19歳と29歳の初優勝をかけた戦いは、苦労を重ねた29歳に軍配が上がった。

　欧州ツアーのオメガ・ヨーロピアン・マスターズ最終ラウンド（現地時間7日、スイス、クラン・サー・シエレGC）は、4打差単独首位でスタートした19歳のローリー・マッキルロイ（北アイルランド）にとって、ボギー先行の苦しいラウンドとなった。

　それでも2、3番のボギーを5、12、15番のバーディで挽回。18番で1.5メートルのパーパットを沈めれば優勝というところまでこぎつけたが、ポロリとはずして痛恨のボギー。4バーディ、ノーボギーの4アンダー67で、通算13アンダーで先にホールアウトした29歳のジャン・フランソワ・ルックイーン（仏）と並びプレーオフに突入した。

　18番の繰り返しで行われたプレーオフ2ホール目、マッキルロイはわずか60センチのパーパットをまたしてもミス。3メートルを沈めてバーディを奪ったルックイーンが、ツアー175試合目でうれしい初優勝を勝ち取った。

　シャンパンシャワーの祝福は、同じフランスのグレゴリー・ハブレットが優勝した先週のジョニー・ウォーカー選手権 at グレンイーグルスの再現のようなシーン。これを受けてルックイーンは「1番ではすごくナーバスになったが、スイングがいい感じだった。ウイニングパットを入れたとき、妻と小さな息子がグリーンに駆け寄ってきて、まるで夢のようだった」と、喜びに頬を染める。長い間の苦労がようやく報われ、勝利の美酒をゆっくりと楽しんでいた。

　対照的に、敗れたマッキルロイはガックリと肩を落とした。「もちろん、すごく残念だ。スタートからうまくいかなかったし…。でも、今週はいろいろなものを得た。3週連続予選落ちだったのに、いいプレーができたしね。勝てたら最高だったけど」と、まだまだ先の長い19歳だけに、前向きにコースを去った。

　尚、1打差の通算12アンダー3位タイに、地元のジュリアン・クレメント（スイス）、クリスチャン・セバエアー（仏）、ミゲール・A・ヒメネス（スペイン）らが入っている。