シニア入りまで残り1年。49歳になったビジェイ・シン（フィジー）がタイガー・ウッズ（米）、ローリー・マキロイ（北アイルランド）らビッグネームを抑え単独トップに立ち、プレーオフシリーズ最終戦のザ・ツアー選手権（現地時間20日?23日／ジョージア州、イースト・レイクGC）出場に望みを繋いだ。

　インディアナ州、クルックド・スティックGCを舞台に7日に行われた米男子ツアー、プレーオフシリーズ第3戦のBMW選手権第2ラウンド。通算13アンダーまでスコアを伸ばしたシンがタイガー＆マキロイらに1打差をつけトーナメントをリード。このまま2008年のドイツ銀行選手権以来4年ぶりの復活Vを達成すれば、フェデックスカップのポイントランキングは4位まで跳ね上がり、大逆転での2度目のフェデックスカップ王者を狙える位置に浮上することになる。

　現時点でのシンの同ポイントランクは年齢と同じ49位。このままではトップ30にのみ出場が許されるザ・ツアー選手権への道が閉ざされる。尻に火がついた格好のシンはなりふり構わず目の前の一打に集中。シーズン前半絶不調だったパットを改善した成果が出て優勝争いの先頭に浮上した。

　シーズン当初のある日、シンがスタッツ（データ）を見てみると、自らのパッティングのランクが174位だったことに「愕然」とする。以来、さまざまなパットを試し、崔京周（韓）が使っている極太グリップと出会って復調の兆しを見せると、腰やひざに爆弾を抱えながらも1日1時間以上のパッティング練習に取り込んだ結果、今週は木曜日、金曜日の2日間で3メートル以内のパットを31回中29回沈めるなどグリーン上の技が冴え、2日間ボギーわずか2個の安定したゴルフに繋げて見せた。

　残り2日、4年ぶりの優勝とザ・ツアー選手権出場を目指し、49歳のベテランが全力で駆け抜ける。