海外男子
目標は先輩松山英樹と同じ舞台で戦うこと─ PGAツアーチャイナで日本人初V 佐藤大平インタビュー
2019年5月25日(土)午後0:30
3月末、PGAツアーチャイナの重慶チャンピオンシップで日本人として初めて同ツアーで優勝を挙げた昨年のAbemaTVツアー賞金王の佐藤大平にプロキャディの杉澤伸章氏がインタビューを行った。
杉澤 今回の優勝を受けていかがですか。
佐藤 僕自身、そんなにビックニュースってほどではなかったんですけど、たくさんの方からお祝いのメッセージを頂けて本当に嬉しかったです。
杉澤 PGAツアーチャイナに参戦した経緯は。
佐藤 大学4年生の時にQTに失敗してしまい試合が無くて、2016年シーズンは予選会に出て試合に出る感じでした。「このままでは駄目だ」と思って、(東北福祉大学の)同級生で今、松山英樹選手のキャディを務めている早藤将太君がPGAツアーチャイナに行っていたので、(ツアーについて)聞いてみたら「凄く良いよ」ということだったので、17年シーズンから参戦することにしました。
まず2016年の年末にQTを受けて、その時のコースが自分好みで合っていたので、気づいたらスコアが出てる感じで、首位タイで通過することができました。中国の選手が多いイメージがあったんですけど、実は半々だったり、アメリカ、豪州、アジア圏の選手が多いツアーです。
杉澤 名前に『チャイナ』って入っているけど、かなり幅広い感じですね。
佐藤 PGAツアーに繋がっているので、レベルの高い試合になりますし、結構Web.com(PGAツアーの下部ツアー)から落ちてきて、もう一度上がることを目指している選手もいたり、本当に結構遠くから参戦している選手もいて、見たことのない国旗の選手とかよく見かけます。
杉澤 年間何試合あるんですか?
佐藤 14試合ですかね。ただハッキリしていなくて、今決まっている試合が6試合しかなくて、それも直前で決まったり、会場が決まっているのも4試合だけで、残りの2試合はまだ確定していないので日程しか出ていない状態です(笑)。
杉澤 選手のウェイティングは良く聞きますけど、試合自体がウェイティングしている感じ?
佐藤 そうですね(笑)。ウェイティングしてます。
杉澤 スケジュール組むのも大変ですね。
佐藤 飛行機を取るのも前の週とか4週目の週から取る感じです。ネットを使って、妻が手配してくれています。ホテルはオフィシャルが手配してくれるので、メールで届いたところを予約する感じです。
杉澤 今回優勝した大会というのはどんな試合でしたか。
佐藤 コースは知っていて、昨年も6位タイぐらいだったので、結構好きなコースでした。ただ優勝できるって自信を持って臨んだわけではないので、プレーしてみたらスコアもしっかり作れて、バーディも獲れて、もしかしたら(優勝いけるぞ)って感じでした。ティーショットが打ちやすいところが好きですかね。(優勝したコースも)苦手なホール、苦手意識が全く無かったので、そういう所が好きなコースになります。
佐藤 ショートゲームが得意だと思っているので、ショートゲームが売りですかね。100ヤード以内のショットが特に得意です。ここ最近、プロになってからなので、一昨年ぐらいからですかね。海外に行って色々見てきて、飛ばす選手、ショットメーカーの選手は大勢いるんですけど、ショートゲームを得意とする選手があまりいなかったので、日本人として距離を目指しても正直体形で劣って勝てないので、ショートゲームを磨こうと思うようになりました。それが(今のプレースタイルに辿り着いた)キッカケです。パリエーションも増えたり、アプローチにしても芝も日本と違いますし、どうしたら寄るか色々考えて、他の選手を参考にしたりしています。
杉澤 それは誰かにアドバイスを求めたりするんですか?
