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パッティングが冴えてショットもキレキレに!金谷拓実が相乗効果で4日間とも60台をマーク【吉田洋一郎のPGAツアーアフタートーク】
2025年7月31日(木)午後4:22

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ミネソタ州のTPCツインシティーズで開催された「3Mオープン」。頂点に立ったのは、最終日、トップに1打差の3位タイでスタートしたカート・キタヤマ。前半だけで6つスコアを伸ばし、そのリードを守り切ってPGAツアー2勝目を飾りました。
同じく3位タイでスタートした金谷拓実選手は、6つのバーディーを奪ったものの、4つのボギーを叩いてスコアを伸ばし切れず、19アンダーの7位タイでフィニッシュ。ツアー初優勝はなりませんでした。久々に日本人選手が優勝争いに加わったことで大いに盛り上がった同大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めたゴルフスイングコンサルタント、吉田洋一郎さんに振り返ってもらいました。
残念ながら最終日は、少しプレッシャーがかかったのかショットが乱れ、流れをつかむことができませんでした。とはいえ試合後、本人も口にしていたように、優勝したカート・キタヤマのプレーを間近で見られたことはいい経験になったと思います。特にキタヤマの最終日前半のスタートダッシュには圧倒されたと思いますが、「次は自分が」という気持ちにもなったでしょう。
さて、優勝したキタヤマのプレーについて。何といってもショットのキレが素晴らしく、あまりのスゴさに恐ろしさを感じたくらいでした。彼の場合、飛距離が出るし、アイアンショットもキレますが、パットはどちらかというと苦手。最終日の前半は、そのパットに神経を使わなくてもいいくらいの距離にビタッとつけて、6バーディー、ノーボギーの29という好スコアを叩き出しました。
後半に入ると、次第にビタッとはいかなくなり、11番パー4でこの日初めてのボギーを叩いたのですが、3オンした12番パー5では、ファーストパットとなった1.5mの下りスライスを見事に決めてバウンスバック。何とか踏ん張りました。
勝負を決めたのは、14番パー4。ティーショットを右のバンカーに入れて、グリーンを狙うと手前の池が邪魔になる。私の予想はレイアップ。ところがキタヤマは、ピンをデッドに狙ってベタピンのバーディー。池が目に入らないくらい自分のショットに自信を持っていたのでしょう。思わず、「お見それしました」と頭を下げたほどです。
プレッシャーがかかる17番、18番はバタバタしましたが、リードを守り切り、最終的には2位に1打差の23アンダーで勝利を手にしました。
ご存じない方もいると思うので、キタヤマのプロフィールを簡単にご紹介しておきましょう。お父さんは日系アメリカ人で、お母さんは和歌山県生まれの日本人。母方の従兄弟は日本に住んでいて、高校卒業後に一度、和歌山に遊びに来たという話も聞いています。
以前、日本語はほとんど話せないと言っていましたが、最終日は金谷選手と同組だったということで、少しは心が和んだのかもしれません。全くの想像ですが、このことも優勝の一因になったような気がします。
さて、次週は、最終戦となる「ウィンダムチャンピオンシップ」です。日本人選手は、松山英樹選手、久常涼選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手の4人が出場を予定しています。昨年、この大会を現地で観戦しましたが、空気が異様に重かったことを覚えています。とにかく全選手がピリピリしていました。
それもそのはずで、この大会は、ランキング70位までに入ってプレーオフ出場権を獲得するための最後のチャンス。ギリギリの選手もいれば、一発逆転を狙っている選手もいて、練習のときから真剣勝負を繰り広げているような感じがしました。
舞台となるセッジフィールドカントリークラブ (ノースカロライナ州)は戦略的な林間コース。ショットメーカーが有利で、松山選手も好きなはず。彼は試合に出ながら調子を上げるタイプなので、プレーオフに向けていい調整ができるような気がします。
また、久常選手は、70位以内を目指してのプレーになりますが、昨年の同大会で好成績を挙げる(3位タイ)などセッジフィールドとは相性がいいので、今年も期待大。上にいけばいくほどいいのですが、まずはトップ10を目指して頑張ってほしいものです。金谷選手も3Mの活躍によりランキングが132位まで上がったので、優勝か2位に入れば十分チャンスはある。一発逆転に期待したいと思います。
