久保谷、大逆転で日本オープン初制覇! 国内メジャー2勝目
2012年10月14日(日)午後5:20
唸るように吹き荒れた強風は、最後まで選手を苦しめ、ドラマを演出した。
沖縄返還40周年を記念して、史上初めて沖縄県で開催されている国内男子ツアーの今季公式戦第3戦、日本オープンゴルフ選手権競技は14日、那覇ゴルフ倶楽部を舞台に最終ラウンドの競技を終了。この日首位と6打差の単独6位でスタートした久保谷健一が1アンダー70をマークして通算8オーバーで大逆転Vを飾り、2002年日本プロゴルフ選手権大会以来となる国内メジャー2勝目を手にした。1打差の単独2位にジュビック・パグンサン(フィリピン)が入り、前日のトーナメントリーダー、平塚哲二は7つスコアを落とし通算10オーバー単独3位に終わっている。
後続に2打差をつけ単独首位でスタートした平塚だったが、序盤から苦しんだ。2番でダブルボギーを叩いて後続に一気に飲み込まれると、5番、6番の連続ボギーでさらにスコアを落として4オーバーで折り返す。
その間、首位に躍り出たのがパグンサンだった。パグンサンも2番でボギーを先行させたが、4番でバーディを奪って平塚に並ぶ。9番でボギーを叩いたものの、通算6オーバーで折り返し、この時点で単独首位で後半に臨んだ。
勝負のバックナイン、パグンサン、平塚の両者はつかず離れずの接戦が続く。パグンサンは後半出だしの10番でバーディを奪い、平塚との差を2打に広げたが、平塚も11番でバーディを奪って1打差に戻して食い下がる。最後まで両者のデッドヒートが予想されたが、ここに単独6位スタートの久保谷が割り込んでくる。
久保谷は前半を2バーディ、2ボギーのイーブンパーで終えると、後半出だしの10番でイーグルを奪取。その後は12番をボギー、13番をバーディ、16番をボギーとし最終18番を迎えると、パー4の第2打はグリーンをとらえられずにバンカーへ。しかし久保谷のバンカーショットはピン側にピタリと止まるスーパーショット。パーパットもなんなく決めて通算8オーバーでホールアウトし、最終組のパグンサンを待った。
パグンサンは14番、15番で連続ボギーを叩いて久保谷に1打差まで迫られるが、16番でバーディを奪ってリードを2打差に。残りは2ホール、ツアー初優勝に向け流れを取り戻したかに見えたが、吹き荒れる風がそんな流れを大きく変える。パグンサンは17番のティーショットでアゲインストの風を読み違えて池に落としてしまい、このホールで痛恨のダブルボギー。久保谷と並ぶ通算8オーバーにスコアを落とし、最終ホールを迎えることとなった。
優勝かプレーオフか、雌雄を決する18番。重圧のかかったパグンサンのティーショットはフェアウェイを外し右のラフへ入れてしまう。第2打でグリーンを狙うが、ボールは大きくフックがかかりグリーン手前のラフにつかまる。しかし、そのアプローチでしっかりピンに寄せたが、パーパットがカップに蹴られボギーフィニッシュ。パグンサンは通算9オーバーとなり、先に競技を終えていた久保谷が大逆転で自身2つ目のメジャータイトルを獲得した。
表彰式では「こんなに上手くいくことなんてあるんですかね」と結果が出てなお信じられない様子を見せていた久保谷だが、「日本オープンのような難しいセッティングで、耐え抜いていくというのは、(自分のプレースタイルに)合っていると思う。」と分析。昨季の同大会でプレーオフの末敗れた因縁の大会で、見事に雪辱を果たす優勝を飾った。
その他上位陣は、地元沖縄の宮里優作ら3人が通算12オーバーで4位タイ。前週優勝の池田勇太は通算14オーバーで10位タイ、賞金ランクトップで7位タイスタートの藤田寛之は、この日8オーバー79の大乱調となり通算18オーバーで24位タイに沈んだ。
なお、通算13オーバーの7位タイに入ったアマチュアの松山英樹がローアマを獲得している。