ビジェイ・シン（フィジー）が米男子ツアーを訴えている。

　シンは1月に「筋力増強作用があるヒト成長ホルモンが含まれている鹿角スプレーを使用していた」とスポーツ・イラストレイテッド誌で報じられていた。シン自身も使用を認めたためその後調査が続けられていたが、アンチドーピングを司る世界反ドーピング機関（WADA）が「スプレーの使用は禁止されていない」と回答したことで、シンの行為はドーピング違反ではないという結論が現地時間4月30日に出たばかりだった。

　ところが、現地8日になって今度はシンがツアーを訴えた。「僕は自分の仕事、実績、倫理観、人生に対して誇りを持っている。PGAツアーは僕をアンフェアに扱ったばかりでなく、プロゴルファーやファンなら誰でも持っているべきプロフェッショナリズムが欠如していると広めた」との声明を発表。誇りを傷つけられたことに怒り心頭のようだ。

　シンが訴えたのは自宅とツアーのオフィスのひとつがあるニューヨーク州の裁判所。奇しくも、ツアーのフラッグシップ大会、ザ・プレーヤーズ選手権（現地9?12日、フロリダ州、TPCソーグラス）が行われる今週に訴訟が起こされたことで、ツアーも少なからず困惑しているようだ。今のところノーコメントを貫いているが、今後の成り行きから目が離せない。