昨季の米男子ツアー優勝者が出場し、華やかに行われる同ツアー開幕戦ヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ（現地時間6?9日／ハワイ、プランテーション・コース at カパルア）だが、今季大会は有力選手の欠場が問題になっている。

　昨季メジャー王者4人のうち、出場を予定しているのは全米プロゴルフ選手権のキーガン・ブラッドリー（米）ただ一人で、マスターズのチャール・シュワーツェル（南ア）、全米オープンのローリー・マキロイ（北アイルランド）、全英オープンのダレン・クラーク（北アイルランド）は出場しない。さらに、史上初の欧米ツアー同時賞金王となった世界ランクNo.1のルーク・ドナルド（英）の姿もない。

　これはゴルフ界のグローバル化に伴い、欧州や南ア勢が強く、シーズン終了が遅くなったゆえの弊害ともいえる。クリスマス休暇ぎりぎりまで試合を続けていた選手たちが、ようやく家族とゆっくり過ごし、体を休め、シーズンに向けてリスタートするには、開幕が早すぎるという声もあるからだ。

　だが、今大会の出場資格を持つツアー優勝者のうち11名もが出場しないとなると、“トーナメント・オブ・チャンピオンズ”という大会名がむなしく響く。世界ランクトップ10ではスティーブ・ストリッカー（米）とウェブ・シンプソン（米）の2人しか出場しない。

　また、開催地がハワイで、米本土、特に東海岸在住の選手にとっては遠過ぎるという事情もあるようだ。だが、毎週、当たり前のように試合が行われ、賞金も高額という状態に慣れきった選手たちによる試合のスキップが、今後、スポンサー獲得にどう影響するのか。

　何年も前から問題視されていた現実だが、メジャー王者や世界ランク上位選手を見てもわかるように、いつまでも米ツアーが世界最高峰ではないという状況に陥った今、ツアー側も選手も、改めて考えなければならない転換期に差し掛かっている。