P.クリーマー奇跡の逆転V! プレーオフでA.ムニョス下す
2014年3月2日(日)午後5:47
ポーラ・クリーマー(米)が30メートル近い奇跡のパットを捩じ込み、逆転でツアー通算10勝目を飾った。
米女子ツアーの今季第4戦 HSBC女子チャンピオンズは現地時間2日、シンガポールのセントーサGC ザ・セラポンCを舞台に最終ラウンドの競技を終了。初日から首位を守ってきたカリー・ウェブ(豪)が前半終了時点で一時後続を3打リードし楽勝かと思われたが、13番、15番で痛恨のボギー。最終18番ではバンカーからバンカーを渡り歩き、パーをセーブ出来ずに後退した。そんな中、3年半ぶりの優勝を狙うクリーマーとツアー通算2勝目を目指すアザハラ・ムニョス(スペイン)が通算10アンダーで並び、決着はプレーオフへともつれ込んだ。
ともにパーで分け合って迎えたサドンデス2ホール目。18番パー5でクリーマーが放ったティーショットはフェアウェイど真ん中を捉える。そこから3番ウッドで2オンに成功すると、直角に曲がる難しいフックライン、しかも30メートル近い距離をクリーマーがど真ん中から入れる奇跡の結末が訪れた。超ロングパットを決めイーグルでムニョスにとどめを刺した瞬間、クリーマーは喜びのあまりバンザイのポーズでグリーン上で駆け出した。そのあとひれ伏し地面を叩いて久々の勝利の味を噛み締める。
「本当に最高の気分です。今でも私、震えているわ」と満面の笑みでラウンド後のインタビューに答えたクリーマー。昨年の12月、デレク・ヒース氏との婚約を発表し、幸せいっぱいの彼女は2010年の全米女子オープンでの優勝以来となるツアー10勝目に「父よりデレクに先に(優勝を)報告したら父が嫉妬しちゃいますね」と声を上ずらせた。勝因は「これまでのハードワーク」。そしてキャディであり親友であるコリン・キャン氏が「終始落ち着いていてくれていたので助けられました」。ウェブの自滅は残念だったが、クリーマーの劇的なイーグル締めで大会は大いに盛り上がり幕を閉じた。
シーズン2勝目目前まで迫りながら2つスコアを落として通算9アンダーとしたウェブが単独3位。この日のベストスコア6アンダー66をマークしたリュウ・ソヨン(韓)が通算7アンダーでインビー・パーク(韓)、スーザン・ピーターセン(ノルウェー)、モーガン・プレッセル(米)、アンジェラ・スタンフォード(米)と並び4位タイに食い込んだ。また、前日最終組を回り注目を浴びたテレサ・ルー(台)は3つスコアを落として通算5アンダー。ミッシェル・ウィー(米)とともに9位タイにとどまった。
日本勢は、宮里美香が1バーディ、3ボギーの2オーバー74と崩れたものの、通算3オーバー29位タイに入ったのが最高。上原彩子は4バーディを奪いながら5ボギーを叩いて1つスコアを落とし、通算8オーバー50位タイだった。歴代チャンピオンのひとり宮里藍は3バーディをマークしたが、グリーン上で苦しみ7ボギーの乱調。通算17オーバーは前日と変わらず単独60位で4日間の競技を終えている。