2年に1度の欧米決戦ライダーカップは、欧州チームの劇的な大逆転劇で幕を下ろしたが、その裏側にチームを天国で見守る故セベ・バレステロス氏（スペイン）の魂があったことは誰もが認めるところだ。

　そのセベの息子、ハビエル氏も現地入りしてチームの勝利を見守り、父の偉大さを改めて感じていた。「父がどこかから少しだけ助けてくれたことを感じた。彼が見ていたら、必ずすべてを誇りに思ったに違いない」と、興奮冷めやらぬ様子で口にしたハビエル氏。「グラエム・マクドウェルが『もし君のお父さんがライダーカップの台本を書くことができたら、こんな風に書いたんだろうね。ヨーロッパのビッグカムバックを』と言っていたけど」と続け、亡き父を思って感無量だった。

　昨年5月に54歳の若さでこの世を去ったセベは、今回の欧州チーム主将でもあるホセ・マリア・オラサバル（スペイン）とコンビを組んで何度も欧州チームに劇的な勝利をもたらしてきた。それだけに、チームは全員のバッグにセベのガッツポーズのロゴをつけるなどしてその闘志を継承。亡き英雄に捧げる逆転勝利を飾った。

「ヨーロッパチームのみんなが、父が彼らに与えたインスピレーションについて話すのを聞くのは本当に最高だ。それにホセ・マリア（オラサバル）が父のことを話すと同時に泣き出したんだ。僕は本当にエモーショナルになったよ」とも語ったハビエル氏。22歳でまだアマチュアゴルファーの息子は、改めて父の偉大さを肌で感じたようだ。