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難コースを完全攻略。スコッティ・シェフラーが“横綱相撲”で連覇を飾る【田島創志のPGAツアーアフタートーク】
2025年6月5日(木)午前10:39

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例年通り、ジャック・ニクラウス設計のミュアフィールドビレッジゴルフクラブ(オハイオ州)で開催された「ザ・メモリアルトーナメント presented by ワークデイ」。最終日は、連覇を狙うスコッティ・シェフラーと、2週連続優勝を目指すベン・グリフィンとの戦いになりましたが、シェフラーが世界No.1の強さを見せつけ、最終的にはグリフィンに4打差をつけての10アンダーで優勝を飾りました。2014年以来の優勝を目指した松山英樹選手は、6オーバーの38位で大会を終えました。同大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた田島創志プロに振り返ってもらいました。
今年もオハイオ州のミュアフィールドビレッジゴルフクラブで行われた「ザ・メモリアルトーナメント」。コースがオーガスタナショナルゴルフクラブをリスペクトしたデザインになっているということを改めて感じました。しかもそのオーガスタより距離が長く、難易度が高い。さらに今回は、3日目に強い北風が吹いたこともあって、難易度が一層増しました。
その3日目で、昨年の覇者、スコッティ・シェフラーがトップに立って優勝を飾ったわけですが、そのゴルフはまさに横綱相撲だったような気がします。シェフラーの素晴らしい点は、決勝ラウンドでのボギー数が他の選手に比べると圧倒的に少ないこと(3日目はノーボギー、最終日は1ボギー)。ショットの精度も高く、3日目、最終日ともペナルティーエリアに入れることがなかっただけでなく、グリーンを狙うショットでは、「ピンを狙う」「センターを狙う」「どちらかのサイドを狙う」というようにしっかり狙いを定め、その通りに打っていたような気がします。
一方、惜しくも優勝を逃しましたが、ベン・グリフィンも素晴らしいゴルフを披露してくれました。ダブルス戦の「チューリッヒクラシック オブ ニューオリンズ」で初優勝を飾り、「チャールズシュワブチャレンジ」で2勝目を飾るなど勢いもあったと思いますが、背が高い分、飛距離が出るし、プレー自体もしっかりしていて、ロングショットの弾道の高さ、スピン量は王者シェフラーに一歩も引けを取っていなかった。今後、楽しみな選手です。
日本人選手は、松山英樹選手のみの出場となりましたが、最終的には6オーバーの38位でフィニッシュ。本人のコメントにもあったように、一定の手応えは感じたものの、ウェッジの縦距離が微妙に狂うなど、いい時と比べると少し納得がいかないところがあり、セッティングがハードだった分、スコアに結びつきませんでした。ただ、その一方で、ミドルパットが決まっていたほか、最終日はアンダーパー(1アンダー)で回るなどいい面もいくつかありました。1週間のオフを挟んで挑む「全米オープン」にどうやって合わせてくるか。とても楽しみです。
さて、次戦は、TPCトロント(カナダ)で開催される「RBCカナディアンオープン」。日本人選手は、久常涼選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手が出場します。注目は、着実に力を付けてきている久常選手。今季はトップ10に4回入るなど調子も良さそうなので楽しみです。また、金谷選手も調子を上げているようですし、大西選手もPGAツアーで何とか結果を残したいという思いも強いでしょうから、いいプレーを見せてくれるはず。3人の活躍に期待したいと思います。
(写真:Getty Images)
ミスをしないシェフラー。決勝ラウンドの36ホールでボギーはたったの1つ
今年もオハイオ州のミュアフィールドビレッジゴルフクラブで行われた「ザ・メモリアルトーナメント」。コースがオーガスタナショナルゴルフクラブをリスペクトしたデザインになっているということを改めて感じました。しかもそのオーガスタより距離が長く、難易度が高い。さらに今回は、3日目に強い北風が吹いたこともあって、難易度が一層増しました。
その3日目で、昨年の覇者、スコッティ・シェフラーがトップに立って優勝を飾ったわけですが、そのゴルフはまさに横綱相撲だったような気がします。シェフラーの素晴らしい点は、決勝ラウンドでのボギー数が他の選手に比べると圧倒的に少ないこと(3日目はノーボギー、最終日は1ボギー)。ショットの精度も高く、3日目、最終日ともペナルティーエリアに入れることがなかっただけでなく、グリーンを狙うショットでは、「ピンを狙う」「センターを狙う」「どちらかのサイドを狙う」というようにしっかり狙いを定め、その通りに打っていたような気がします。
一方、惜しくも優勝を逃しましたが、ベン・グリフィンも素晴らしいゴルフを披露してくれました。ダブルス戦の「チューリッヒクラシック オブ ニューオリンズ」で初優勝を飾り、「チャールズシュワブチャレンジ」で2勝目を飾るなど勢いもあったと思いますが、背が高い分、飛距離が出るし、プレー自体もしっかりしていて、ロングショットの弾道の高さ、スピン量は王者シェフラーに一歩も引けを取っていなかった。今後、楽しみな選手です。
日本人選手は、松山英樹選手のみの出場となりましたが、最終的には6オーバーの38位でフィニッシュ。本人のコメントにもあったように、一定の手応えは感じたものの、ウェッジの縦距離が微妙に狂うなど、いい時と比べると少し納得がいかないところがあり、セッティングがハードだった分、スコアに結びつきませんでした。ただ、その一方で、ミドルパットが決まっていたほか、最終日はアンダーパー(1アンダー)で回るなどいい面もいくつかありました。1週間のオフを挟んで挑む「全米オープン」にどうやって合わせてくるか。とても楽しみです。
さて、次戦は、TPCトロント(カナダ)で開催される「RBCカナディアンオープン」。日本人選手は、久常涼選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手が出場します。注目は、着実に力を付けてきている久常選手。今季はトップ10に4回入るなど調子も良さそうなので楽しみです。また、金谷選手も調子を上げているようですし、大西選手もPGAツアーで何とか結果を残したいという思いも強いでしょうから、いいプレーを見せてくれるはず。3人の活躍に期待したいと思います。
(写真:Getty Images)
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