は最注目です。