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「次は頑張るよ」勝てない時期に培った忍耐が実ったジャスティン・トーマス【進藤大典のPGAツアーアフタートーク】
2025年4月24日(木)午後0:44

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「マスターズ」の翌週に行われたシグネチャー大会「RBCヘリテイジ」(ハーバータウンゴルフリンクス)は、2017年、22年の全米プロチャンピオン、ジャスティン・トーマスがアンドリュー・ノバックとのプレーオフを制し、3年ぶりの優勝を飾りました。日本人選手は、久常涼選手が出場。初日こそ71の51位タイと出遅れたものの、2日目67、3日目68、最終日69と粘り、トータル9アンダーで18位タイに入りました。同大会の模様と、次週行われる「チューリッヒクラシック オブ ニューオリンズ」の見どころを、ゴルフネットワークで解説を務めたプロキャディーの進藤大典さんに語ってもらいました。
ジャスティン・トーマスが3年ぶりの優勝。個人的に彼と付き合いのあるボクとしては、「JT(トーマスの愛称)バンザイ!」という気持ちです。
実は、昨年の「ZOZOチャンピオンシップ」のあと、トーマスと食事をする機会があったのですが、2年間優勝がない中でも気持ちは前向きで、「気持ちを入れ替えて次は頑張るよ」と言っていただけに、今大会の優勝は大変嬉しく思っています。
優勝の要因はいくつかあると思いますが、勝てない期間に培った忍耐が今の彼の力になっているような気がします。例えば3日目はショットを曲げて池に入れたり、構えたあとボールが動いてしまうなどのアクシデントがありましたが、それらをきちんと受け入れ、そのあとのショットでベストを尽くすという姿勢が今回の勝利に結びついたような気がします。まだ32歳ですが、円熟味を増してきたような感じさえしました。
一方、プレーオフで破れたアンドリュー・ノバックもいいプレーをしていました。PGAでは未勝利ですが、飛ばすだけでなく、スクランブリング(パーオンしなかった場合にパーかバーディでホールアウトする確率)がトップ。もともとショートゲームが上手い選手ですが、優勝争いをしている中でも普段のプレーができたというのは、本人にとっても自信になったと思いますし、他の選手にも「どんなときでも崩れない選手」という印象を与えたような気がします。聞くところによると、奥さんもトレーナーとして彼のことを献身的に支えてくれているとか。今後、注目していきたい選手の一人です。
さて、日本人選手では、久常涼選手が初めて出場したシグネチャー大会で18位タイ。この成績は、かなり自信になると思います。舞台となったハーバータウン ゴルフリンクスは、距離はそれほど長くない変わりに正確なショットを求められるコースなんですが、久常選手はショット自体が良かっただけでなく、グリーンの硬さを考えて巧みに手前から転がしたり、グリーンを外した場合のことを考えて寄せやすいサイドを狙ってパーを拾うというような、ボギーを打たない戦略的なゴルフを見せてくれました。
最終的にはトップとの差は8打ありましたが、本人的には、「あのパットが入っていれば」というような手応えを感じたのではないかと。このような経験を積んでいけば、優勝も見えてくるでしょうし、そういう期待を抱かせてくれた1週間でした。
さて、次戦は、PGAツアー唯一のダブルス戦、「チューリッヒクラシック オブ ニューオリンズ」。昨年、大いに盛り上がりましたが、今年はさらに盛り上がるでしょう。何といっても、マスターズを制したマキロイが、シェーン・ラウリーと再びコンビを組んで連覇を狙うわけですからね。キャリア・グランドスラムを達成した最初の試合で、どんなプレーを見せてくれるのか。
また、2チームがエントリーしている日本勢にも期待したいところです。
1チームは、久常涼選手と金谷拓実選手のペア。すでにPGAツアーでは実績を挙げている久常選手と日本では実績のある金谷選手が組むことで、どんな化学変化が起こるか。また、もう1チームの星野陸也選手と大西魁斗選手も、「ここらで一発やってやろうぜ」みたいな気持ちで臨むと思うので楽しみです。
勝負の行方もさることながら、お互いのコミュニケーションの取り方などにも注目して試合を楽しんでください。
(写真:Getty Images)
円熟味もみえたトーマスの3年ぶり優勝
ジャスティン・トーマスが3年ぶりの優勝。個人的に彼と付き合いのあるボクとしては、「JT(トーマスの愛称)バンザイ!」という気持ちです。
実は、昨年の「ZOZOチャンピオンシップ」のあと、トーマスと食事をする機会があったのですが、2年間優勝がない中でも気持ちは前向きで、「気持ちを入れ替えて次は頑張るよ」と言っていただけに、今大会の優勝は大変嬉しく思っています。
優勝の要因はいくつかあると思いますが、勝てない期間に培った忍耐が今の彼の力になっているような気がします。例えば3日目はショットを曲げて池に入れたり、構えたあとボールが動いてしまうなどのアクシデントがありましたが、それらをきちんと受け入れ、そのあとのショットでベストを尽くすという姿勢が今回の勝利に結びついたような気がします。まだ32歳ですが、円熟味を増してきたような感じさえしました。
一方、プレーオフで破れたアンドリュー・ノバックもいいプレーをしていました。PGAでは未勝利ですが、飛ばすだけでなく、スクランブリング(パーオンしなかった場合にパーかバーディでホールアウトする確率)がトップ。もともとショートゲームが上手い選手ですが、優勝争いをしている中でも普段のプレーができたというのは、本人にとっても自信になったと思いますし、他の選手にも「どんなときでも崩れない選手」という印象を与えたような気がします。聞くところによると、奥さんもトレーナーとして彼のことを献身的に支えてくれているとか。今後、注目していきたい選手の一人です。
さて、日本人選手では、久常涼選手が初めて出場したシグネチャー大会で18位タイ。この成績は、かなり自信になると思います。舞台となったハーバータウン ゴルフリンクスは、距離はそれほど長くない変わりに正確なショットを求められるコースなんですが、久常選手はショット自体が良かっただけでなく、グリーンの硬さを考えて巧みに手前から転がしたり、グリーンを外した場合のことを考えて寄せやすいサイドを狙ってパーを拾うというような、ボギーを打たない戦略的なゴルフを見せてくれました。
最終的にはトップとの差は8打ありましたが、本人的には、「あのパットが入っていれば」というような手応えを感じたのではないかと。このような経験を積んでいけば、優勝も見えてくるでしょうし、そういう期待を抱かせてくれた1週間でした。
さて、次戦は、PGAツアー唯一のダブルス戦、「チューリッヒクラシック オブ ニューオリンズ」。昨年、大いに盛り上がりましたが、今年はさらに盛り上がるでしょう。何といっても、マスターズを制したマキロイが、シェーン・ラウリーと再びコンビを組んで連覇を狙うわけですからね。キャリア・グランドスラムを達成した最初の試合で、どんなプレーを見せてくれるのか。
また、2チームがエントリーしている日本勢にも期待したいところです。
1チームは、久常涼選手と金谷拓実選手のペア。すでにPGAツアーでは実績を挙げている久常選手と日本では実績のある金谷選手が組むことで、どんな化学変化が起こるか。また、もう1チームの星野陸也選手と大西魁斗選手も、「ここらで一発やってやろうぜ」みたいな気持ちで臨むと思うので楽しみです。
勝負の行方もさることながら、お互いのコミュニケーションの取り方などにも注目して試合を楽しんでください。
(写真:Getty Images)
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2025 RBCヘリテイジ
4月17日(木)~4月20日(日)