藍、ひょうの中の死闘でまたもY.ツェンに1打差惜敗
2012年3月19日(月)午前11:52
会場のあるアリゾナが105日ぶりの雨に見舞われ、時ならぬひょうの嵐が吹き荒れた最終日、中断と再開を繰り返す長い一日の末、最後に笑ったのはまたも女王ヤニ・ツェン(台)だった。
米女子ツアーの今季第4戦で米本土初戦となるRRドネリーLPGAファウンダーズカップ(アリゾナ州、ワイルドファイアGC)は現地時間18日、最終ラウンドの競技を行ったが、予報通りの荒天に選手たちにとっては集中力を維持するのが難しい状況となった。
午前11時53分に雷雲が近づいたため1度目の中断。午後1時7分に再開したものの、2時48分からおよそ1時間、さらに4時57分から約45分の中断を挟み、決着がついたのは日没ぎりぎりの午後7時前。夕闇が迫る中、長時間の死闘を制したのは不動のロレックスランキング(女子世界ランキング)No.1に君臨するツェンだった。
この日は首位に並ぶツェンと宮里藍、それに1打差の3位につけるナ・エン・チョイ(韓)の3人が最終組で激しいデッドヒートを繰り広げる展開。そんな中、先手を取ったのは「天気が悪いほど自分には有利」と語っていた宮里だった。
宮里は3番、5番でバーディを奪い通算16アンダーとすると、エンジンのかからないツェンをリード。前半をツェンに3打差、チョイに2打差をつけ折り返したところで、今度こそ先月行われたツアー第2戦ホンダLPGAタイランドでの惜敗を帳消しにするチャンス到来かと思われた。
ところが後半に入った途端ツェンが猛然と息を吹き返す。10番、11番で連続バーディを奪うと、13番から怒濤の3連続バーディで一気に宮里とチョイを抜き去り単独トップに躍り出る。すかさず宮里とチョイも16番でバーディを奪いツェンに1打差と迫るが反撃もそこまで。宮里とチョイは上がり2ホール連続パーに終わり、通算18アンダーのツェンが今季2勝目、ツアー通算14勝目をゲット。宮里はチョイと並びまたも1打差の2位タイに甘んじた。
その他上位陣は、通算13アンダー単独4位にリュウ・ソヨン(韓)、通算11アンダー単独5位に朴ヒーヨン(韓)がつけ、通算10アンダー6位タイにクリスティー・カー(米)ら4人が入った。ディフェンディング・チャンピオンのカリー・ウェブ(豪)は通算8アンダー14位タイに終わっている。
宮里美香は、前日の失速で25位タイに後退し「スコアを伸ばす」と宣言して挑んだ最終日もバーディとボギーを繰り返しイーブンパー72止まり。通算5アンダーでこの日4オーバー76と崩れたスーザン・ピーターセン(ノルウェー)らと並び26位タイで終戦した。また、プロ初の予選突破を果たした金子絢香は通算3オーバー68位タイ、上田桃子は予選を突破したが体調不良のため前日すでに棄権を表明している。
尚、今大会はLPGAの創始者(ファウンダーズ)たちに敬意を表する大会で、賞金やポイントはランキングに加算されるが、実際の賞金は全額チャリティに充てられる。