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ニック・テイラーの劇的イーグルパットで69年ぶり歓喜に湧いたRBCカナディアンオープン、熱狂はそのまま全米オープンへ
2023年6月15日(木)午後0:03
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PGAツアーのRBCカナディアンオープン(6月8日~11日/オークデールゴルフ&カントリークラブ/カナダ)は、ニック・テイラーが、カナダ人としては69年ぶりに母国優勝を飾りました。
カナダ中が歓喜に沸いた大会を、CSゴルフネットワークで中継解説を務めたプロゴルファー・大町昭義さんに振り返ってもらいました。さらに「会場を1度ラウンドしたことがある」という全米オープンゴルフ選手権(6月15日~18日/ロサンゼルスCC/カリフォルニア州)の展望も伺っています。
よく「地元有利」といわれますが、自国でベストのゴルフをするというのは意外と難しいもの。色々なプレッシャーがある中で見事頂点に立ったテイラーに拍手を送りたいと思います。トミー・フリートウッドとのプレーオフも実に見応えがありました。最終的に4ホールを戦ったわけですが、ともにバーディ(18番)、パー(18番)、パー(9番)ときて、4ホール目となった18番でテイラーがイーグルで締めくくった。見事な戦いでした。
テイラーという選手は見た感じ細身ですが、しっかり筋肉もあって、叩くと300ヤードはラクに飛ばせる選手。また、最終日はアイアンショットのコントロールも素晴らしく、特にフロントナインはビトゥイーンクラブの距離が残ることが多かったのですが、これを上手くコントロールショットで乗せてバーディを獲ってきたのが勝因の一つになったと思います。
プレーオフ4ホール目も圧巻でした。18番はパー5ですが、270ヤードのところにクリークが走っていて、ドライバーが持てないホール。にもかかわらず、ギリギリを攻めて2オンに成功し、最後は21メートルのイーグルパットを沈めた。あのウィニングパットも、最初は上って右に曲がりながら、最後は下って右に切れるというダブルブレークライン。本当に素晴らしいプレーでした。
一方、敗れたトミー・フリートウッドも賞賛に値するプレーをしていたと思います。欧州ツアー6勝の実力者。米ツアー初優勝はなりませんでしたが、その日が来るのはそう遠くないような気がします。
さて、いよいよ次週は全米オープンです。舞台は、カリフォルニア州のロサンゼルスカントリークラブ。オーガスタやサイプレスポイント同様、スーパープライベートコースでなかなかプレーをすることができないコースの一つですが、実は私自身、一度プレーをしたことがあります。
コース自体は軽い起伏があるものの、基本的にはフラット。昔ながらのクラシカルなデザインで、終盤の3ホールが面白い&相当タフだった記憶があります。ただでさえタフなのに、メジャーのセッティングが施されたらどうなるのだろうと思いながらラウンドしたのを覚えています。
今年の全米プロもそうでしたが、間違いなく難しいセッティングになるはず。優勝スコアは5~8アンダーあたりで、天候が荒れたらもっと厳しくなる可能性も。そうなると、やはり勝負のカギは「我慢」になってくるでしょう。
ティーショットも、ドライバーで果敢に攻めなければいけないホールもあれば、5番ウッドなどでレイアップする必要が出てくる場合もあると思います。激しい優勝争いが繰り広げられると思いますが、私のイチ推しはスコッティ・シェフラー。ショットが安定しているし、アプローチも上手い。何よりも我慢強いというのがその理由です。
そのほか、カナディアンオープンで調子が悪かったローリー・マキロイやプレーオフで敗れたフリートウッドも悔しさをバネに出てきそうです。特にフリートウッドは全米オープンとの相性が良く、2017年に4位に入り、シネコックヒルズで行われた2018年は、最終日にトーナメントレコードの「63」をマークして2位に入っている。非常に楽しみです。
