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海外男子

“IMPRESSIVE TRIO”

2015年8月12日(水)午後0:21

米フロリダ州オーランドより番組制作スタッフが、独自視点でお届けするユニークなゴルフ最新情報!

上海ではWGC(世界ゴルフ選手権)2014年最後の大会「HSBCチャンピオンズ」、アメリカ南部のミシシッピ州では「サンダーソン・ファームズ・チャンピオンシップ」が行われた先週、世界を舞台に戦う選手の中で特に健闘が光ったのは、アメリカのババ・ワトソン、岩田寛選手、そしてカナダのニック・テイラーの3人でした。

IMPRESSIVE TRIO

PGAツアーきっての飛ばしやで泣き虫、今年マスターズ2勝目をマークしたババ・ワトソンは最終日トップと2打差、最終組の一組前で南アフリカのティム・クラーク、そして仲の良いリッキー・ファウラーとともにスタート。持ち前のパワーと繊細なタッチで2打のリードで迎えた最後の3ホール、まさかあんなドラマが待っていたとは本人はもちろん、誰も想像していなかったのではないでしょうか?
16番でボギーのあと、ティーショットの際、遠くで鳴ったホーンに集中力を乱された17番ではバンカーから一度で出せず、痛恨のダブルボギー。優勝に望みを託すためには18番パー5でのイーグルにかけるしかない状況で、2打目は無情にもバンカーへ。17番でバンカーに入れ2打落としたばかりのワトソン、今度はシャッター音でバンカーショットを仕切り直し・・・ 緊張感も絶頂と言える中放ったショット、グリーンに落下したボールはラインに乗りカップに向かってまっしぐら・・・。ボールがカップに入った瞬間、ワトソンの雄叫びとギャラリーの大歓声の大合唱。劇的なイーグルでマスターズチャンピオンは息を吹き返します。

それを目の当たりにしたクラークは、11アンダーのワトソンに並ぶためにバーディが必要でした。ベテランのクラークは長尺パターでしっかりパットを沈め、少なくとも二人によるプレーオフが決定。コースに残された3人、54ホールのリーダー、北アイルランドのグラム・マクドウェル、ドイツのマーティン・カイマー、そして日本人初のWGCタイトルが期待された岩田寛選手のプレーに全世界の注目が集まります。
いずれもプレーオフに加わるチャンスがあったものの、今年全米オープン・ゴルフ選手権でメジャー2冠に達したカイマーの3打目はグ゙リーン右サイドの土手にあたりボールは池へ、ここぞと言うときのパットははずさない、2010年の全米オープンチャンピオン、マクドウェルのバーディパットは左に切れ、岩田選手のパットはカップ左をかすめただけ・・・ 結局プレーオフひとホールめ、ワトソンは同じバンカーに入れたものの、72ホール目に直接カップインしたショットと同じラインに残ったバーディパットを沈めて初のWGCタイトルを獲得。PGAツアー214試合めに通算7勝目をマーク。アメリカ以外での優勝は初めてとなりました。

ババ・ワトソン

ワトソンは先週の水曜日、11月5日に36歳になったばかりですが、ゴルファーとして最も脂がのった時期、そして2年半前に養子に迎えた息子、ケイレブ君を育てながらの人としての成長ぶりもうかがえる“Impressive”、感心せずにはいられない見事な優勝でした。
ラウンド中、機嫌を損ねあきらかに集中力を欠いたと思われるプレーや、ミスショットのあとキャディのクラブチョイスのせいにしたりするワトソンには、ソーシャルメディアで100万人を超えるフォロワーがいる一方で、ワトソンの実力は認めるが彼には耐えられないという人がいるのも事実。ボギー、ダブルボギーのあとバンカーから直接沈めてプレーオフに残り、そこで再びバンカーに入れても優勝。ゴルフの神様にも助けられたとは言え、怒りを引きずらなくなったワトソン。気が付けば今年3勝です。今週、日本で4勝目達成も十分考えられます。

