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「去年の全米プロの優勝争いがマスターズ優勝に相当活きた」プロキャディ・進藤大典が昨年全米プロのタイガー・ウッズを振り返る
2019年5月16日(木)午後5:30
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いよいよ16日に開幕する今季メジャー第2戦の全米プロゴルフ選手権。舞台はニューヨーク州にあるベスページブラックコース。過去2回全米オープンが開催され、2016年にはPGAツアー「ザ・バークレイズ」も行われたコースです。
そのザ・バークレイズで松山英樹選手のバッグを担いだプロキャディの進藤大典さんに、CS放送ゴルフネットワークの全米プロ事前情報番組「みんなの全米プロ」のなかで、全米プロゴルフ選手権という大会と、昨年2位で復活の兆しをみせていたタイガー・ウッズのプレーについてお話を伺いました。
全米プロゴルフ選手権は、普段のPGAツアーのセッティングに一番近いメジャー大会だと思います。出場する全員がプロフェッショナルゴルファーで、メジャーの中でも一番スコアが出る、バーディを獲っていかないといけないという見応えのある試合だと思います。
開催時期が8月から5月に変わったことで、一度調子を早めに掴んだ選手のほうがチャンスがあるのかなと思います。マスターズで優勝したタイガー・ウッズだったり、3月のザ・プレーヤーズを勝ったローリー・マキロイだったり、一度優勝している選手がチャンスは大きいと思います。
松山英樹選手については、今季アイアンショットはいい時の英樹らしさが出ていると思います。ティーショットがあまり調子が出ていないので、ベスページではフェアウェイに出ていれば、そこが上がってくればすぐに優勝争いができると思います。
去年の全英オープンや全米プロで優勝争いをしたタイガーですが、こういう経験というのは凄く重要で、今年のマスターズに相当活きたと思います。去年の全米プロでは、スイングが本調子ではないなかで、なんとか自分の技術だったりマネジメントだったりでごまかしながら戦って、あの位置にいれるタイガーはすごいなという印象があります。
最終日の1番、2番は、アイアンで打つティーショットが2ホール続けて左に捕まえてしまい、次にアイアンを持ったホールでは左を警戒しすぎて右のラフに入れてしまう。なんとかフェアウェイに行かせたいと思いつつも、ティーショットが不安定で、気持ちよくやってないんだろうなというのが見えました。
しかし、最終日タイガーの前半9ホールのフェアウェイキープ率は0%でしたが、4バーディ1ボギーでした。選手は、曲げたところからのほうが、やることは限られるんですよね。例えば、ピンの左はダメ、手前もダメ、ライはつま先上がり、ではどういう球を打たなければいけないか?という、シチュエーションとイマジネーションが合致しやすい、イメージしやすいんですよね。ボギーを打たないようにするにはどうしたら良いか、冷戦な判断ができるのがタイガー・ウッズですね。
バックナインでティーショットがようやくフェアウェイにいきましたけど、前半のアイアンの流れでいうと、後半はもっとバーディチャンスにつけたったと思うんですよね。ボールも止まるコンディションでしたし、ドライバーが真っ直ぐ行くのにアイアンがピンを刺さなかったのは、ちょっと気持ち悪かったのではないでしょうか。しかし、メジャー最終日のバックナインでの紙一重の状況は、「あれ、オレの大会じゃないのかな」とか自信が揺らいだりするものですが、トップの選手は強靭なメンタルなので、スイッチが入っていきましたよね。
13番188ヤードのパー3では、ロングアイアンで右のピンに対してハイカットに打って、完璧でした。メジャーの最終日に120点のショットを打ってバーディを獲った。これはかなり自信になったのではないでしょうか。
トップに1打差に迫ったところで、14番のティーショットをアイアンでフェアウェイに置きれずボギーにしてしまい、ここで調子が悪いのが出てしまいまいました。17番パー5もティーショットを大きく右曲げて、パーでは収めましたが、全米オープンなら良かったかもしれませんが、全米プロはバーディを獲っていかないといけないので、勝負を分けた結果だったと思います。
メジャーで勝つには、4日間通して安定したティーショットが必要だったと思います。確率論でいえば、1日フェアウェイキープが4回増えれば、4回のうち3回はバーディパットを打てる。4日間でいえば12回バーディパットが打てるわけで、昨年のタイガーが勝つにはフェアウェイキープ率がもう少し必要だったのかなと思います。
