順風満帆なゴルフ人生を送ってきた宮里藍が、スランプ脱出の糸口を日本の大会で見つけようとしている。

　日米両女子ツアー共催のミズノクラシックが2日、三重・近鉄賢島CCで開幕する。今季は米ツアーに専念し、日本のファンの前でプレーすることの少なかった宮里が、3月の国内女子ツアー開幕戦、ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント以来、初めて国内でプレーする。

　今季は、7月の女子ワールドマッチプレー選手権で2位に入った辺りまでは、初優勝目前という状態だった宮里だが、8月後半から一転。ミスを修正しようとしてミスを呼び、スイングに悩み出してしまった。膝の故障もあって不調は長引き、ここ7試合で棄権1回、予選落ち4回。先週のホンダLPGAタイランドでも59人中57位タイと低迷は続いている。

　現地入りしてからの練習ラウンドでもドライバーの調子は今ひとつ。それでも、いつもは日米離れ離れのコーチである父、優氏とともにいられるこの大会で、自信を取り戻したいところだ。

　一方、既に今季のプレーヤー・オブ・ザ・イヤーに決まったロレーナ・オチョア（メキシコ）や、前週まで2週連続優勝と絶好調のスーザン・ピーターセン（ノルウェー）は欠場。目玉となるのは、ディフェンディング・チャンピオンのカリー・ウェブ（豪）やローラ・デービーズ（英）、韓国勢だけで、日本勢にとっては国内にいながらにして米ツアー優勝の絶好の機会となっている。

　特に、国内賞金女王目指して突っ走る上田桃子は、米ツアー参戦を切望しているだけにどうしても勝ちたい。今秋、受ける予定だった米ツアーのQTを、賞金女王争いのために断念しており、ここで勝って来季米ツアー出場権が得られるなら一石二鳥とばかりに燃えている。

　もちろん、賞金ランク2位で上田を追いかける横峯さくら、全美貞（韓／同3位）も気合が入る。今季の国内賞金女王タイトルを占う意味でも大切な1戦となるはずだ。