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2人合わせて190回目の出場で一緒に初優勝!見応え十分だったPGAツアー唯一のチーム戦【大町昭義のPGAツアーアフタートーク】
2025年5月1日(木)午後1:59

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PGAツアー唯一のチーム戦「チューリッヒクラシックオブニューオリンズ」(ルイジアナ州・TPCルイジアナで開催)は、アンドリュー・ノバック/ベン・グリフィン組が優勝を飾りました。ノバックはツアー100戦目、グリフィンは90戦目という節目での初勝利。2人の人となりと、感動的な優勝となった試合の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた大町昭義プロに語ってもらいました。

PGAツアー唯一のダブル戦。興味深かったのはチーム編成で、最も多かったのが大学繋がりですが、地元が一緒だったり、奥さん同士が友人だったり、中にはお互いのキャディーさんが仲良しなんてチームもありました。試合の方も初日に「58」というビッグスコアが出るなど、見応え十分。また、ダブルス戦ならではの面白さも堪能しました。
お互いに刺激し合ってナイスショットを連発することもあれば、片方が上手くいっているのに、もう1人がミスばかりといったシーンも。持ちつ持たれつの関係の中で、普段とは違うゴルフをしている選手もいたように思います。
さて、最終的にはアンドリュー・ノバック/ベン・グリフィン組が激戦を制したのですが、勝負の分かれ目となったのは、最終日の17番パー3でした。この17番で、ノバック組を追いかけるジェイク・ナップ/フランキー・カパン3世組のカパン3世がティーショットを左の池に入れてしまいました(結果はボギー)。一方、同じようにティーショットでミスをしたノバックの球は運良くグリーンの左奥で止まった。とはいえ残ったのは7~8メートルの下りのパット。これをグリフィリンがねじ込んで、勝利をたぐり寄せました。まさに、勝利を決定づけたパットとなったわけです。
優勝したノバック、グリフィンについて少し紹介しておきましょう。ノバックは、今季序盤は低迷していたのですが、ここに来て調子を取り戻し、先週の「RBCヘリテイジ」では絶好調状態に。ただ、この試合で優勝を逃し、その悔しさを今大会にぶつけたのでしょう。しかも、グリフィンと組むことによって、適度にリラックスできたのも良かったようで、得意のドライバーショットはもちろん、アイアンショットやアプローチショット、パッティングと全てがかみ合い、本人も確かな手応えを感じていたようです。
一方、グリフィンは、以前下部ツアーで戦っているときに一種の燃え尽き症候群になったようで、ゴルフもトレーニングも一生懸命やり、家族の応援があったにも関わらず、成績が伴わなかったことでツアーから撤退。一時、家族がやっている保険の仕事を手伝っていたこともありました。ところが、気心の知れた友人と遊びのラウンドをしていたときに、「こんなに上手いのだから、ゴルフを諦めてはダメだ」と諭され、PGAツアーに戻って来たという異色の経歴の持ち主です。
さらに昨年、紫外線の影響で目の病気を患ったのですが、これも手術と目を守ってくれるサングラスを手に入れたことで克服。私も含め、そういういきさつを知っている人たちにとっては、感動的な優勝となりました。
解説の中でも触れましたが、ノバックはちょうど100回目、グリフィンは90回目のツアー出場。そして2人とも初優勝。今回はダブルスでの優勝だったわけですが、それぞれが2勝目を手にするのは、意外と早いように思います。
日本人選手の活躍にも少し触れておきましょう。期待を抱かせてくれたのは、久常涼選手/金谷拓実選手の“久金コンビ”。3日目が終わった時点で優勝もあるのではと思い、そのためのコメントも用意しておいたのですが、残念ながら最終日に崩れてしまい、結果的には21アンダーの18位タイに終わりました。
ただ、2人にとってはいい経験になったはず。次戦の「ザ・CJカップ バイロン・ネルソン」ではリベンジを果たしてほしいものです。また、星野陸也選手、大西魁斗選手も調子は悪くないようなので、期待大。日本人4選手からは目が離せませんよ。
(写真:Getty Images)
試合を決めた17番のバーディーパット

PGAツアー唯一のダブル戦。興味深かったのはチーム編成で、最も多かったのが大学繋がりですが、地元が一緒だったり、奥さん同士が友人だったり、中にはお互いのキャディーさんが仲良しなんてチームもありました。試合の方も初日に「58」というビッグスコアが出るなど、見応え十分。また、ダブルス戦ならではの面白さも堪能しました。
お互いに刺激し合ってナイスショットを連発することもあれば、片方が上手くいっているのに、もう1人がミスばかりといったシーンも。持ちつ持たれつの関係の中で、普段とは違うゴルフをしている選手もいたように思います。
さて、最終的にはアンドリュー・ノバック/ベン・グリフィン組が激戦を制したのですが、勝負の分かれ目となったのは、最終日の17番パー3でした。この17番で、ノバック組を追いかけるジェイク・ナップ/フランキー・カパン3世組のカパン3世がティーショットを左の池に入れてしまいました(結果はボギー)。一方、同じようにティーショットでミスをしたノバックの球は運良くグリーンの左奥で止まった。とはいえ残ったのは7~8メートルの下りのパット。これをグリフィリンがねじ込んで、勝利をたぐり寄せました。まさに、勝利を決定づけたパットとなったわけです。
優勝したノバック、グリフィンについて少し紹介しておきましょう。ノバックは、今季序盤は低迷していたのですが、ここに来て調子を取り戻し、先週の「RBCヘリテイジ」では絶好調状態に。ただ、この試合で優勝を逃し、その悔しさを今大会にぶつけたのでしょう。しかも、グリフィンと組むことによって、適度にリラックスできたのも良かったようで、得意のドライバーショットはもちろん、アイアンショットやアプローチショット、パッティングと全てがかみ合い、本人も確かな手応えを感じていたようです。
一方、グリフィンは、以前下部ツアーで戦っているときに一種の燃え尽き症候群になったようで、ゴルフもトレーニングも一生懸命やり、家族の応援があったにも関わらず、成績が伴わなかったことでツアーから撤退。一時、家族がやっている保険の仕事を手伝っていたこともありました。ところが、気心の知れた友人と遊びのラウンドをしていたときに、「こんなに上手いのだから、ゴルフを諦めてはダメだ」と諭され、PGAツアーに戻って来たという異色の経歴の持ち主です。
さらに昨年、紫外線の影響で目の病気を患ったのですが、これも手術と目を守ってくれるサングラスを手に入れたことで克服。私も含め、そういういきさつを知っている人たちにとっては、感動的な優勝となりました。
解説の中でも触れましたが、ノバックはちょうど100回目、グリフィンは90回目のツアー出場。そして2人とも初優勝。今回はダブルスでの優勝だったわけですが、それぞれが2勝目を手にするのは、意外と早いように思います。
日本人選手の活躍にも少し触れておきましょう。期待を抱かせてくれたのは、久常涼選手/金谷拓実選手の“久金コンビ”。3日目が終わった時点で優勝もあるのではと思い、そのためのコメントも用意しておいたのですが、残念ながら最終日に崩れてしまい、結果的には21アンダーの18位タイに終わりました。
ただ、2人にとってはいい経験になったはず。次戦の「ザ・CJカップ バイロン・ネルソン」ではリベンジを果たしてほしいものです。また、星野陸也選手、大西魁斗選手も調子は悪くないようなので、期待大。日本人4選手からは目が離せませんよ。
(写真:Getty Images)
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