メジャーでトップに立った緊張感というのは、その当事者にしかわからないと思います。しかし勝っても負けてもその経験が活きるので、今年のマスターズで勝てたのではないかと思います。
そのザ・バークレイズで松山英樹選手のバッグを担いだプロキャディの進藤大典さんに、CS放送ゴルフネットワークの全米プロ事前情報番組「みんなの全米プロ」のなかで、全米プロゴルフ選手権という大会と、昨年2位で復活の兆しをみせていたタイガー・ウッズのプレーについてお話を伺いました。
5月開催で今季勝利者が有利か 昨年の経験をマスターズに活かしたウッズ
ベスページ・ブラック・コースは、パブリックコースの概念を覆すような難しさがあって、いい経験をさせてもらったコースですね。全米プロゴルフ選手権は、普段のPGAツアーのセッティングに一番近いメジャー大会だと思います。出場する全員がプロフェッショナルゴルファーで、メジャーの中でも一番スコアが出る、バーディを獲っていかないといけないという見応えのある試合だと思います。
開催時期が8月から5月に変わったことで、一度調子を早めに掴んだ選手のほうがチャンスがあるのかなと思います。マスターズで優勝したタイガー・ウッズだったり、3月のザ・プレーヤーズを勝ったローリー・マキロイだったり、一度優勝している選手がチャンスは大きいと思います。
松山英樹選手については、今季アイアンショットはいい時の英樹らしさが出ていると思います。ティーショットがあまり調子が出ていないので、ベスページではフェアウェイに出ていれば、そこが上がってくればすぐに優勝争いができると思います。
去年の全英オープンや全米プロで優勝争いをしたタイガーですが、こういう経験というのは凄く重要で、今年のマスターズに相当活きたと思います。去年の全米プロでは、スイングが本調子ではないなかで、なんとか自分の技術だったりマネジメントだったりでごまかしながら戦って、あの位置にいれるタイガーはすごいなという印象があります。
最終日の1番、2番は、アイアンで打つティーショットが2ホール続けて左に捕まえてしまい、次にアイアンを持ったホールでは左を警戒しすぎて右のラフに入れてしまう。なんとかフェアウェイに行かせたいと思いつつも、ティーショットが不安定で、気持ちよくやってないんだろうなというのが見えました。
しかし、最終日タイガーの前半9ホールのフェアウェイキープ率は0%でしたが、4バーディ1ボギーでした。選手は、曲げたところからのほうが、やることは限られるんですよね。例えば、ピンの左はダメ、手前もダメ、ライはつま先上がり、ではどういう球を打たなければいけないか?という、シチュエーションとイマジネーションが合致しやすい、イメージしやすいんですよね。ボギーを打たないようにするにはどうしたら良いか、冷戦な判断ができるのがタイガー・ウッズですね。
バックナインでティーショットがようやくフェアウェイにいきましたけど、前半のアイアンの流れでいうと、後半はもっとバーディチャンスにつけたったと思うんですよね。ボールも止まるコンディションでしたし、ドライバーが真っ直ぐ行くのにアイアンがピンを刺さなかったのは、ちょっと気持ち悪かったのではないでしょうか。しかし、メジャー最終日のバックナインでの紙一重の状況は、「あれ、オレの大会じゃないのかな」とか自信が揺らいだりするものですが、トップの選手は強靭なメンタルなので、スイッチが入っていきましたよね。
13番188ヤードのパー3では、ロングアイアンで右のピンに対してハイカットに打って、完璧でした。メジャーの最終日に120点のショットを打ってバーディを獲った。これはかなり自信になったのではないでしょうか。
トップに1打差に迫ったところで、14番のティーショットをアイアンでフェアウェイに置きれずボギーにしてしまい、ここで調子が悪いのが出てしまいまいました。17番パー5もティーショットを大きく右曲げて、パーでは収めましたが、全米オープンなら良かったかもしれませんが、全米プロはバーディを獲っていかないといけないので、勝負を分けた結果だったと思います。
メジャーで勝つには、4日間通して安定したティーショットが必要だったと思います。確率論でいえば、1日フェアウェイキープが4回増えれば、4回のうち3回はバーディパットを打てる。4日間でいえば12回バーディパットが打てるわけで、昨年のタイガーが勝つにはフェアウェイキープ率がもう少し必要だったのかなと思います。
メジャーでトップに立った緊張感というのは、その当事者にしかわからないと思います。しかし勝っても負けてもその経験が活きるので、今年のマスターズで勝てたのではないかと思います。
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5月16日(木)~5月19日(日)