(写真:Getty Images)
同じく3位タイでスタートした金谷拓実選手は、6つのバーディーを奪ったものの、4つのボギーを叩いてスコアを伸ばし切れず、19アンダーの7位タイでフィニッシュ。ツアー初優勝はなりませんでした。久々に日本人選手が優勝争いに加わったことで大いに盛り上がった同大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めたゴルフスイングコンサルタント、吉田洋一郎さんに振り返ってもらいました。
ベタピンショットで優勝をたぐり寄せたのはカート・キタヤマ
金谷拓実選手、本当に惜しかったです。ただ、優勝には届きませんでしたが、たくさんのいいプレーを見せてくれました。特に3日目のパットは素晴らしかった。3m前後はほとんど決めていました。それに伴って、アイアンショットのキレも良くなりました。パットが好調だと、アイアンショットはプレッシャーがかからない状態で打てる。その典型だったと思います。残念ながら最終日は、少しプレッシャーがかかったのかショットが乱れ、流れをつかむことができませんでした。とはいえ試合後、本人も口にしていたように、優勝したカート・キタヤマのプレーを間近で見られたことはいい経験になったと思います。特にキタヤマの最終日前半のスタートダッシュには圧倒されたと思いますが、「次は自分が」という気持ちにもなったでしょう。
さて、優勝したキタヤマのプレーについて。何といってもショットのキレが素晴らしく、あまりのスゴさに恐ろしさを感じたくらいでした。彼の場合、飛距離が出るし、アイアンショットもキレますが、パットはどちらかというと苦手。最終日の前半は、そのパットに神経を使わなくてもいいくらいの距離にビタッとつけて、6バーディー、ノーボギーの29という好スコアを叩き出しました。
後半に入ると、次第にビタッとはいかなくなり、11番パー4でこの日初めてのボギーを叩いたのですが、3オンした12番パー5では、ファーストパットとなった1.5mの下りスライスを見事に決めてバウンスバック。何とか踏ん張りました。
勝負を決めたのは、14番パー4。ティーショットを右のバンカーに入れて、グリーンを狙うと手前の池が邪魔になる。私の予想はレイアップ。ところがキタヤマは、ピンをデッドに狙ってベタピンのバーディー。池が目に入らないくらい自分のショットに自信を持っていたのでしょう。思わず、「お見それしました」と頭を下げたほどです。
プレッシャーがかかる17番、18番はバタバタしましたが、リードを守り切り、最終的には2位に1打差の23アンダーで勝利を手にしました。
ご存じない方もいると思うので、キタヤマのプロフィールを簡単にご紹介しておきましょう。お父さんは日系アメリカ人で、お母さんは和歌山県生まれの日本人。母方の従兄弟は日本に住んでいて、高校卒業後に一度、和歌山に遊びに来たという話も聞いています。
以前、日本語はほとんど話せないと言っていましたが、最終日は金谷選手と同組だったということで、少しは心が和んだのかもしれません。全くの想像ですが、このことも優勝の一因になったような気がします。
さて、次週は、最終戦となる「ウィンダムチャンピオンシップ」です。日本人選手は、松山英樹選手、久常涼選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手の4人が出場を予定しています。昨年、この大会を現地で観戦しましたが、空気が異様に重かったことを覚えています。とにかく全選手がピリピリしていました。
それもそのはずで、この大会は、ランキング70位までに入ってプレーオフ出場権を獲得するための最後のチャンス。ギリギリの選手もいれば、一発逆転を狙っている選手もいて、練習のときから真剣勝負を繰り広げているような感じがしました。
舞台となるセッジフィールドカントリークラブ (ノースカロライナ州)は戦略的な林間コース。ショットメーカーが有利で、松山選手も好きなはず。彼は試合に出ながら調子を上げるタイプなので、プレーオフに向けていい調整ができるような気がします。
また、久常選手は、70位以内を目指してのプレーになりますが、昨年の同大会で好成績を挙げる(3位タイ)などセッジフィールドとは相性がいいので、今年も期待大。上にいけばいくほどいいのですが、まずはトップ10を目指して頑張ってほしいものです。金谷選手も3Mの活躍によりランキングが132位まで上がったので、優勝か2位に入れば十分チャンスはある。一発逆転に期待したいと思います。
(写真:Getty Images)
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