プロアマよりもジュニア育成、地域密着を目指す新たなトーナメントのカタチ
2016年7月18日(月)午後7:00
海の日の7月18日(月)、福島県のグランディ那須白河ゴルフクラブにて「ダンロップ・スリクソン福島オープン」のジュニアイベントが開催された。中嶋常幸プロ、山下和宏プロ、星野英正プロ、額賀辰徳プロ、小池一平プロ、稲森佑貴プロ、そして地元福島出身の酒井美紀プロを加えた7名が参加。
プロがジュニアをマンツーマンで指導するレッスン会と9ホールのラウンドレッスンを実施。終了後にはプロを交えた交流パーティーが行われた。
ダンロップ・スリクソン福島オープンジュニア大会の上位者15名が参加
ジュニアレッスンではなく、あくまで"育成"が目的ということで、開始冒頭の挨拶では中嶋プロが「君たちはゴールデンエイジ。これからまだまだ伸びる世代だから、今日はプロ7名でしっかりと教えたと思います。」とコメント。
小学生を指導した中嶋プロは「スイングは建物と同じ。下半身(土台)がしっかりしていないとだめ。下半身が負けないように。」と本格的なレッスンに。教わったジュニアたちも真剣な眼差しで中嶋プロの指導を食い入るように聞いていたのが印象に残る。
プロのショットにくぎ付け
高校生を指導した山下プロも軽快なトークでジュニアたちの緊張を和らげながらも、鋭い視線で彼女たちのスイングをチェック。方向性を高めるポイントや苦手というフェアウェイウッドの打ち方を時間ギリギリまで熱心に教えた。
プロの直接指導は夢のような時間
今回のイベントに参加していた小林千夏さん(学法石川高1年)に感想を聞いた。
レッスン会では山下プロ、後半のラウンドは稲森プロと一緒にプレーした小林さん。
「プロに教わったりする機会はあまり無かったので緊張しました。山下プロにはスイングのリズム感を一定に保つことと、フェアウェイウッドがアッパー気味に当たっているのでしかっりと打ち込むよう教えてもらいました。午後のラウンドで良いショットが打てたので教えてもらった甲斐がありました。稲森プロにはいろんなライからの打ち方やバリエーションのあるアプローチショットを教えてもらい勉強になりました。」
稲森プロとラウンドをする山下さん
ラウンド後の交流パーティーでは参加したジュニアたちによる「夢発表会」が行われました。小林さんが色紙に書いた夢は「日本ジュニア」出場。
「来週、日本ジュニアの予選会があるんですが、これまで本戦に行ったことがないので今年は出場したいです。いろいろ考えたんですが直近の夢にしました。今日教わったことを活かして日本ジュニア目指して頑張りたいです。」と笑顔で語ってくれた。
日本ジュニア出場を目指す小林千夏さん(学法石川高1年)
色紙には一緒にラウンドしたプロからサイン入りでメッセージが書かれた。山下さんと一緒にプレーした稲森プロは「いい加減なことは書けない」と時間をかけて熟考した後、「何事も諦めない!!」と記した。
参加したジュニアは皆、プロゴルファーを前に目を輝かせていた。子供たちに夢を与えることのできる職業がプロスポーツ選手でもある。
ゴルフ活性化に繋がる新たなトーナメントのカタチ
通常のトーナメントでは開催前にプロアマ大会を実施するケースが多いが、「ダンロップ・スリクソン福島オープン」ではプロアマを行わず、その代わりに開催週の月曜日にプロが参加するジュニアイベントを開催している。
近年、ゴルフ人口の減少やツアー人気低下が叫ばれる中、ゴルフ用品総合メーカーのダンロップスポーツはゴルフ市場活性化を目指して『+G(プラス!ゴルフ)プロジェクト』を2013年より実施している。
『ゴルフを始めたいけどお金がかかる』、『誰に教わればよいか分からない』といった初心者向けのスタートアッププログラムやレッスン会を開催。そのほか、ゴルフのプレー回数を増やすための施策として"ダンロップゴルフアンバサダー"を募集し、サークル支援を行うなどゴルフ市場活性化に向けた取り組みを行っている。
この『+Gプロジェクト』の一環として2014年より開催されているのが「ダンロップ・スリクソン福島オープン」だ。男子トーナメントが開催されていない地域で行うことで、より多くの人にゴルフの魅力を知って欲しいという狙いがある。また、40年以上前から開催地である福島県白河にダンロップのタイヤ工場があることから、ゴルフトーナメントを開催することで福島を応援したいという想いがある。
これまでのトーナメントとは異なり、運営費用のスリム化を目指して開催されている同大会。賞金総額は5,000万円と少額ながらも地域密着型のイベントとして、地元企業や自治体の協力を得ながら、"地域振興"と"ジュニア育成"をテーマに様々な取り組みを行っており、今年で3回目を迎える。
今回のジュニア育成交流プログラム以外にも、小学生を対象としたスナッグゴルフ体験会やプロによるデモンストレーションや講演、トーナメント観戦企画など、開催地福島のゴルフ活性化につながるイベントを行う「ダンロップ・スリクソン福島オープン」は新たなトーナメントのカタチを示している。