順位をわずかに落としたものの、石川遼が海外初Vを射程圏内にとらえている。

　WGC-キャデラック選手権と同週開催の米男子ツアー、プエルトリコ・オープン（プエルトリコ、トランプインターナショナルGC-プエルトリコ）は現地時間10日、第3ラウンドの競技を終了。前日好調なショートゲームを武器に3位タイに浮上した石川はこの日、6バーディ、3ボギーの3アンダー69とまずまずのゴルフで通算10アンダーとし、単独トップに立つジョージ・マクニール（米）に3打差の5位タイにつけた。

　前日から順位的には一歩後退したが、首位との差は1打縮まった石川。マスターズ（現地時間4月5?8日／ジョージア州、オーガスタナショナルGC）への特別招待が決まりプレッシャーから解放された今、石川が狙うのは優勝の二文字。最終日、好調なパットが火を吹けば米ツアー初Vも夢ではない。

　しかし上位には強敵が控えている。単独トップのマクニールはツアー1勝だがシードの常連で、1打差の2位タイにつけるヘンリック・ステンソン（スウェーデン）は“第5のメジャー”と呼ばれるザ・プレーヤーズ選手権を制したことがあり、かつて世界ランクトップ10入りを果たしたこともある強豪。同じく2位タイにつけるケビン・スタドラー（米）はマスターズチャンピオンの父・クレイグを持つ二世ゴルファーで、前日までトップを走ったマット・ジョーンズ（豪）は2打差の単独4位に後退したが、爆発力には定評がある。

　それら強豪相手にどこまで粘り強いプレーが出来るかが石川にとって最終日の鍵。優勝に飢えている20歳の若武者が本来の持ち味を発揮すれば、同ツアー初の栄冠も見えて来るはずだ。