現在賞金ランクトップを走る申智愛（韓）が首位に浮上したことで、宮里藍の賞金女王の夢は遠のきつつある。

　最終戦を次週に控えた米女子ツアーはロレーナ・オチョアの故郷、メキシコ・グアダラハラのグアダラハラCCを舞台にロレーナ・オチョア招待を開催中だが、現地時間13日に行われた第2ラウンドで申がノーボギーの6アンダー66をマーク。通算11アンダーとし、後続に3打差をつけ単独トップに躍り出た。

　通算8アンダー2位タイに申とルーキー・オブ・ザ・イヤー（申の受賞がすでに決まっている）を争ったミッシェル・ウィー（米）、そして今季初優勝を狙うポーラ・クリーマー（米）の2人、通算7アンダー単独4位に初日のトーナメントリーダー、キム・ソンヒ（韓）がつける展開。

　またトーナメントホステスのオチョアは通算4アンダーでヤニ・ツェン（台）らと10位タイにつけたが、岡本綾子以来、日本勢史上2人目のLPGAツアー賞金女王を狙う宮里はこの日もスコアを伸ばせず（3バーディ、3ボギー）通算1アンダー18位タイにとどまった。ライバル申とは10打差。逆転は難しい状況に追い込まれた。

　トップに浮上した申は「リズムが凄く良い。ドライバーとパットが絶好調。練習ラウンドは回らなかったけれど、コースを知らない分、安全にフェアウェイセンターを狙い、グリーンセンターを狙っているのが結果として良いのかも」とリラックスムード。いよいよ新人賞、最優秀選手賞、賞金女王の3冠の瞬間が近づいてきたが「タイトルのことは考えず、目の前の勝利にこだわりたい」と冷静そのもの。後続には勝利に飢えたウィーやクリーマーら強豪が続いているが「この場に立てることを心から楽しめている」と言う申に死角はなさそうだ。

　一方、悲願の初勝利を狙うウィーは「勝利の瞬間はすぐそこに近づいていると思う」と強気の発言。10番パー5では残り260ヤードを3番ウッドでおよそ1.5メートルに寄せて難なくイーグルを奪う飛ばし屋ならではの“らしい”プレーで他を圧倒。正式にツアーカードを取得して挑んだルーキーシーズンはベスト10入り7回と期待に違わぬ活躍を披露したが、唯一欠けているのが優勝の二文字。スーパールーキーが悲願の初Vを狙って残り2日エンジン全開で駆け抜ける。