いざ、メジャー獲りへ─ 松山英樹がメジャー最終戦に挑む
2017年8月8日(火)午後4:27
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「全米プロゴルフ選手権は自分にとって理想のゴルフだった」。
昨シーズン終了後に松山英樹が語った言葉だ。昨年の全米オープンと全英オープンでは予選落ちを喫した松山だったが、メジャー最終戦の全米プロゴルフ選手権で輝きを取り戻した。大会初日に1アンダーの21位タイでスタートした松山は2日目以降もスコアを伸ばして優勝戦線に浮上。最終日も2バーディ、ノーボギーの「68」でラウンドし、当時のメジャー自己ベストとなる4位で終えた。
4日間を通してボギーの数はわずかに5つと全ラウンドで60台をマークした松山は、大会終了後に「パターがもう少し入ればメジャーで勝てるゴルフだった」と振り返った。最終日もグリーンを外したのはわずかに2回と幾度となくバーディチャンスにつけたが、パッティングが決まらなかった。4日間のスタッツからもパッティングで苦労したことがわかる。パッティングのスコア貢献度を表す「ストロークスゲインド・パッティング」では-2.286と全体の73位だった。
一方で、「ストロークゲインド・ティートゥグリーン」(ショットのスコア貢献度)では+12.908と驚異的な数値で全体の1位と世界に誇るショット力を証明する結果となった。メジャー制覇への現実味が増した全米プロを機に、松山は世界トップランカーへの階段を駆け上がる。「WGC HSBCチャンピオンズ」と「ウェイストマネジメントオープン」で優勝するなど、世界ランキングでトップ5に入る活躍を見せる。今やPGAツアーを牽引するスター選手の一人だ。
6月に開催された「全米オープンゴルフ選手権」最終日のプレーは世界に衝撃を与えた。最終日にトップと6打差の14位タイからスタートした松山は、8バーディを奪い「66」のビッグスコアを叩き出して、海外メジャー自己ベストとなる2位でフィニッシュ。最終日の最終ホールまでメジャー制覇の可能性があった松山の猛追には日本中が沸いた。
初日に「74」の82位と出遅れながらも2日目以降に巻き返した4日間を振り返り、「今週は気持ちが切れることなく、久しぶりに良い感じで前向きにプレーできた。ショットが安定していると精神的にも落ち着いてプレーできる」と話す表情からもメジャー制覇への確かな手応えを感じた。松山と共に戦う進藤大典キャディも「英樹はすごく落ち着いていた。途中でスコアボードを見ても気負うことなく自分がやらないといけないことに集中していた」とメジャータイトルをかけた最終日の優勝争いでも動じない松山がいた。
いよいよ、今季のメジャー最終戦を迎える。前週開催となった「WGC-ブリヂストンインビテーショナル」では、最終日「61」という次元を超えたレベルのゴルフをみせた松山英樹。こうなると、「全米プロゴルフ選手権」での優勝はもちろん、日本人初となるPGAツアー年間王者への期待も高まる。松山英樹のプレーから、目が離せない。
(写真提供:Getty Images)
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