ムービングデーに優勝争いとは関係ないところでホールインワンが飛び出した。

　全英オープン第3ラウンド（現地時間21日／英国、ロイヤルリザム＆セントアンズGC）、大会初出場のアニルバン・ラヒリ（インド）が150ヤードの9番パー3で魅せてくれた。9番アイアンで放ったラヒリのティーショットは鮮やかな放物線を描いてグリーンをとらえると、ピンに向かってスルスルと転がりカップに吸い込まれた。ホールインワン達成の瞬間だ。

「ピンの右に落ちたのにキックが良かった。入った瞬間、皆が大騒ぎになって自分も興奮した。ファンタスティック！」と大喜びのラヒリ。予選会から勝ち上がった25歳が一躍注目を浴びると「我々にとって全英オープンは憧れの舞台。ここでベストなパフォーマンスをしたいと願って来た。自分のため、そして母国のためにもベストを尽くす」と大会にかける意気込みが並々ならぬものであったことを口にした。

　8番のバーディと9番のホールインワンのおかげで3つ叩いたボギーが帳消しになり、この日はイーブンパー70のラウンド。通算イーブンパーにスコアをまとめ18位タイとまずまずのポジションにつけ、最終日はさらなる上位を目指すことになる。

　インド勢といえばもう1人、前週行われた欧州ツアーのアバディーン・アセット・マネジメント・スコティッシュ・オープンで劇的な逆転優勝を飾り、最後の最後で全英への出場切符をもぎ取ったジーブ・ミルカ・シン（インド）がいるが、先輩格のシンはこの日6オーバー76を叩き通算7オーバー76位タイに低迷中。しかしメジャーの舞台にインド勢が2人出場するのも初めてなら、揃って予選を通ったのも初の快挙。ゴルフ新興国の今後を暗示する出来事である。（STATS-AP）