そしてそれを阻止するのが、岩田寛選手というのはさらにありえるシナリオです。
PGAツアーの大会はわずか4試合目という岩田選手。メジャータイトルを持つ世界のスターがリーダーボードに名を連ねる大会で最終日トータル10アンダーで2位スタートとなった岩田選手は、前半ノーバーディ、2ボギーと苦しみながらも、11番、13番、14番のバーディで巻き返し、15番ではアンプレヤブルとなりながらもボギーでまとめ、ワトソンがトップの座を失った時は、4人の選手とともにトップタイ。最後のパットさえ決まっていればプレーオフに残れただけに悔しさMAXの結末だったことでしょう。
でもプレーオフでパットをショートさせたクラークに比べ、しっかりカップを狙って強気で打った岩田選手に精神力の強さを感じた人は多かったはずです。2人の全米オープンチャンピオンに挟まれて最終組でプレーした世界ゴルフ選手権の最終ラウンド。勝てばPGAツアーとヨーロピアンツアーの参戦権、メジャーの出場権など夢を叶える最速とも言える道が目前だっただけにアメリカの中継では、岩田選手にとって“BIGGEST PUTT OF HIS LIFE"と表現していました。
そしてプレッシャーがかかる中、落ち着いて自分のゴルフを淡々と続けた岩田選手は”VERY IMPRESSIVE”と絶賛していました。
闘志むき出しではないものの静かに燃え続ける、そんな印象を残した岩田選手のファンは世界中で増えたはずです。

岩田寛

彼のブログをのぞくと今年ジャパンゴルフツアーで悲願の優勝を果たしたあと、応援してくれた人達への感謝の言葉が最後となっていました。ツアー仲間はもちろん、先輩も含めたくさん泣いてくれた人が居たとのこと。そこに岩田選手の人柄がうかがえます。
来季のPGAツアーのメディアガイド、“I”で始まる選手のページに、もう一人日本人選手が増えることを祈っています。

岩田選手にとって先週の大会がPGAツアー4試合めなら、サンダーソン・ファームズ・チャンピオンシップでは、ツアー7試合目に挑んだルーキー、カナダ出身、26歳のニック・テイラーがやはり、2人のメジャーチャンピオン、デビッド・トムズとルーカス・グラバーと一緒に回った最終日、65をたたき出し、見事ツアー初優勝を達成しました。
2006年のカナダジュニアチャンピオン、2007年はカナダアマチュアを制したテイラーは、開幕戦のフライズ・ドットコム・オープンは予選落ち、続くラスベガスの大会では56位、マクグラドレーでは3日目のカットで最終日に進めず86位、そして今季4戦目に優勝。
毎回思うことですが、PGAツアーに参戦している若手の選手はなぜあんなにも落ち着いているのでしょうか?プレーを急ぐこともなく、自分のルーティンに徹し、優勝争いなどしていないかのような雰囲気で、記者会見でもベテランのような受け答えのテイラーも“VERY IMPRESSIVE”でした。

PGAツアーは、メキシコに舞台を移し、OHLクラシックatマヤコバ。
私のイチオシルーキー、トニー・フィナウがそろそろ来るのではと密かに期待しています。

OHL クラシック at マヤコバ
「OHL クラシック at マヤコバ」 放送日時

1日目:11月14日(金)午前4:00?7:00
2日目:11月15日(土)午前4:00?7:00
3日目:11月16日(日)午後7:00?10:00
最終日:11月17日(月)午後7:00?10:00

?本日の一句? 伸びしろを しみじみ実感 異国の地 


筆者:Makiko Minoya
1995年 州立セントラルフロリダ大学 ジャーナリズム科卒業
1996年 ゴルフチャンネル入社(米フロリダ州オーランド)
好きなゴルファー:タケ小山プロ

[写真:アフロ / ©Getty Images]

 
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