米女子ツアーで活躍している現在ロレックスランキング（女子世界ランキング）24位の宮里美香が、終盤戦を迎えた国内女子ツアーで大暴れを目論んでいる。

　28日開幕の樋口久子 森永製菓ウイダーレディスは冠スポンサーが変わり、舞台を武蔵丘ゴルフコース（埼玉県）から森永高滝カントリー倶楽部（千葉県）に移しての開催となる。今大会を含めて今季は残り5試合となり、賞金女王争いやシード権（来季出場権）争いがヒートアップする中に、米ツアーで磨いた技を引っさげた宮里が加わり、激戦に拍車をかける。

　昨年、日本女子オープンゴルフ選手権競技で優勝した宮里は今季、主戦場である米ツアーで初優勝を目標にプレーしてきたが、惜しいところでまだ勝てずにいる。来週は日本ツアーとの共催で舞台が日本となるミズノクラシック（11月4?6日／三重県、近鉄賢島カンツリークラブ）。そこで米ツアー初Vを狙うためにも、前哨戦となる今大会は大きな意味を持っており、しっかりと自信につなげたいところ。

　賞金レースは、アン・ソンジュ（韓）が2年連続賞金女王に向けて賞金ランク首位を突っ走り、横峯さくらが約4,088万円差で追いかけ、さらに約195万円遅れて李知姫（韓）が追走。有村智恵、佐伯三貴もこれに続いている展開となっている。アンは今大会に出場する予定はない上、横峯も体調不良を理由に欠場が決定。他の選手は差をつめるチャンスだ。

　男子ツアーと違い、来季も試合数増が確実となっている女子ツアーだが、海外勢にばかりタイトルを持っていかれるようでは、やがて国内スポンサーにそっぽを向かれる可能性はある。それがわかっているだけに、日本勢は最後まで必死の戦いを繰り広げるにちがいない。

　一方、来季のシード権がかかる賞金ランキング上位50人までのサバイバルレースにおいては、ほとんどの選手が残り3試合しか賞金を稼ぐチャンスがない。米ツアーと共催の次週のミズノクラシック、最終戦LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ（11月24?27日／宮崎県、宮崎カントリークラブ）は、出場選手が上位陣に限られるからだ。

　シード圏内ボーダーライン上の選手たちにとっては1試合1試合、1円でも多く稼がなければ後が苦しい戦いになる。特に下から追い上げられることを気にして胃の痛くなる日々を強いられるのは、45位の木戸愛あたりから下の選手たちだろう。

　ここからのチャージ次第ではシード入りする可能性が高い賞金ランク55位に、2011年度プロテストトップ合格のオナリン・サタヤバンポット（タイ）がいる。QTでの出場権もあったため今季は23試合に出場しているが、これで1,216万6,640円を獲得。勝負強さも持っているだけに、怖い存在だ。

　また、ルーキーの酒井美紀は954万7,300円で58位と踏ん張りどころを迎えている。福島県いわき市の自宅が東日本大震災で被災し、なかなか帰れないなど苦労した1年を過ごしただけにどうしてもシード権は手にして最後に笑いたいところだ。

　その他、申ジエ（韓）、チェ・ナヨン（韓）、フォン・シャンシャン（中）ら海外勢に加え、有村、佐伯、野村敏京、古閑美保、不動裕理、笠りつ子ら実力者も出場して大会を盛り上げる。