佐藤 聞きますね。(大学先輩である)松山選手に聞いたりします。LINEで聞いたり、日本に帰ってきている時に一緒に練習ラウンドをさせて頂いたりする時とかです。
杉澤 ツアー参加中の思い出、ハプニングなどはありますか?
佐藤 食事は、、、あまり美味しくないです。皆さんが想像する中華料理とは全然違います。日本の中華は日本人に合った味に仕上がっているので。あと移動の時にタクシーに乗れなかったり。あと空港でも英語が通じなかったりと結構大変です。試合中も優勝争いした試合が2試合とも中国人選手と争っていたんですけど、その時に自分がパーパットを外すとガッツポーズされたり、大歓声が起きるんですよ。
杉澤 ホーム、アウェイは凄い?
佐藤 物凄くアウェイです。最初のうちは拍手とかしてくれるんですけど、でも優勝争いになって、相手が中国選手となると凄いです。その時のボギーも1メートルぐらいのパットでしたけど、外した時は大歓声でした。
杉澤 その時どのようにして気持ちを切り替えるんですか?
佐藤 最初優勝争いした時はショックでした。皆平等ではないですけど、応援してくれるものだと思っていたので、あの時はショックでした。なので今年はそれを知っていたので「またこれね」程度で済みました。そんなに気持ちが落ち込むこともなく、この中国選手には勝ちたいなって気持ちが凄くあったので、プレーオフでも負けたくない気持ちでいっぱいでした。
杉澤 72ホール終わってプレーオフに行くまではどんな準備をしたんですか?
佐藤 3日目までは凄く良かったですけど、最終日のプレーが良くなかったので、正直勝てるとは思っていなかったです。相手も中国人選手でしたし、これは圧倒されるなって思っていました。
杉澤 実際プレーオフが始まってからは?
佐藤 プレーオフ1ホール目は緊張しました。完全に負ける感じだったので。相手選手は2オンが狙える位置につけて、自分は3打目勝負になってしまい、パットも相手が1メートルで、自分は3メートルぐらいの差があったのでかなり厳しかったです。その状況で自分の調子も悪いし入る気がしなかったので、初めてキャディさんにラインを聞いたんですよ。キャディさんだけがずっと応援してくれていたんです。そしたらそのバーディパットが決まったので、そこで落ち着きました。
杉澤 アウェイだと思っていた時に一番近くに味方がいたと。
佐藤 ずっと「頑張って頑張って」言ってくれてたので。試合が終わった後、WeChat(中国版のメッセージアプリ)でキャディさんがメッセージをくれたんですけど、凄く僕のことを思ってキャディしてくれてたんだなって感じたので感動しました。
杉澤 「頑張って」って中国語で何て言うんですか?
佐藤 「ジャヨウ!ジャヨウ!(加油!加油!)」って言います。ずっと心配してくれてたみたいで、アウェイになることは最初から分かっていたらしく、それでずっと応援してくれていました。
杉澤 優勝して一番に報告したのは?
佐藤 奥さんですかね。あとは日本人選手が3人ぐらい残って、プレーオフを見に来てくれていたので。
杉澤 海外のツアーで一緒に戦う同志として、仲間意識とかも強いんですか?
佐藤 ありますね。2017年から一緒に行っている選手とかもいるので、中国の大変さとかもお互い知っているので、凄く応援してくれます。
杉澤 仲の良い選手は誰ですか?
佐藤 山形陵馬選手、当時は早藤選手もいたので、和田章太郎選手も昨年一緒にいたり。心強いですよ。言葉も通じないですし、食べ物も自分が食べたいものが食べれなかったりするので、しゃべり相手ぐらいは欲しいですね(笑)。
佐藤 自分の中で明確な目標はないんですけど、身近に松山選手がいるので早く同じ舞台で戦いたいという思いはあります。
杉澤 その場所はまさに?
佐藤 PGAツアーです。
杉澤 今、階段を登りはじめたばかりだと思いますけど、この勝利は自信につながった?
