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24歳ツアールーキーが24人をごぼう抜き!大逆転で初優勝を飾ったウイリアム・マウ【田島創志のPGAツアーアフタートーク】
2025年7月17日(木)午後0:52

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ケンタッキー州のハーストボーンカントリークラブ(チャンピオンコース)で開催された「イスコチャンピオンシップ」は、最終日、トップと7打差の1アンダー、25位タイでスタートした24歳のウィリアム・マウが、9バーディー、ノーボギーの61を叩き出して大逆転。PGAツアー初優勝を飾りました。日本人選手は、金谷拓実選手、大西魁斗選手が参戦しましたが、2人とも予選通過はなりませんでした。大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた田島創志プロに振り返ってもらいました。
驚きの大逆転でした。優勝したウィリアム・マウのスタートは最終組の8組前で、時間にすると1時間40分前。3日目が終わった時点で上に24人、同スコアが3人。スコア的には7打差。これだけの差をひっくり返すのは至難の業です。
スタートが早かったので中継に入ってきたのも11番から。そのため、プレーもじっくり見られなかったのですが、素晴らしい選手であることは分かりました。それほど大柄というわけではないのですが、飛距離は出るし、ショットも正確。将来性十分です。
優勝インタビューでは感極まっていましたが、同じ大学(ペパーダイン大学)でともに戦ってきたサーヒス・シーガラやジョー・ハイスミスらが先にツアーで優勝していることもあって、「いつか自分も」と思いがあったのでしょう。また、今季の「ザ・アメリカンエキスプレス」の2日目に13打を叩いた苦い記憶が蘇ったのかもしれません。
余談ですが、実家は養鶏場だそうで、1日に生み出される卵が2万5000個だとか。ドライブスルーでも販売しているようで、そんな情報も新鮮でした。
最終日、トップでスタートしながらスコアを伸ばせず、惜しくも2位に終わったポール・ピーターソンについても触れておきましょう。37歳のツアールーキー。今回、初めてプレーを見ましたが、印象に残ったのはメンタルの強さです。どんなときでも自分のゴルフを崩さないタイプで、コースがハードになればなるほどそれがプラスに働くような気がします。また、彼のようなタイプは、息の長い選手になると思うので、まだ先の話ですが、チャンピオンズツアーでも活躍してくれそうな予感がします。
そのピーターソン、日本人プレーヤーにも大いに刺激を与えてくれました。日本人選手が上位にいけないのはパワー不足にあると思われがちですが、ピーターソンは飛距離的には日本人選手とほとんど変わらず、ショットの精度で勝負するタイプ。こういうスタイルでも十分戦えるということを証明してくれました。
今回出場した金谷拓実選手、大西魁斗選手は予選を通過できませんでしたが、2人とも弱点を気にするのではなくて、自分のゴルフをしっかり見つめ直し、アップデートしていけばいいのではないかと思います。
さて、次週は今季最後のメジャーとなる「全英オープン」が開催されます。日本人選手は、今ところ松山英樹選手、金谷拓実選手、星野陸也選手、今平周吾選手、阿久津未来也選手、河本力選手の6人がエントリー。PGAツアーで戦っている選手はもちろん、日本で出場権を勝ち取った選手も大いに頑張ってほしいと思います。注目は、休養明けの松山選手。どのような調整をしてくるかが楽しみです。
開催コースは、北アイルランドのロイヤルポートラッシュGC。前回、同コースで行われた2019年大会は、アイルランド出身のシェーン・ラウリーが優勝。今回も、地元出身のローリー・マキロイに注目が集まりますが、私が期待するのは、6月の「トラベラーズチャンピオンシップ」で惜しくも優勝を逃したトミー・フリートウッド。広い意味で地元(イングランド出身)でもあるので、大声援の中、先日の悔しい思いをメジャーにぶつければ、感動的なシーンを見られるのではないかと思っています。