そして、忘れてはならないのが松山英樹選手。優勝争いに絡んでくれることを期待しています。
(写真:Getty Images)
カナダ中が歓喜に沸いた大会を、CSゴルフネットワークで中継解説を務めたプロゴルファー・大町昭義さんに振り返ってもらいました。さらに「会場を1度ラウンドしたことがある」という全米オープンゴルフ選手権(6月15日~18日/ロサンゼルスCC/カリフォルニア州)の展望も伺っています。
プレーオフ4ホール目でテイラーが21mのイーグルパットを沈める
長い伝統を誇るRBCカナディアンオープンは、69年ぶりにカナダの選手が優勝を飾りました。その名はニック・テイラー。カナダ人が久しぶりに頂点に立ったことで、優勝の瞬間は会場中が大興奮に包まれました。よく「地元有利」といわれますが、自国でベストのゴルフをするというのは意外と難しいもの。色々なプレッシャーがある中で見事頂点に立ったテイラーに拍手を送りたいと思います。トミー・フリートウッドとのプレーオフも実に見応えがありました。最終的に4ホールを戦ったわけですが、ともにバーディ(18番)、パー(18番)、パー(9番)ときて、4ホール目となった18番でテイラーがイーグルで締めくくった。見事な戦いでした。
テイラーという選手は見た感じ細身ですが、しっかり筋肉もあって、叩くと300ヤードはラクに飛ばせる選手。また、最終日はアイアンショットのコントロールも素晴らしく、特にフロントナインはビトゥイーンクラブの距離が残ることが多かったのですが、これを上手くコントロールショットで乗せてバーディを獲ってきたのが勝因の一つになったと思います。
プレーオフ4ホール目も圧巻でした。18番はパー5ですが、270ヤードのところにクリークが走っていて、ドライバーが持てないホール。にもかかわらず、ギリギリを攻めて2オンに成功し、最後は21メートルのイーグルパットを沈めた。あのウィニングパットも、最初は上って右に曲がりながら、最後は下って右に切れるというダブルブレークライン。本当に素晴らしいプレーでした。
一方、敗れたトミー・フリートウッドも賞賛に値するプレーをしていたと思います。欧州ツアー6勝の実力者。米ツアー初優勝はなりませんでしたが、その日が来るのはそう遠くないような気がします。
さて、いよいよ次週は全米オープンです。舞台は、カリフォルニア州のロサンゼルスカントリークラブ。オーガスタやサイプレスポイント同様、スーパープライベートコースでなかなかプレーをすることができないコースの一つですが、実は私自身、一度プレーをしたことがあります。
コース自体は軽い起伏があるものの、基本的にはフラット。昔ながらのクラシカルなデザインで、終盤の3ホールが面白い&相当タフだった記憶があります。ただでさえタフなのに、メジャーのセッティングが施されたらどうなるのだろうと思いながらラウンドしたのを覚えています。
今年の全米プロもそうでしたが、間違いなく難しいセッティングになるはず。優勝スコアは5~8アンダーあたりで、天候が荒れたらもっと厳しくなる可能性も。そうなると、やはり勝負のカギは「我慢」になってくるでしょう。
ティーショットも、ドライバーで果敢に攻めなければいけないホールもあれば、5番ウッドなどでレイアップする必要が出てくる場合もあると思います。激しい優勝争いが繰り広げられると思いますが、私のイチ推しはスコッティ・シェフラー。ショットが安定しているし、アプローチも上手い。何よりも我慢強いというのがその理由です。
そのほか、カナディアンオープンで調子が悪かったローリー・マキロイやプレーオフで敗れたフリートウッドも悔しさをバネに出てきそうです。特にフリートウッドは全米オープンとの相性が良く、2017年に4位に入り、シネコックヒルズで行われた2018年は、最終日にトーナメントレコードの「63」をマークして2位に入っている。非常に楽しみです。
そして、忘れてはならないのが松山英樹選手。優勝争いに絡んでくれることを期待しています。
(写真:Getty Images)
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