海外男子
「松山英樹がスコッティ・シェフラーに勝利」「5連敗から5連勝」見どころの多かった2024ザ・プレジデンツカップ
2024年10月3日(木)午前11:09
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カナダのザ・ロイヤルモントリオールゴルフクラブで開催された米国選抜と世界選抜の対抗戦「ザ・プレジデンツカップ」は、自力に勝る米国選抜が18.5対11.5で世界選抜を下し、10連勝を飾りました(通算成績は、米国選抜の13勝1敗1分)。
負けたとはいえ、世界選抜のエース格、松山英樹選手は、最後のシングルス戦で世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーを破るなど、来季につながる健闘を見せてくれました。大いに盛り上がった大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた佐藤信人プロに振り返ってもらいました。
試合は残念な結果に終わったわけですが、いい戦いをしてくれました。特に、最終日のシングルスでは松山選手がスコッティ・シェフラーに素晴らしい勝利を収めるなど、感動的な場面も多かったと思います。
その松山選手、最終日の戦い振りは見事でしたが、私が印象に残ったのは3日目から最終日にかけての松山選手。3日目のダブルス戦で短いパットを外して天を仰ぎ、「申し訳ない気持ちでいっぱい」というようなコメントを残していましたが、追い込まれた精神状態から見事に立ち直り、最終日は圧巻のプレーを披露。松山選手の強さを改めて感じました。ミスをして頭を抱えたり、チャンスのときにはギャラリーを煽ったりと、普段では見られない松山選手の姿が見られたのも新鮮でした。
松山選手も中堅選手になり、世界選抜の中ではすでに精神的支柱のような存在になっていることも、ああいう行動が自然と出た要因だと思います。また今年はパリ五輪もあり、松山選手自身の中にもナショナリズムが沸き起こった年でもあったような気がします。松山選手のような普段はクールな感じの人でも自然と熱くなるのがカップ戦。私も大いに楽しませてもらいました。
松山選手以外で印象に残っているのは、最終日のシングルス、トップバッターとして登場したザンダー・シャウフェレ(対戦相手はジェイソン・デイ)です。
カップ戦では、1番手というのは非常に重要で、その日の流れを作れる、信頼の置ける選手を据えるケースが多いのですが、シャウフェレはその期待に見事に応えました。デイ相手に9番ホールまでで5アップ。このリードで、米国選抜の勢いはさらに増したような気がします。米国選抜のキャプテンであるジム・フューリックの作戦勝ちといってもいいでしょう。
数年前までのシャウフェレであれば、ここまで信頼されることはなかっただろうし、プレッシャーのかかる場面でここまでの強さを発揮できたかどうかは分かりませんが、今季は「全米プロ」と「全英オープン」を制したこともあって、ひと皮もふた皮もむけた感じがします。
全体的にも見どころの多い大会だったと思います。初日のフォアボールで、いきなり米国選抜が5連勝をしたときには、「最終日のシングルスを迎えるころには、すでに勝負が付いてしまっているのではないか」と心配しましたが、2日目のフォアサムで世界選抜が5連勝。世界選抜が苦手とするフォアサムで全勝するというのは今まで1度もなかったので本当に驚きました。「歴史が動いた」というのは大げさかもしれませんが、世界選抜にとっては大きな自信になったと思います。
さて、この大会をもって、今季のビッグイベントは終了したわけですが、これからは海外の選手が多数来日して、日本のゴルフファンを楽しませてくれます。
ZOZOチャンピオンシップで来日を予定しているのは、コリン・モリカワ、ザンダー・シャウフェレ、サヒス・スィガーラ、マックス・ホーマ、ジャスティン・トーマスら。日本オープンではアダム・スコットの名前も上がっています。彼らのプレーを目の当たりにできるということは、日本のゴルフファンにとっては嬉しい限りですが、国内の若手選手にとっても幸せなこと。
トーナメント中継で見ていた世界トップクラスの選手と同じフィールドでプレーをすることでテンションも上がるだろうし、「もっと上を目指したい」というモチベーションアップにもつながると思います。トップ選手の華麗なテクニックはもちろんですが、そういう若手選手のプレーにも大いに注目したいですね。
