国内女子ツアーの今季最終戦LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは29日、宮崎県の宮崎CCを舞台に最終ラウンドの競技を行った。首位と5打差の5位タイからスタートした横峯さくらが3アンダー69にスコアをまとめ、通算6アンダーで逆転優勝。2位タイ（通算5アンダー）に終わった諸見里しのぶをかわし、初の賞金女王に輝いた。

　初日にトップタイ発進を切った横峯だったが、2日目、3日目にスコアを伸ばせず「（女王の）チャンスは30パーセントくらい」とトーンダウン。それでも、2バーディ、1ボギーのイーブンパーで迎えたこの日の後半は、神がかったプレーを披露した。ピンと逆サイドのラフにつかまった14番パー4では、距離のあるサードショットを直接ねじ込んで起死回生のバーディを奪取。さらに続く15番パー4でも、あと少しでチップインイーグルとなるセカンドショットを披露し、連続バーディでリーダーボードを駆け上がった。難しい上がり3ホールはきわどいパーパットを沈めて、通算6アンダーでフィニッシュ。プレーオフに備え、練習グリーンで後続のホールアウトを待った。

　すると、賞金ランキング2位の横峯に540万円強の差をつけランキングトップを走っていた諸見里が、後半になってショットを乱し失速。結局1アンダー71とスコアを伸ばしきれず、前日トップの飯島茜も3オーバー75と崩れたため、横峯がそのまま逃げ切る劇的な幕切れとなった。

　シーズン開幕前から女王獲りを宣言していた横峯だが、夏場には中々勝てず賞金ランキング2位へ後退。「（女王は）無理かもしれない」と諦めの言葉を放ったこともあった。しかし、それで重圧から解放されたのか、シーズン終盤の伊藤園レディスで優勝を遂げて諸見里に再び肉薄。今大会では逆転女王への条件は厳しかったものの「優勝したいと思えば思うほど空回りしてしまった。自分のゴルフを楽しむことだけを心掛けてプレーした」と語った通り、最後まで笑顔で自らのゴルフを貫いた。

　今季は開幕から8試合連続トップ10入り。シーズンを通して1度も予選落ちがなく、勝ち星を6つ重ねた横峯。獲得賞金1億7,500万円は、06年の大山志保を超える新記録となった。

　なお1打差の2位タイには、諸見里の他に飯島、服部真夕、李知姫（韓）が入り、米ツアーで活躍する宮里藍と上田桃子が通算4アンダー6位タイ。賞金ランク3位で、優勝すれば逆転のチャンスがあった有村智恵は、古閑美保と同じ通算2アンダー9位タイに終わった。