海外女子
岡本綾子「よう我慢しんさった」笹生優花2度目の全米女子オープン制覇
2024年6月6日(木)午後0:28
- この記事のキーワード
女子ツアーのメジャー第2戦「全米女子オープン選手権 presented by アライ」が、今年はペンシルベニア州のランカスターカントリークラブで開催されました。女子オープンらしいロースコアの戦いとなりましたが、2021年の同大会の覇者、笹生優花選手が4日間を68、71、69、68と4アンダー(パー72)でまとめ、逆転で2度目の優勝を飾りました。2位には渋野日向子選手が入り、3年前同様、日本人選手がワンツーフィニッシュ。さらに、6位タイに古江彩佳選手、9位タイに小祝さくら選手と竹田麗央選手が入るなど日本人選手が5人もトップ10入りするなど、日本人選手の活躍が光った大会になりました。
日本のゴルフファンを釘付けにした大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた岡本綾子プロに振り返ってもらいました。
4日間を振り返って感じるのは、笹生優花選手の強さ。もう違う次元にいる感じがしました。USLPGAの初優勝もメジャー(全米女子オープン)でしたが、2度目の優勝となった今回の方がさらに強さを感じました。
大会全体を振り返ると、初日にネリー・コルダが10オーバーを叩くという波乱の幕開け。特にコルダが10打を叩いた初日の12番ホールは、ほとんどの選手が恐怖を感じながらプレーをしていたようです。全米女子オープンといえば難しいセッティングでロースコアの戦いになるわけですが、正直、コースセッティングに関しては、「ここまでするのはどうなの?」と思ったほどです。
4日間の中でも、最も面白かったのは3日目でした。各選手のスコアを見ても分かるとおり、最終日より少し難しいセッティングになっていたところが面白くなった要因だと思います。開催コース、ランカスターCCの難しさは、フェアウェイがどちらかに傾斜しているところです。そういう点でいえば、ティーショットの精度が明暗を分けたような気がします。フェアウェイだけでなく、グリーンも相当傾斜がきつく、選手も相当苦労していたようです。
数あるプレーの中でも最も印象的だったのは、笹生選手の3日目の17番パー3のアプローチ。深いラフからのバンカー越えのショットだったのですが、しっかりスイングしてボールを上げ、ここしかないというカラーに落として、ピンにピタッと寄せてパーをセーブ。しかもこのときは3m前後右を向いて打っていましたからね。ああいうショットができるというのは、ゴルフの練習に遊びも取り入れているという証拠。普通のライでランニングアプローチやピッチショットをいくらやっても、できるものではないと思います。
その笹生選手、技術もさることながらメンタルも強く、優勝の要因として「よう我慢しんさった」と思います。少し意外だったのが、本人曰く、「スコアボードを一切見ていなかった」ということ。スコアボードは見る人もいれば見ない人もいますが、笹生選手にとっては、「見ない」方が、より高い集中力を保つことができたのでしょうね。再びメジャーで日本人優勝者が出たことで、日本ツアーで戦う選手たちも、自信を深めたでしょうが、正直言って、今の笹生選手の力というのは、他の選手に比べるとかなり上にいると思います。
とはいえ、トップ10に日本人選手が5人も入るという時代がやってくるとは思いもしませんでした。今回、笹生選手、渋野選手と日本人選手がワンツーフィニッシュをして、日本のレベルが大きなタイトルを身近に感じるところまできたことが、若い選手が次々とでてくることにつながってくれると嬉しいですね。
この先楽しみなのは、「AIG全英女子オープンゴルフ選手権」。今年の開催地、セント・アンドリュースオールドコースは、フラットな地形の中にコブがいっぱいあって、50ヤード手前からパターで打つなどの高度なテクニックも必要だし、難しい状況判断も要求される。そんな中で日本人選手がどんな戦いを見せてくるか。頂点に立つ選手がでてくるかどうか分かりませんが、その可能性は十分あるのではないかと思っています。
日本のゴルフファンを釘付けにした大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた岡本綾子プロに振り返ってもらいました。
笹生・渋野のワンツーはじめトップ10に日本人選手5人の快挙、セント・アンドリュースの全英女子も楽しみ
4日間を振り返って感じるのは、笹生優花選手の強さ。もう違う次元にいる感じがしました。USLPGAの初優勝もメジャー(全米女子オープン)でしたが、2度目の優勝となった今回の方がさらに強さを感じました。
大会全体を振り返ると、初日にネリー・コルダが10オーバーを叩くという波乱の幕開け。特にコルダが10打を叩いた初日の12番ホールは、ほとんどの選手が恐怖を感じながらプレーをしていたようです。全米女子オープンといえば難しいセッティングでロースコアの戦いになるわけですが、正直、コースセッティングに関しては、「ここまでするのはどうなの?」と思ったほどです。
4日間の中でも、最も面白かったのは3日目でした。各選手のスコアを見ても分かるとおり、最終日より少し難しいセッティングになっていたところが面白くなった要因だと思います。開催コース、ランカスターCCの難しさは、フェアウェイがどちらかに傾斜しているところです。そういう点でいえば、ティーショットの精度が明暗を分けたような気がします。フェアウェイだけでなく、グリーンも相当傾斜がきつく、選手も相当苦労していたようです。
数あるプレーの中でも最も印象的だったのは、笹生選手の3日目の17番パー3のアプローチ。深いラフからのバンカー越えのショットだったのですが、しっかりスイングしてボールを上げ、ここしかないというカラーに落として、ピンにピタッと寄せてパーをセーブ。しかもこのときは3m前後右を向いて打っていましたからね。ああいうショットができるというのは、ゴルフの練習に遊びも取り入れているという証拠。普通のライでランニングアプローチやピッチショットをいくらやっても、できるものではないと思います。
その笹生選手、技術もさることながらメンタルも強く、優勝の要因として「よう我慢しんさった」と思います。少し意外だったのが、本人曰く、「スコアボードを一切見ていなかった」ということ。スコアボードは見る人もいれば見ない人もいますが、笹生選手にとっては、「見ない」方が、より高い集中力を保つことができたのでしょうね。再びメジャーで日本人優勝者が出たことで、日本ツアーで戦う選手たちも、自信を深めたでしょうが、正直言って、今の笹生選手の力というのは、他の選手に比べるとかなり上にいると思います。
とはいえ、トップ10に日本人選手が5人も入るという時代がやってくるとは思いもしませんでした。今回、笹生選手、渋野選手と日本人選手がワンツーフィニッシュをして、日本のレベルが大きなタイトルを身近に感じるところまできたことが、若い選手が次々とでてくることにつながってくれると嬉しいですね。
この先楽しみなのは、「AIG全英女子オープンゴルフ選手権」。今年の開催地、セント・アンドリュースオールドコースは、フラットな地形の中にコブがいっぱいあって、50ヤード手前からパターで打つなどの高度なテクニックも必要だし、難しい状況判断も要求される。そんな中で日本人選手がどんな戦いを見せてくるか。頂点に立つ選手がでてくるかどうか分かりませんが、その可能性は十分あるのではないかと思っています。
関連番組
2024 全米女子オープンゴルフ選手権 presented by アライ
5月30日(木)~6月2日(日)