（写真提供:Getty Images）

　男子ツアーの今季メジャー第2戦、全米オープンゴルフ選手権が現地21日、ワシントン州チェンバーズＧＣで最終ラウンドの競技を終了。ジョーダン・スピース（米）が1アンダー69で回り、通算5アンダーで全米オープン初制覇。21歳での優勝は1923年のボビー・ジョーンズに並ぶ最年少優勝記録。また、史上6人目、2002年のタイガー・ウッズ以来の同一シーズンでマスターズと全米オープンを制覇する快挙を成し遂げた。

　昨日までの3日間から最終日のコースセッティングに注目が集まったが、ふたを開けてみたら誰もが予想つかない試合展開となった。各ホールでティーボックスを前に出すなど、コースの全長は7,384yと四日間で最も短くなり、3日目と比べると300ヤードも短くなった。距離が短いことに加えて、「最終日は風が吹きグリーンが乾くのが早いと見込んで、四日間の中で一番水をまいてた。」とレックス倉本プロがスタート前に話していた通り、全米オープンには珍しく最終日にスコアを伸ばす選手が続出。大会3日目には予選通過者75人中、わずか6人だったアンダーパーも最終日には22人がアンダーパーで回った。

　25位タイから出た世界ランクNo.1のローリー・マキロイ（北アイルランド）は13番までに6バーディを奪い、一時首位と2打差の2アンダーまで伸ばしたが、その後2ボギーと失速。通算イーブンパーの9位タイで4日間の競技をを終えている。

　また、松山英樹と同組で3オーバー19位タイからスタートしたアダム・スコット（豪）は6バーディ、ノーボギーの完璧なゴルフで大会ベストとなる「64」を記録。

　首位と3打差の5位タイからスタートしたルイス・ウーストハイゼン（南ア）は初日「77」と大きく出遅れたものの、2日目からは連続の「66」をマーク。この日は2番から3連続ボギーを叩いたが、上がり7ホールで6バーディと圧巻のフィニッシュで通算4アンダーでクラブハウスリーダーに。

　4選手が並ぶ首位集団からスタートしたスピースは1番で痛恨の3パットでボギースタートとなったが、その後はパーセーブを重ね、8番のバーディでイーブンパーに。首位を走っていたダスティン・ジョンソン（米）が10番から連続ボギーで後退すると、同組のブランデン・グレース（南ア）と共に、距離の短い12番Par4でバーディを奪い首位タイで並ぶ。

　ジョンソンが12番でバーディを奪えず、13番でもスコアを落としたことで、優勝争いはスピースとグレースの一騎打ちになるかと思われた。迎えた16番Par4、この日はティーボックスが前になり337ヤード設定の中、グレースがまさかのOBでダブルボギーで優勝戦線から脱落。一方のスピースはバーディを奪い、この日一番のガッツポーズを見せた。

　ところが、これで終わらないのが今年の全米オープンが。通算6アンダーとしたスピースは勝利が目前に迫った17番Par3でグリーンを外すと、3パットのダブルボギーを喫して4アンダーとなり優勝争いは振り出しに。その17番でスピースの後ろを回る最終組のジョンソンが起死回生のバーディを奪いスピースと並んで首位タイに。

　勝負の行方は最終18番ホールへ持ち越された。1番と18番を足してパー9の変則設定として話題を集めた最終18番ホール。当初、USGAは最終日の最終ホールはパー4する意向を示していたが、3日目に続きパー5となっていた。

　先に回るスピースは2打目をピンから約5メートルに寄せるスーパーショット。惜しくもイーグルとはならなかったが2パットでバーディとして通算5アンダーで単独首位に立つ。続くジョンソンも2オンに成功するがスピースと同様にイーグルならず。これで2008年以来のプレーオフ確実と思われたが、返しのバーディパットを外して勝負あり。史上稀に見る大混戦の全米オープンに終止符が打たれた。

　ホールアウト後に行われた表彰式では「17番でダブルボギーを叩いた後に、最終18番がパー5で良かった。18番のティーショットはキャディからスムーズなリズムで打つように言われて、思った通りの所に打つことができた。今回優勝することが出来たのは全て彼（キャディ）のお陰だ。」と18番のセッティングと相棒に救われたことを口にした。

【全米オープンゴルフ選手権 最終成績】
1位　J.スピース（-5）
2位　D.ジョンソン（-4）
2位　L.ウーストハイゼン（-4）
4位　A.スコット（-3）
4位　C.スミス（-3）
4位　B.グレース（-3）

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全米オープン最終日放送予定

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