佐藤 昨年から勝てそうなゲームが何試合かあったので、凄く嬉しい訳でもなく、Web.comツアーに近づけたなって思いますけど、まだ全然行ける力はないので、本当に1歩踏み出した感じです。
杉澤 先々はPGAツアーだと思いますけど、今後の目標は?
佐藤 今年は日本ツアーにも出れるので、まずは日本ツアーを優先して、しっかりシード圏内に入ってそこからPGAチャイナに専念したいと思います。
杉澤 両方のツアーを考えてスケジュールを組むとなると結構ハードですね。
佐藤 大変ですね。試合が本当に急に入ったり、急に無くなったりもするので、結構大変ですけど、良い修行にはなりますよね。日本なら苦労することもないので、自分にはプラスになると思います。
杉澤 QTに落ちて苦労していた時の自分と比べて今はどうですか?
佐藤 今だから思いますけど、そうなる(QT落ちて苦労する)だろうなって思いますね。練習量も今より全然少ないですし、周りを見てきたと言ってもアマチュアの方だったので、世界に出て初めて自分とのレベルの差を実感しましたね。あの時落ちて良かった訳ではないですけど、遠回りではなかったなと思っています。
杉澤 松山選手と同じ舞台に立つためにもこれから伸ばしていこうと思っていることは?
佐藤 全てが足りないですし、あの舞台(PGAツアー)で戦うとなると、技術もそうですけど、フィジカルもそうですし、あとは語学力ですかね。海外に行くと英語が凄く必要になってくるので、もっと色々な選手と話してみたい気持ちもありますし。
杉澤 ちなみに今の英語力はどのくらいなんですか?
佐藤 そんなに深い話でなければ、ある程度は話せます。ただガッツリ話し込まれると、言っていることは分かるんですけど、言葉が出ない、伝えられないんですよね。
杉澤 それは分かります。特に佐藤選手は人を盛り上げるタイプなので積極的に話していきたいですよね?
佐藤 もっと話したいです。それでも英語が話せないなりにも話しかけてくれる選手がいるので、もっと英語を覚えたいと思います。
杉澤 語学力以外では今磨いているショートゲーム?
佐藤 そうですね。でも全てです。あの舞台に立つには何もかもが足りないので。
杉澤 PGAツアーが100%ならPGAツアーチャイナの勝利は何%の位置づけですか?
佐藤 正直、チャイナツアーでしっかり1年間戦えば、Web.comツアーに行く自信はあるんですけど、そこで戦えるかと聞かれたら、自信が無いんですよね。格が全然違うと思うので。チャイナでは優勝争いができるようになってきたので、そこは成長だと思いますけど、Web.comで戦えって言われたら、まだ全然無理ですね。
杉澤 謙虚ってよりは(自分の)技術、現実を見ながら進んでいる感じがしますね。
佐藤 昔は結構そこを見てこなかったので(笑)。だからあの状況まで落ち込んだと思いますし、世界を見て、やれないことを通過しました。だからこそあの舞台で活躍したいです。
杉澤 最後に日本のゴルフファンに佐藤選手自身をアピールしてください。
佐藤 喜怒哀楽が激しいので、日本だと「平常心、平常心」って言われがちですけど、海外に行って思ったのは喜怒哀楽が出てるほうが見てて面白いと思ったので、ファンの方を大切にしたいですし、ゴルフ的には皆さんを魅せられるように、もっと向上していきたいです。あとはショートゲームを見てほしいですね。
杉澤 喜怒哀楽しっかりリアクションすると。自分も同じ意見で、選手心理が分かるから、応援もしたくなるし、感情移入ができますよね。応援していますので、頑張ってください。僕の右肩も空いていますので、どこかのタイミングでお願いします。
佐藤 是非是非お願いします。
杉澤 佐藤選手の喜怒哀楽を近くで見ていじりたいと思います。いじられ役ですよね?
