ツアー人気復活へ地域密着の重要性。JGTOがファンイベントを開催
2016年7月20日(水)午前11:41
4月11日(月)、国内開幕戦を前に名古屋市内でJGTOがファンイベントを開催した。今年1月、選手会長に就任した宮里優作は「人気回復にはファンサービス。そのためにはファンと触れ合う現場が重要。」とファンサービスの重要性を挙げていた。既にアジアシリーズでツアーは始まっているが、日本のファンに向けては事実上、新体制のお披露目とも言える場となった。
名古屋市内中心部の栄にある商業施設で行われたイベントには気温が下がり冷え込む中、プロゴルファーを一目見ようと18時開始の1時間も前からファンが訪れていた。会場には選手会長の宮里を筆頭に、副会長の横田真一、近藤共弘、薗田峻輔のほか、昨年の賞金王キム・キョンテ、昨季ツアー初優勝を飾った若手注目株の片岡大育ら6名のプロゴルファーが登場。
特設ステージでのトークショーやプロとのパッティング対決、記念撮影、サイン会と1時間に及ぶイベントは寒さを吹き飛ばすほど、訪れたファンも参加したプロも終始笑顔が溢れていた。
鬼のキョンテもたじたじ・・賞金王はいじられキャラ?
中でも印象的だったのが、ステージ上のプロ6名のチームワークと一体感だ。多くのメディアでも“男子ツアーの人気低迷"が取り上げられる中、選手会長に名乗りを挙げた宮里優作には否が応でも注目が集まる。宮里中心にイベントが展開するかと思いきや、ベテランの横田、中堅の近藤がいろんな選手につっこみ、軽快なトークで会場を盛り上げる。
地元愛知県出身の近藤共弘
ファンからの質問に答える「プロのここが知りたい」のコーナーでは、「ジュニア時代にどのくらい練習していましたか?」というお題に対して、宮里が「1,000球くらいドライバーを打っていたこともあります」とエピソードを話すと、横田と近藤は「優作みたいにそんなに打てないよ(笑)」と切り返すと、今年の最年少理事でもある薗田が「僕は東京出身なのでボール代が高いからお金が無くて1,000球も打てませんよ」と気の利いたコメントで笑いを取る場面も。
「好きな女性のタイプは?芸能人でいうと?」というプライベートな質問では、キョンテが「昨年結婚したばかりなので・・・日本の芸能人知らないし・・・」と恥じらいながら答えに困っていると、近藤が「イ・ボミちゃんでしょ!」と会場を沸かせた。プレー中は表情を変えず"鉄仮面"や"韓国の鬼"とも呼ばれる勝負師のキョンテもこの日ばかりは自然と笑みがこぼれた。
トーナメントとは違った一面が見られるのもファンイベントならでは。
宮里優作の呼びかけに賛同して参加したキム・キョンテ
以前インタビューで宮里はこのようにも言っていた。
「ファンサービスにはとにかく現場が大事。選手全員が同じ方向に向いて一丸となって取り組む。そのためには選手一人一人の意識改革が必要。」
イベント開始30分前には全員揃って打ち合わせを行った6人。ファンと触れ合う貴重な場、限られた時間で来てくれたファンの人たちに楽しんでもらえるよう精一杯やろうという姿勢の表れにも感じた。
子供たちとのパッティング対決も6人が一丸となって盛り上げる
地域密着によるツアー人気回復の可能性
開幕戦「東建ホームメイトカップ」、第3戦「中日クラウンズ」を控え、名古屋地区での開催となったファンイベント。男女ツアー併せて今年も5大会が開催されるなどゴルフ熱の高い東海地区。古くは1970年に三好カントリー倶楽部を舞台に男女共同開催として始まった東海クラシックには多くのファンがトーナメント観戦に訪れた。1989年には同一開催で青木功と岡本綾子が優勝し、最終日には2万人を超えるギャラリーが来る熱狂ぶりだった。
今回のイベントでも近藤や高山忠洋ら地元出身選手のファンという方も多くいた。そんなファンイベントを見ていて、選手会長となった宮里が話していた言葉を思い出した。
「(アメリカと日本の違いについて)PGAツアーはしっかりとした地元のお祭りになっていてイベントとして成立している。子供も来られるようにギャラリーの受け入れ体制も充実していて、ゴルフを見ない人も見る人も両方楽しめるような準備が出来ている。」
今回のイベントでも家族連れが目立ち、子供やゴルフをしないサラリーマンも参加していた。
GOLFNETWORK PLUSのクーポン抽選会に当選した板倉さん親子
プレーするスポーツという位置づけが強いゴルフだが、ゴルフ人気のためには“見るスポーツ"としての発展も欠かせない。近年、プロ野球やJリーグも地域密着を重視した取り組みでファン拡大を図ってきた。
「地元のチームを応援する、ホームゲームに家族で足を運ぶ」
そのスポーツに関心がない人でも楽しめるような場作り。広島カープのボールパークや川崎フロンターレが試合前に開催するファンイベントなどが良い例だ。今でも毎年、地元で開催されるトーナメントを楽しみにしているファンもいるが、様々な地域で今回のようなファンイベントが開催されると、ゴルフを知らない人でも地元出身選手を応援するような"見るスポーツ"として定着していく可能性もあるかもしれない。
スター選手の排出も必要だが、各トーナメントには毎大会100名前後の選手が出場している。若手からベテランまでプレースタイルや性格も異なる。
「今年は選手一丸となってツアーを盛り上げる!」
力強い言葉で宣言した選手会長の宮里を中心とした新たな男子ツアーに注目だ。
いよいよ14日(木)から「東建ホームメイトカップ」が開幕する。
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とことん一番ホール生中継 JAPANゴルフツアー開幕戦 東建ホームメイトカップ
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