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プロ転向はいつになる?33年ぶりアマチュア優勝のアラバマ大学2年生ニック・ダンラップ【大町昭義のPGAツアーアフタートーク】
2024年1月25日(木)午後2:23
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今季初めてアメリカ本土で開催された「ザ・アメリカンエキスプレス」(1月18~21日)。難関コースとして知られるフロリダ州のPGAウエスト ピート・ダイ・スタジアム・コースはじめ3コースを使って行われた同大会で頂点に立ったのは、アラバマ大学2年生のアマチュアゴルファー、ニック・ダンラップでした。アマチュアの優勝は何と33年ぶりのこと。終盤に大きく動いた大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた大町昭義プロに振り返ってもらいました。
彼の場合、23年の「全米アマ」で優勝しているので、「マスターズ」「全米オープン」「全英オープン」の出場権は持っていたわけですが、プロ宣言をすれば、「全英オープン」の出場権を失う代わりに、「全米プロ」と「ザ・プレイヤーズチャンピオンシップ」の出場権が手に入ります。
果たして、いつプロ宣言をするのか?私が小耳に挟んだところでは、「大学は4年間通って、卒業してこそ意味がある」的なことを漏らしていて、そういう点から考えると、アラバマ大学のいろんな支援を受けながら、アマチュアとしてツアーに参戦するんではないかと。これはあくまでも私の想像ではありますが。
試合のほうも少し振り返っておきましょう。首位タイにいたサム・バーンズの、17番の池ポチャが決定打となりましたが、それを含めて終盤の3ホールで明暗が分かれる形となりました。バーンズの歯車が狂い出したのが、16番パー5。ダンラップがバーディーを奪ったのに対し、バーンズはアプローチが寄らずにパーとなってしまい、同じ29アンダーでダンラップに並ばれました。
普通のプレーヤーなら大きなショックを受けなかったかもしれませんが、バーンズは昨シーズン、アプローチに悩んでいると公言していて、今シーズンはその弱点を補うべく入念に練習し、この大会でもあの16番まではまずまずのアプローチをしていました。ところが、最も大事な場面で思い通りに球を運ぶことはできなかった。
スコア的にはまだ並んだだけだったのですが、本人的にはそのミスを取り戻すべく果敢に狙ったのが17番パー3のティーショットだったのではないでしょうか。勝負を懸けて打ったボールが池に消え、万事休す。少し可哀想な気持ちになりました。
それにしても、あのピートダイのスタジアムコースで29アンダー(注:予選では他2コースを使用)というのは驚きです。コースレーティングが77.1。60年ちょっと前に作られたコースですが、当時世界最高のコースレーティングを誇っていました。そんな難コースで、今は1ラウンド10アンダーが普通に出てしまう。ゴルフが大きく変わったことを改めて痛感した大会でもありました。
日本人プレーヤーは、久常涼選手が11位タイ。初日65、2日目67、3日目68、そして最終日65の23アンダー。順位も素晴らしいけど、スコアも立派だと思います。プレーを見ていて印象的だったのは、球を扱う能力が非常に高いこと。また、攻めるところは果敢に攻め、危険なところはセーフティーにプレーするという非常にクレバーなゴルフをしていました。そんな彼が今年1年、PGAツアーをどう戦うのか。間違いなく期待していいと思います。
次戦は、トーリーパインズゴルフコース (カリフォルニア州)で行われる「ファーマーズインシュランスオープン」。今週出ていた久常、蟬川泰果選手に加え、松山英樹選手も出場を予定していて、3人揃い踏みとなれば、チームジャパンの力もさらに威力を増すはず。松山選手も昨シーズン、優勝争いをしているコースなので、3人の先頭に立って若手をグイグイ引っ張っていって欲しいですね。
(写真:Getty Images)
23年の「全米アマ」でも頂点に立ったニック・ダンラップ
新たな歴史の瞬間を見ることができました。ニック・ダンラップ。アラバマ大学の2年生で、若干20歳と29日の若者が、1991年のフィル・ミケルソン以来33年ぶり、史上8人目のアマチュア優勝を飾りました。しかも、4日間で29アンダーというとてつもないスコア。彼自身の人生も大きく変わった4日間となりました。アマチュアなので2億数千万円という優勝賞金、また、フェデックスポイントも獲得できませんが、その一方で、来季の「ザ・プレイヤーズチャンピオンシップ」や「ザ・セントリー」の出場権を手にしました。彼の場合、23年の「全米アマ」で優勝しているので、「マスターズ」「全米オープン」「全英オープン」の出場権は持っていたわけですが、プロ宣言をすれば、「全英オープン」の出場権を失う代わりに、「全米プロ」と「ザ・プレイヤーズチャンピオンシップ」の出場権が手に入ります。
果たして、いつプロ宣言をするのか?私が小耳に挟んだところでは、「大学は4年間通って、卒業してこそ意味がある」的なことを漏らしていて、そういう点から考えると、アラバマ大学のいろんな支援を受けながら、アマチュアとしてツアーに参戦するんではないかと。これはあくまでも私の想像ではありますが。
試合のほうも少し振り返っておきましょう。首位タイにいたサム・バーンズの、17番の池ポチャが決定打となりましたが、それを含めて終盤の3ホールで明暗が分かれる形となりました。バーンズの歯車が狂い出したのが、16番パー5。ダンラップがバーディーを奪ったのに対し、バーンズはアプローチが寄らずにパーとなってしまい、同じ29アンダーでダンラップに並ばれました。
普通のプレーヤーなら大きなショックを受けなかったかもしれませんが、バーンズは昨シーズン、アプローチに悩んでいると公言していて、今シーズンはその弱点を補うべく入念に練習し、この大会でもあの16番まではまずまずのアプローチをしていました。ところが、最も大事な場面で思い通りに球を運ぶことはできなかった。
スコア的にはまだ並んだだけだったのですが、本人的にはそのミスを取り戻すべく果敢に狙ったのが17番パー3のティーショットだったのではないでしょうか。勝負を懸けて打ったボールが池に消え、万事休す。少し可哀想な気持ちになりました。
それにしても、あのピートダイのスタジアムコースで29アンダー(注:予選では他2コースを使用)というのは驚きです。コースレーティングが77.1。60年ちょっと前に作られたコースですが、当時世界最高のコースレーティングを誇っていました。そんな難コースで、今は1ラウンド10アンダーが普通に出てしまう。ゴルフが大きく変わったことを改めて痛感した大会でもありました。
日本人プレーヤーは、久常涼選手が11位タイ。初日65、2日目67、3日目68、そして最終日65の23アンダー。順位も素晴らしいけど、スコアも立派だと思います。プレーを見ていて印象的だったのは、球を扱う能力が非常に高いこと。また、攻めるところは果敢に攻め、危険なところはセーフティーにプレーするという非常にクレバーなゴルフをしていました。そんな彼が今年1年、PGAツアーをどう戦うのか。間違いなく期待していいと思います。
次戦は、トーリーパインズゴルフコース (カリフォルニア州)で行われる「ファーマーズインシュランスオープン」。今週出ていた久常、蟬川泰果選手に加え、松山英樹選手も出場を予定していて、3人揃い踏みとなれば、チームジャパンの力もさらに威力を増すはず。松山選手も昨シーズン、優勝争いをしているコースなので、3人の先頭に立って若手をグイグイ引っ張っていって欲しいですね。
(写真:Getty Images)
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1月18日(木)~1月21日(日)