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石川遼は4番ウッド、ツアープロがティーショットでFWを多用する理由とは?

2015年10月9日(金)午後0:36

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「ザ・グリーンブライアークラシック」は、石川遼プロが初日6アンダー「64」をマークし、4位タイの好発進でしたが、最終的には76位と上位に食い込むことは出来ませんでした。

予選ラウンドで、石川遼プロが苦しんだのが、不安定なティーショット。2日目にはOBを2つ、池ポチャ1回。フェアウェイキープ率は「42.86%」と精細を欠きました。

【ザ・グリーンブライアー クラシック大会2日目 石川遼スコアカード】

【関連リンク】「ドライバーだけだった」と悔やむ石川、26位タイ後退も4戦ぶり決勝ラウンドに向け「勝負どころでは間違ったショットは打っていない」

決勝ラウンドでは4番ウッドをティーショットで使う場面が目立ち、フェアウェイキープ率は上昇。本人も「ドライバーで収穫あった」とコメントするようにドライバーの調子も少しづつもどってきました。3日目のフェアウェイキープ率は「78.57%」。最終日は「85.71%」です。課題のティーショットが改善され、残りの試合で、PGAツアーの試合が確保できるか注目です。

石川遼プロに限らず、近年、クラブの進化に伴い、フェアウェイウッドでティーショットを打つ選手が増えてきました。今回は、ティーショットでもフェアウェイからでも、ツアープロが多用する飛びのフェアウェイウッドについて紹介します。

今どきのフェアウェイウッドはどうして飛ぶのか?

2012年?13年にかけて、飛距離を売り物にしたフェアウェイウッドが多数登場し、空前のヒットとなりました。それ以降、フェアウェイウッドの飛距離競争は加熱し、場合によってはドライバーとほとんど飛距離の変わらないモデルも多く存在します。

なぜこんなに飛ぶようになったのでしょう?

最も大きな理由は、クラブヘッドの重心をフェース寄りで、かつ低く設定したこと。浅重心・低重心と呼ばれますが、これによってバックスピン量が減り、ボールが先で伸びていくような棒球で飛ばしやすいクラブが増えたのです。

スピン量が多いクラブは、プロが敬遠する吹け上がる弾道になりやすく、飛距離をロスしやすくなります。

また、これまでフェアウェイウッドは、フェース面積が小さいため反発性能がドライバーに比べて低かったのですが、新素材やフェース構造などが工夫され、反発力が大幅に向上している点も見逃せません。これにより、ボール初速も速くなってきました。

プロがフェアウェイウッドでのティーショットを多用する理由とは?

【ドライバーショットの不調が続く石川遼(写真提供:Getty Images)】

ツアープロが、ドライバーではなく、スプーンやクリークのようなフェアウェイウッドでティーショットすることが多い理由は、なんといってもフェアウェイキープを重視しているからです。

飛距離を落としてでも、確実にフェアウェイキープしたいときや、ドライバーの落下点が狭く、その手前はランディングポイントが広いとき、刻んでもセカンドショット以降の距離がそれほど残らない時など、ドライバーを使わずにティーショットするケースは多くなっています。少し距離が残っても、フェアウェイから打てたほうが、プロはバーディーチャンスにつけやすいためです。

飛距離のでる現代のフェアウェイウッドは、ドライバーに比べて方向性が高く、それでいて飛距離も期待できるという、いいとこどりのクラブといえます。

また、この20年ほどで、ドライバーヘッドは急激に巨大化しました。200tに満たなかったパーシモン(柿材)から、ルール上限の460t前後まで、ヘッドの大きさは、倍近くになっています。また、パーシモン時代は0.5インチ程度しかなかったドライバーとスプーンの長さの差も、少なくとも2インチ、中には4インチ以上の差のあるクラブを使うゴルファーがいます。

こうしてセッティングの中でドライバーだけ非常に大きく、群を抜いて長いクラブであるケースが多いのです。同じスイングでショットしようとすると、ドライバーに比べて、大きさと長さが近いアイアンとフェアウェイウッドは感覚を一致させやすく、操作性は高くなります。

ゴルファーの中では、どうしてもデカヘッドや長いシャフトのドライバーが振りにくいタイプもいるので、そんな人にも飛び性能に優れたフェアウェイウッドが重宝されるわけです。

選ぶときの注意点は?

【フェアウェイウッドでのティーショットもしばしば見られる石川遼(写真提供:Getty Images)】

フェアウェイウッドを選ぶときに注意したいのは、低スピン性能が高いヘッドの場合、ボールは上がりにくいということ。ティーショットでの使用だけならまだしも、地面からも打ちたい場合、ボールをあげるにはパワーが必要です。

やさしく扱うコツは、ロフト角を多めにすること。

現在は、パワーヒッターのツアープロでさえ、ロフト角は多めにする傾向があります。ツアーでも屈指のロングヒッターであるローリー・マキロイやアダム・スコットは、一般的なアマチュアと変わらないロフト15度。石川遼プロは、ロフト角が16度の4番ウッドを使っています。

力のないアマチュアゴルファーであれば、地面から打つのは18度以上の5番ウッド(=クリーク)から使うのが、良い結果になるケースが多いようです。ロフト角があるクラブのほうが、かえって高弾道低スピンで飛距離が出るケースも少なくありません。

男子プロの世界では、既にティーショット=ドライバーという時代は終わっています。スプーンやクリークでティーショットを打つというのは消極的ではなく、積極的な攻めの選択です。あなたにぴったりなフェアウェイウッドを見つけてみましょう。

【石川遼最新クラブセッティング】
※トラベラーズ選手権取材時

★ドライバー
キャロウェイ XR-PRO 10.5°
(シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD MJ-7X)

★フェアウェイウッド
キャロウェイ XR-PRO #4 16°
キャロウェイ XR-PRO #6 19°
(シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD MJ-7X)

★アイアン
キャロウェイ X FORGEDアイアン 3番?PW

★ウエッジ
キャロウェイ X FORGDEウエッジ ニュー・ビンテージ51°
キャロウェイ X FORGDEウエッジ ニュー・ビンテージ55°
キャロウェイ MACK DADDY2 ツアーグラインドウエッジ58°
注)3番アイアンとウエッジ55°を大会によって入れ替え

★パター
オデッセイ ダマスカス#9

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