今回もバンカーショットのレッスンです。グリーン周りにあるガードバンカーなのに、脱出するためには、もしくはピンに寄せるためには長い距離を打たなければいけない場合の打ち方について紹介しましょう。

　短い距離を打てばいい場合は、左足8対右足2という強めの左足体重で構え、ボールは左カカト線上よりやや内側にセット。そしてフェースを開き、前傾姿勢を保ったままクラブを振っていけば、簡単に脱出できるという話をしました。

　また、距離が短いときは、取る砂の量を多めにして、砂ごとボールを運ぶイメージで打つようにすれば、スピンがきれいに掛かり、グリーンにオンしてからも止まりやすくなります。

　それに対し、距離を稼ぎたいときは、普通のショットと同じように、体重配分を5対5にします（写真①）。そしてボールの位置は、短いバンカーショットに比べて少し左足寄りに置きます。


　一般的にバンカーショットは、ボールの下の砂をすくうというよりは、ヘッドをタテに入れてタテに抜く、いわゆる“Vの字”の形で打つイメージを持っている人もいると思いのではないでしょうか。しかし、その通りにするとヘッドが深く入って飛距離が出ません。長い距離を打ちたいときは、薄く砂を取るつもりで打つことが大事なのです（同②）。


　そのために、テークバックもタテに上げるのではなく、どちらかというとインサイドに引くようにしましょう（同③）。そうすれば、クラブが立って上がらず、ダウンでの入射角も緩やかになるので、砂が薄く取れて距離も出るようになります。


　打ち方さえ覚えておけば、不安を覚えることもなく、思い切って打てるはず。中途半端は一番良くないので、「この打ち方でいこう」と決めたら、しっかり振り抜くようにしてください。

（取材協力：茨城県・金乃台カントリークラブ）

後藤未有（ごとう・みう）
2000年9月29日、福岡県生まれ。4歳からゴルフを始め、ジュニア時代から活躍。18年の日本女子オープンでは8位タイに入り、ローアマチュアに輝く。20-21シーズンはTP単年登録でレギュラーツアー10数に試合。21年プロテスト合格。同年、ステップアップツアーの「かねひで美やらびオープン」でプロ初優勝を飾る。22年から2年連続でシード獲得。24年には初優勝が期待される若手の1人。

【関連】ZAKZAK by 夕刊フジ（夕刊フジ 2024/4/19 発売号より転載）