(写真:Getty Images)
負けたとはいえ、世界選抜のエース格、松山英樹選手は、最後のシングルス戦で世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーを破るなど、来季につながる健闘を見せてくれました。大いに盛り上がった大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた佐藤信人プロに振り返ってもらいました。
ミスをして頭を抱えたり、チャンスでギャラリーを煽ったり・・・松山選手の普段見られない姿
今回のプレジデンツカップは、松山英樹選手が世界選抜の一員として参戦し、私と同級生の丸山茂樹選手がバイスキャプテン(副キャプテン)を務めるということもあって、ついつい“世界選抜目線”で見てしまいました。試合は残念な結果に終わったわけですが、いい戦いをしてくれました。特に、最終日のシングルスでは松山選手がスコッティ・シェフラーに素晴らしい勝利を収めるなど、感動的な場面も多かったと思います。
その松山選手、最終日の戦い振りは見事でしたが、私が印象に残ったのは3日目から最終日にかけての松山選手。3日目のダブルス戦で短いパットを外して天を仰ぎ、「申し訳ない気持ちでいっぱい」というようなコメントを残していましたが、追い込まれた精神状態から見事に立ち直り、最終日は圧巻のプレーを披露。松山選手の強さを改めて感じました。ミスをして頭を抱えたり、チャンスのときにはギャラリーを煽ったりと、普段では見られない松山選手の姿が見られたのも新鮮でした。
松山選手も中堅選手になり、世界選抜の中ではすでに精神的支柱のような存在になっていることも、ああいう行動が自然と出た要因だと思います。また今年はパリ五輪もあり、松山選手自身の中にもナショナリズムが沸き起こった年でもあったような気がします。松山選手のような普段はクールな感じの人でも自然と熱くなるのがカップ戦。私も大いに楽しませてもらいました。
松山選手以外で印象に残っているのは、最終日のシングルス、トップバッターとして登場したザンダー・シャウフェレ(対戦相手はジェイソン・デイ)です。
カップ戦では、1番手というのは非常に重要で、その日の流れを作れる、信頼の置ける選手を据えるケースが多いのですが、シャウフェレはその期待に見事に応えました。デイ相手に9番ホールまでで5アップ。このリードで、米国選抜の勢いはさらに増したような気がします。米国選抜のキャプテンであるジム・フューリックの作戦勝ちといってもいいでしょう。
数年前までのシャウフェレであれば、ここまで信頼されることはなかっただろうし、プレッシャーのかかる場面でここまでの強さを発揮できたかどうかは分かりませんが、今季は「全米プロ」と「全英オープン」を制したこともあって、ひと皮もふた皮もむけた感じがします。
全体的にも見どころの多い大会だったと思います。初日のフォアボールで、いきなり米国選抜が5連勝をしたときには、「最終日のシングルスを迎えるころには、すでに勝負が付いてしまっているのではないか」と心配しましたが、2日目のフォアサムで世界選抜が5連勝。世界選抜が苦手とするフォアサムで全勝するというのは今まで1度もなかったので本当に驚きました。「歴史が動いた」というのは大げさかもしれませんが、世界選抜にとっては大きな自信になったと思います。
さて、この大会をもって、今季のビッグイベントは終了したわけですが、これからは海外の選手が多数来日して、日本のゴルフファンを楽しませてくれます。
ZOZOチャンピオンシップで来日を予定しているのは、コリン・モリカワ、ザンダー・シャウフェレ、サヒス・スィガーラ、マックス・ホーマ、ジャスティン・トーマスら。日本オープンではアダム・スコットの名前も上がっています。彼らのプレーを目の当たりにできるということは、日本のゴルフファンにとっては嬉しい限りですが、国内の若手選手にとっても幸せなこと。
トーナメント中継で見ていた世界トップクラスの選手と同じフィールドでプレーをすることでテンションも上がるだろうし、「もっと上を目指したい」というモチベーションアップにもつながると思います。トップ選手の華麗なテクニックはもちろんですが、そういう若手選手のプレーにも大いに注目したいですね。
(写真:Getty Images)
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