清田太一郎が最終ホールで神がかり的なバーディを奪い、単独トップに躍り出た。

　欧州、アジア両ツアー共催のジョニー・ウォーカー・クラシックはインドの首都ニューデリーのDLFゴルフ＆CCを舞台に現地時間の1日、第3ラウンドの競技を終了。第1ラウンドから好調なゴルフを続ける清田は、この日5アンダー67の好スコアをマーク。通算14アンダーで、前日の3位タイから単独首位に浮上した。1打差の2位タイには地元のヒーロー、ジョティ・ランダワ（インド）の他、第3ラウンドで2イーグルを奪い8アンダー64の猛攻を見せたマーク・ブラウン（ニュージーランド）が続いている。

　人々が息をのんだのは、清田が放った最終ホール（パー5）の第2打。「昨日セカンドがショートして池につかまっているから、今日は池だけは避けたかった」と大きめのクラブを選択しグリーンを狙ったが、そのショットがギャラリースタンドを越える大オーバー。しかしそこから放ったアプローチがピンそば1.5メートルに寄って、奇跡のバーディフィニッシュ。これには本人も「ミラクルチップ（アプローチ）です。明日はもう1度奇跡を起こして優勝したい！」と満面の笑み。

　今季はすでに国内ツアーのファイナルQTで2位に入って、“戦う場”を確保しており、アジアンツアーへも果敢に挑戦を続けている清田。アマチュア時代、全米アマでベスト8入りするなど“大器”と騒がれながら、プロとしての実績はまだないに等しい。その清田が、歴代優勝者にタイガー・ウッズ（米）、アーニー・エルス（南ア）、レティーフ・グーセン（南ア）ら、メジャーチャンピオンが名を連ねるビッグイベントで、逃げ切りVを誓っている。

　その他、インド系フィジー人のビジェイ・シンが通算9アンダーで10位タイへじわりと順位を上げ、地元のジーブ・ミルカ・シン（インド）が通算8アンダー、12位タイ。だが、前日5位タイにつけた世界ランク5位のアダム・スコット（豪）は2バーディ、4ボギーの2オーバー74と崩れ、通算6アンダーで33位タイに後退。今季欧州ツアー2勝目が遠のいた。