佐藤 そうですね。いじられますし、いじります。両方できるので(笑)。
「見たことのない国旗の選手とかよく見かけます」PGAツアーチャイナってどんなところ?
杉澤 今回の優勝を受けていかがですか。
佐藤 僕自身、そんなにビックニュースってほどではなかったんですけど、たくさんの方からお祝いのメッセージを頂けて本当に嬉しかったです。
杉澤 PGAツアーチャイナに参戦した経緯は。
佐藤 大学4年生の時にQTに失敗してしまい試合が無くて、2016年シーズンは予選会に出て試合に出る感じでした。「このままでは駄目だ」と思って、(東北福祉大学の)同級生で今、松山英樹選手のキャディを務めている早藤将太君がPGAツアーチャイナに行っていたので、(ツアーについて)聞いてみたら「凄く良いよ」ということだったので、17年シーズンから参戦することにしました。
まず2016年の年末にQTを受けて、その時のコースが自分好みで合っていたので、気づいたらスコアが出てる感じで、首位タイで通過することができました。中国の選手が多いイメージがあったんですけど、実は半々だったり、アメリカ、豪州、アジア圏の選手が多いツアーです。
杉澤 名前に『チャイナ』って入っているけど、かなり幅広い感じですね。
佐藤 PGAツアーに繋がっているので、レベルの高い試合になりますし、結構Web.com(PGAツアーの下部ツアー)から落ちてきて、もう一度上がることを目指している選手もいたり、本当に結構遠くから参戦している選手もいて、見たことのない国旗の選手とかよく見かけます。
杉澤 年間何試合あるんですか?
佐藤 14試合ですかね。ただハッキリしていなくて、今決まっている試合が6試合しかなくて、それも直前で決まったり、会場が決まっているのも4試合だけで、残りの2試合はまだ確定していないので日程しか出ていない状態です(笑)。
杉澤 選手のウェイティングは良く聞きますけど、試合自体がウェイティングしている感じ?
佐藤 そうですね(笑)。ウェイティングしてます。
杉澤 スケジュール組むのも大変ですね。
佐藤 飛行機を取るのも前の週とか4週目の週から取る感じです。ネットを使って、妻が手配してくれています。ホテルはオフィシャルが手配してくれるので、メールで届いたところを予約する感じです。
杉澤 今回優勝した大会というのはどんな試合でしたか。
佐藤 コースは知っていて、昨年も6位タイぐらいだったので、結構好きなコースでした。ただ優勝できるって自信を持って臨んだわけではないので、プレーしてみたらスコアもしっかり作れて、バーディも獲れて、もしかしたら(優勝いけるぞ)って感じでした。ティーショットが打ちやすいところが好きですかね。(優勝したコースも)苦手なホール、苦手意識が全く無かったので、そういう所が好きなコースになります。
超絶アウェイの優勝争いも味方はすぐ側に「加油!加油!」
杉澤 佐藤選手のプレースタイルを教えてください。佐藤 ショートゲームが得意だと思っているので、ショートゲームが売りですかね。100ヤード以内のショットが特に得意です。ここ最近、プロになってからなので、一昨年ぐらいからですかね。海外に行って色々見てきて、飛ばす選手、ショットメーカーの選手は大勢いるんですけど、ショートゲームを得意とする選手があまりいなかったので、日本人として距離を目指しても正直体形で劣って勝てないので、ショートゲームを磨こうと思うようになりました。それが(今のプレースタイルに辿り着いた)キッカケです。パリエーションも増えたり、アプローチにしても芝も日本と違いますし、どうしたら寄るか色々考えて、他の選手を参考にしたりしています。
杉澤 それは誰かにアドバイスを求めたりするんですか?
佐藤 聞きますね。(大学先輩である)松山選手に聞いたりします。LINEで聞いたり、日本に帰ってきている時に一緒に練習ラウンドをさせて頂いたりする時とかです。
杉澤 ツアー参加中の思い出、ハプニングなどはありますか?
