全米プロゴルフ選手権王者キーガン・ブラッドリー（米）が、ロングパター使用の規制という報道に対し、嫌悪感を示した。

　現地時間6日に幕を開ける米男子ツアー今季開幕戦、ヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ（ハワイ、プランテーション・コース at カパルア）の目玉選手の一人であるブラッドリーは、同時に史上初めてベリーパター（中尺パター）を使ってメジャータイトルを手にした選手でもある。だが、通常のパターとは打ち方も違うロングパター使用者のツアー優勝が相次ぎ、ブラッドリーがメジャー大会まで制したことで、これに対して首をかしげる動きが起こり、そうした報道もひっきりなしに続いている。

　このことに対して「（ロングパター使用に対する）ネガティブな報道は気に入らない。だって、魔法のように使用していきなり優勝したわけではなく、何時間も何時間も練習して勝ったんだから。そのことをみんなにわかって欲しい」と不満を漏らしたブラッドリー。昨季はHPバイロン・ネルソン選手権で米ツアー初優勝を果たし、全米プロにも勝って賞金ランキング13位となり、ルーキー・オブ・ザ・イヤー（新人賞）も獲得した。今季期待の25歳だが、ロングパターを使って活躍すればするほど、それに対する批判が大きくなるというジレンマに苛立ちを隠さない。

　だが、それでも結果を出して強くなれば発言力も大きくなるのがプロの世界。ブラッドリーの2012年は、世論との戦いとともにスタートするようだ。

　昨季のツアー優勝者のみが出場を許され、28人が集結する今大会だが、残念ながら昨年のメジャー王者はブラッドリーただひとりだけ。予選ラウンドはかつての全米プロ王者、デビッド・トムズ（米）とラウンドすることが決まっており、そのプレーぶりが楽しみだ。

　メジャー王者3人に加え、史上初の欧米ツアー同時賞金王となった世界ランクNo.1のルーク・ドナルド（英）の姿もないが、昨季フェデックスカップ王者のビル・ハース（米）、世界ランク6位のスティーブ・ストリッカー（米）、昨シーズン最後まで賞金王争いを演じたウェブ・シンプソン（米）らが出場し、開幕早々の激戦が期待される。