44歳のスティーブ・ストリッカー（米）が開幕戦を制した。

　米男子ツアー開幕戦で、昨季のトーナメント優勝者のみに出場が許されるヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ（ハワイ、プランテーション・コース at カパルア）は現地時間9日、最終日の競技が終了。5打差単独首位でスタートしたストリッカーは6番でボギーが先行したが、8番、9番で挽回の連続バーディ。苦しい展開の中でも正確なショットを武器に堂々と落ち着いたプレーを披露した。

　勝利が決定的になったのは大詰めの17番。同じく最終組でディフェンディング・チャンピオンのジョナサン・バード（米）が、同ホールでボギーを叩いたことで差が3打に広がった。

　優勝を争っていたマーティン・レアード（スコットランド）は通算20アンダーで先にホールアウト。わずかに追いつく可能性を残したバードは最終18番での逆転に最後の望みをかけたが、2オンを狙った第3打は右手前のバンカーへ。3打目も寄せきれず、パーで上がって通算19アンダーでフィニッシュ。ウェブ・シンプソン（米）と並ぶ3位タイで連覇を逃した。一方、余裕のストリッカーは18番も約1メートルを沈めるバーディで通算23アンダーまでスコアを伸ばし、昨季4位タイに終わった雪辱を果たした。

　昨季は、プレーオフ・シリーズのBMW選手権で首と肩を痛め、左手に力が入らなくなって途中棄権。最終戦ツアー選手権には出場したものの単独15位と尻すぼみのシーズンとなっただけに、新しいシーズンの出だしで結果を出し、ツアー通算12勝目を飾ったことで喜びもひとしお。12勝のうち10勝が40歳を超えてからのストリッカーは、まだまだツアーを引っ張ってくれそうだ。

「パットに少しミスがあったが、大会を通していいゴルフができた。開幕戦で優勝できてうれしい」と、笑顔を見せたストリッカー。若手が台頭し、パワーゴルフが主流となる中、いぶし銀のプレーが光っている。