また、オルタネイト大会にはなりますが、アメリカでは「バラクーダチャンピオンシップ」(カリフォルニア州タホマウントクラブ)が開催されます。こちらは、久常涼選手、大西魁斗選手、桂川有人選手が出場予定。トップ選手がいない中で、自分たちがどういうプレーをするかというのは大事ですし、いい経験にもなるはず。未勝利の選手にもチャンスがある大会なので、大いに期待したいと思います。
(写真:Getty Images)
大学時代の盟友スィガーラやハイスミスの活躍も刺激になったマウ
驚きの大逆転でした。優勝したウィリアム・マウのスタートは最終組の8組前で、時間にすると1時間40分前。3日目が終わった時点で上に24人、同スコアが3人。スコア的には7打差。これだけの差をひっくり返すのは至難の業です。
スタートが早かったので中継に入ってきたのも11番から。そのため、プレーもじっくり見られなかったのですが、素晴らしい選手であることは分かりました。それほど大柄というわけではないのですが、飛距離は出るし、ショットも正確。将来性十分です。
優勝インタビューでは感極まっていましたが、同じ大学(ペパーダイン大学)でともに戦ってきたサーヒス・シーガラやジョー・ハイスミスらが先にツアーで優勝していることもあって、「いつか自分も」と思いがあったのでしょう。また、今季の「ザ・アメリカンエキスプレス」の2日目に13打を叩いた苦い記憶が蘇ったのかもしれません。
余談ですが、実家は養鶏場だそうで、1日に生み出される卵が2万5000個だとか。ドライブスルーでも販売しているようで、そんな情報も新鮮でした。
最終日、トップでスタートしながらスコアを伸ばせず、惜しくも2位に終わったポール・ピーターソンについても触れておきましょう。37歳のツアールーキー。今回、初めてプレーを見ましたが、印象に残ったのはメンタルの強さです。どんなときでも自分のゴルフを崩さないタイプで、コースがハードになればなるほどそれがプラスに働くような気がします。また、彼のようなタイプは、息の長い選手になると思うので、まだ先の話ですが、チャンピオンズツアーでも活躍してくれそうな予感がします。
そのピーターソン、日本人プレーヤーにも大いに刺激を与えてくれました。日本人選手が上位にいけないのはパワー不足にあると思われがちですが、ピーターソンは飛距離的には日本人選手とほとんど変わらず、ショットの精度で勝負するタイプ。こういうスタイルでも十分戦えるということを証明してくれました。
今回出場した金谷拓実選手、大西魁斗選手は予選を通過できませんでしたが、2人とも弱点を気にするのではなくて、自分のゴルフをしっかり見つめ直し、アップデートしていけばいいのではないかと思います。
さて、次週は今季最後のメジャーとなる「全英オープン」が開催されます。日本人選手は、今ところ松山英樹選手、金谷拓実選手、星野陸也選手、今平周吾選手、阿久津未来也選手、河本力選手の6人がエントリー。PGAツアーで戦っている選手はもちろん、日本で出場権を勝ち取った選手も大いに頑張ってほしいと思います。注目は、休養明けの松山選手。どのような調整をしてくるかが楽しみです。
開催コースは、北アイルランドのロイヤルポートラッシュGC。前回、同コースで行われた2019年大会は、アイルランド出身のシェーン・ラウリーが優勝。今回も、地元出身のローリー・マキロイに注目が集まりますが、私が期待するのは、6月の「トラベラーズチャンピオンシップ」で惜しくも優勝を逃したトミー・フリートウッド。広い意味で地元(イングランド出身)でもあるので、大声援の中、先日の悔しい思いをメジャーにぶつければ、感動的なシーンを見られるのではないかと思っています。
また、オルタネイト大会にはなりますが、アメリカでは「バラクーダチャンピオンシップ」(カリフォルニア州タホマウントクラブ)が開催されます。こちらは、久常涼選手、大西魁斗選手、桂川有人選手が出場予定。トップ選手がいない中で、自分たちがどういうプレーをするかというのは大事ですし、いい経験にもなるはず。未勝利の選手にもチャンスがある大会なので、大いに期待したいと思います。
(写真:Getty Images)
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7月10日(木)~7月13日(日)