ロレックスランキング（女子世界ランキング）No.1のヤニ・ツェン（台）が、ただひとり別のコースを回っているかのようなゴルフで実力を余すところなく見せつけた。

　世界のトッププレーヤーが台湾に集い、スカートをはいて華麗なる戦いを繰り広げるスインギング・スカート台湾LPGA招待は現地時間11日、ツェンの故郷である台湾のミラマーGCを舞台に最終ラウンドの競技を終了。この日単独トップからスタートしたツェンは寒さと風に各選手がスコアメイクに苦しむ中、5バーディ、1ボギーの4アンダー68のベストスコアをマーク。通算6アンダーまでスコアを伸ばし、2位に入った申智愛（韓）と全米女子オープンチャンピオンのリュウ・ソヨン（韓）に7ストロークの大差をつけて圧勝した。これでツェンは今季米女子ツアー7勝を含む計12勝を挙げたことになる。

　出場82名中（棄権者を除く）、トータルでアンダーパーをマークしたのはツェンただひとり。かつて日本で賞金女王に7回輝いたト阿玉（台）が3日間通算44オーバー（単独81位）を叩いたのだから、その難易度がわかるというもの。2位タイの2人が通算1オーバー、単独4位のナ・エン・チョイ（韓）でさえ通算2オーバーだった。

　日本勢最上位に食い込んだ服部真夕は、出だしの2連続ボギーを後半盛り返して2アンダー70にスコアをまとめ、通算3オーバー単独5位。また初日首位タイの好発進を切りながら、2日目にまさかの『80』を叩いて後退した上田桃子は2バーディ、4ボギーの2オーバー74止まり。通算9オーバー16位タイで3日間の競技を終えている。宮里美香はこの日ダブルボギーを2つ叩き、2日連続6オーバー78で通算13オーバー29位タイに終わった。

　台湾LPGAと台北新都市政府が中心となり、地元の富豪がスポンサーとなって開催されている今大会は、ゴルフ発祥の地であるスコットランドの民族衣装キルト（スカート）がかつて同地で着用されていたというゴルフの歴史を踏まえ、その伝統を後世に残そうと活動している“スイングスカートゴルフチーム”という組織が主体となって発足した新規トーナメントである。