佐藤 食事は、、、あまり美味しくないです。皆さんが想像する中華料理とは全然違います。日本の中華は日本人に合った味に仕上がっているので。あと移動の時にタクシーに乗れなかったり。あと空港でも英語が通じなかったりと結構大変です。試合中も優勝争いした試合が2試合とも中国人選手と争っていたんですけど、その時に自分がパーパットを外すとガッツポーズされたり、大歓声が起きるんですよ。
杉澤 ホーム、アウェイは凄い?
佐藤 物凄くアウェイです。最初のうちは拍手とかしてくれるんですけど、でも優勝争いになって、相手が中国選手となると凄いです。その時のボギーも1メートルぐらいのパットでしたけど、外した時は大歓声でした。
杉澤 その時どのようにして気持ちを切り替えるんですか?
佐藤 最初優勝争いした時はショックでした。皆平等ではないですけど、応援してくれるものだと思っていたので、あの時はショックでした。なので今年はそれを知っていたので「またこれね」程度で済みました。そんなに気持ちが落ち込むこともなく、この中国選手には勝ちたいなって気持ちが凄くあったので、プレーオフでも負けたくない気持ちでいっぱいでした。
杉澤 72ホール終わってプレーオフに行くまではどんな準備をしたんですか?
佐藤 3日目までは凄く良かったですけど、最終日のプレーが良くなかったので、正直勝てるとは思っていなかったです。相手も中国人選手でしたし、これは圧倒されるなって思っていました。
杉澤 実際プレーオフが始まってからは?
佐藤 プレーオフ1ホール目は緊張しました。完全に負ける感じだったので。相手選手は2オンが狙える位置につけて、自分は3打目勝負になってしまい、パットも相手が1メートルで、自分は3メートルぐらいの差があったのでかなり厳しかったです。その状況で自分の調子も悪いし入る気がしなかったので、初めてキャディさんにラインを聞いたんですよ。キャディさんだけがずっと応援してくれていたんです。そしたらそのバーディパットが決まったので、そこで落ち着きました。
杉澤 アウェイだと思っていた時に一番近くに味方がいたと。
佐藤 ずっと「頑張って頑張って」言ってくれてたので。試合が終わった後、WeChat(中国版のメッセージアプリ)でキャディさんがメッセージをくれたんですけど、凄く僕のことを思ってキャディしてくれてたんだなって感じたので感動しました。
杉澤 「頑張って」って中国語で何て言うんですか?
佐藤 「ジャヨウ!ジャヨウ!(加油!加油!)」って言います。ずっと心配してくれてたみたいで、アウェイになることは最初から分かっていたらしく、それでずっと応援してくれていました。
杉澤 優勝して一番に報告したのは?
佐藤 奥さんですかね。あとは日本人選手が3人ぐらい残って、プレーオフを見に来てくれていたので。
杉澤 海外のツアーで一緒に戦う同志として、仲間意識とかも強いんですか?
佐藤 ありますね。2017年から一緒に行っている選手とかもいるので、中国の大変さとかもお互い知っているので、凄く応援してくれます。
杉澤 仲の良い選手は誰ですか?
佐藤 山形陵馬選手、当時は早藤選手もいたので、和田章太郎選手も昨年一緒にいたり。心強いですよ。言葉も通じないですし、食べ物も自分が食べたいものが食べれなかったりするので、しゃべり相手ぐらいは欲しいですね(笑)。
Web.comツアーに行けてもそこで戦えるかは別の話─ すべてを磨いて憧れの舞台を目指す
杉澤 佐藤選手がこの先に目指すのは?佐藤 自分の中で明確な目標はないんですけど、身近に松山選手がいるので早く同じ舞台で戦いたいという思いはあります。
杉澤 その場所はまさに?
佐藤 PGAツアーです。
杉澤 今、階段を登りはじめたばかりだと思いますけど、この勝利は自信につながった?
