ツアープロコーチ内藤雄士が見た 松山英樹のココがすごい!
2015年2月24日(火)午前10:52
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難関リビエラCCを舞台に開催された「ノーザントラストオープン」で今季4度目のトップ5となる4位タイで終えた松山英樹。ワールドランキングは、前週と変わらず14位をキープした。
今シーズンのSTROKES GAINED: TEE-TO-GREEN(ショットのスコア貢献度)は1.620で6位。トータルドライビングは3位につけている。
松山の練習ラウンドを取材し、「ノーザントラストオープン」で解説を務めた内藤雄士氏がゴルフネットワークで放送の「PGAツアーダイジェスト」で松山のスイングを分析した。
世界トップクラスのショット力を誇る松山のスイングとは?
柔軟性を活かした捻転の強さ
松山のスイングの特徴は3つ。
・スタンスが広い
・重心が低い
・前傾角度がキープされている
まず、内藤氏が注目したのは“重心の低さ”だ。
「松山選手のスイングで特徴的なのは見てもわかる通り重心が低いことです。そして、その重心の低さがスイング中にもキープされています。スタンスを広くして重心を下げると、一般的にはスイング中に伸び上がったりしますが、松山選手の場合はアドレス、トップ、インパクト、フォローまで伸び上がったりせず、頭の位置もほとんど動かないほど重心がキープされています。」
では、この重心が低いことはスイングにどのような効果をもたらしているのだろうか?
内藤氏は松山の柔軟性を活かした捻転の強さをポイントに挙げた。
「後方からのスイングを見るとわかりますが、重心がキープ出来ているのは前傾角度をキープ出来ているからです。そのため、インパクトではボールに低く重心が伝わりパワー効率が上がります。また、松山選手は体が柔軟なので、体を捻って体幹を使ったスイングが出来ています。重心が低い状態で体を捻り、前傾角度をキープすることでコイルが最大になって、下半身と上半身の捻転差を生まれます。柔軟性が高い選手ではないと、広いスタンスはおすすめできませんが、松山選手は日々のトレーニングの中で柔軟性を高める努力をしています。」
体幹を使うことでショットの安定度が上がる
ここまでは松山のスイングの特徴について紹介したが、“世界に通用する”部分はどういったところなのだろうか?
注目したのはリスト(手首)を全く使っていないことだ。
「松山選手のショットはスタッツが示している通り、世界に通用するショットです。マスターズだと高い球、全米オープンだと止まる球が必要ですが、松山選手は飛距離もあるし、ボールが高いのでメジャーのような難コースを攻略するショットを持っていると言えます。通常はリスト(手首)を使ったり、腕を使って飛ばそうとしますが、松山選手の場合は腕をほとんど使わずに体幹で飛ばすスイングです。腕を使っていないのでプレッシャーに強いというメリットがあります。リストを使う選手と言えば、ババ・ワトソンやセルヒオ・ガルシアらが有名です。ガルシアはそれほど体格も大きくは無いですが、あれほど飛ばすことが出来るのは、ダウンスイングでタメを使って、一気にリストターンしてヘッドスピードを挙げてボールを飛ばしています。一方、松山選手は大きなタメはなく、ランニングアプローチやパターの延長で打っているようなイメージです。」
スイングのベースは変えずマイナーチェンジを繰り返す
優勝争いや良い結果を出していてもホールアウト後のインタビューでは「一つも良いショットは無かった・・・」とショットを課題とするコメントも多い松山。
内藤氏はこのように分析していた。
「松山選手は非常にクレバーなゴルファーで常に冷静に自分のことを分析しています。一昔前はフィーリングでスイングを変える選手も多かったですが、今はいろんな技術も進化したため、ツアーのスタッツやスイング計測器などを使って細かいデータを見ることが出来ます。そのため松山選手はアイアンならこういうボールを打ちたいというのをしっかりとした数字の裏付けを持って自分自身で把握し、高い目標設定を持っています。」
常に冷静に自分を分析する松山選手の良い点としてスイングを大きく変えすぎないことも内藤氏は評価する。
「スイングは去年から大きく変わっていないです。ただ、外から見るとほとんどわからないですが、松山選手は毎日のようにマイナーチェンジをしています。ショットの調子が良く無かったり、ドローヒッターだけどフェードが上手く打てたら良いなと思ったりすると大きくスイングを変えたりしますが、松山選手は自分のスイングのベースとなる“幹”の部分は変えずに、“枝葉”を少し変えることでスイングの調整を図っています。どんなに練習を重ねても“幹”の部分が変わらないことはショットの安定にも繋がります。大きくスイングが変わっていないことが松山選手の素晴らしいところです。」
PGAツアーを代表するショットメイカー、ボールストライカーと高く評価する内藤氏。
「今でもメジャーで通用するショット力は持っているが、松山選手は向上心が高く、目標設定が明確で常に高みを目指している。今のままトレーニングを続けて、下半身を強化し体幹を鍛えるとさらに飛ばすことができる。」と今後の更なる成長に期待を見せた。
松山英樹 スイング動画
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