佐藤 昨年から勝てそうなゲームが何試合かあったので、凄く嬉しい訳でもなく、Web.comツアーに近づけたなって思いますけど、まだ全然行ける力はないので、本当に1歩踏み出した感じです。
杉澤 先々はPGAツアーだと思いますけど、今後の目標は?
佐藤 今年は日本ツアーにも出れるので、まずは日本ツアーを優先して、しっかりシード圏内に入ってそこからPGAチャイナに専念したいと思います。
杉澤 両方のツアーを考えてスケジュールを組むとなると結構ハードですね。
佐藤 大変ですね。試合が本当に急に入ったり、急に無くなったりもするので、結構大変ですけど、良い修行にはなりますよね。日本なら苦労することもないので、自分にはプラスになると思います。
杉澤 QTに落ちて苦労していた時の自分と比べて今はどうですか?
佐藤 今だから思いますけど、そうなる(QT落ちて苦労する)だろうなって思いますね。練習量も今より全然少ないですし、周りを見てきたと言ってもアマチュアの方だったので、世界に出て初めて自分とのレベルの差を実感しましたね。あの時落ちて良かった訳ではないですけど、遠回りではなかったなと思っています。
杉澤 松山選手と同じ舞台に立つためにもこれから伸ばしていこうと思っていることは?
佐藤 全てが足りないですし、あの舞台(PGAツアー)で戦うとなると、技術もそうですけど、フィジカルもそうですし、あとは語学力ですかね。海外に行くと英語が凄く必要になってくるので、もっと色々な選手と話してみたい気持ちもありますし。
杉澤 ちなみに今の英語力はどのくらいなんですか?
佐藤 そんなに深い話でなければ、ある程度は話せます。ただガッツリ話し込まれると、言っていることは分かるんですけど、言葉が出ない、伝えられないんですよね。
杉澤 それは分かります。特に佐藤選手は人を盛り上げるタイプなので積極的に話していきたいですよね?
佐藤 もっと話したいです。それでも英語が話せないなりにも話しかけてくれる選手がいるので、もっと英語を覚えたいと思います。
杉澤 語学力以外では今磨いているショートゲーム?
佐藤 そうですね。でも全てです。あの舞台に立つには何もかもが足りないので。
杉澤 PGAツアーが100%ならPGAツアーチャイナの勝利は何%の位置づけですか?
佐藤 正直、チャイナツアーでしっかり1年間戦えば、Web.comツアーに行く自信はあるんですけど、そこで戦えるかと聞かれたら、自信が無いんですよね。格が全然違うと思うので。チャイナでは優勝争いができるようになってきたので、そこは成長だと思いますけど、Web.comで戦えって言われたら、まだ全然無理ですね。
杉澤 謙虚ってよりは(自分の)技術、現実を見ながら進んでいる感じがしますね。
佐藤 昔は結構そこを見てこなかったので(笑)。だからあの状況まで落ち込んだと思いますし、世界を見て、やれないことを通過しました。だからこそあの舞台で活躍したいです。
杉澤 最後に日本のゴルフファンに佐藤選手自身をアピールしてください。
佐藤 喜怒哀楽が激しいので、日本だと「平常心、平常心」って言われがちですけど、海外に行って思ったのは喜怒哀楽が出てるほうが見てて面白いと思ったので、ファンの方を大切にしたいですし、ゴルフ的には皆さんを魅せられるように、もっと向上していきたいです。あとはショートゲームを見てほしいですね。
杉澤 喜怒哀楽しっかりリアクションすると。自分も同じ意見で、選手心理が分かるから、応援もしたくなるし、感情移入ができますよね。応援していますので、頑張ってください。僕の右肩も空いていますので、どこかのタイミングでお願いします。
佐藤 是非是非お願いします。
杉澤 佐藤選手の喜怒哀楽を近くで見ていじりたいと思います。いじられ役ですよね?
佐藤 そうですね。いじられますし、いじります。両方できるので(笑)。
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