昨年ツアーデビューを飾ったばかりの新鋭ローリー・マッキルロイ（北アイルランド）が首位を守った。

　欧州ツアーのオメガ・ヨーロピアン・マスターズはスイスのクラン・サー・シエレGCを舞台に現地時間の6日、第3ラウンドの競技を終了。アルプスを臨む雄大なコースで、初日からトップを走るマッキルロイが、この日も5アンダー66の好スコアをマーク。ただひとり通算スコアを二桁アンダー（通算13アンダー）まで伸ばし、トーナメントを引っ張った。

　4打差の2位タイに地元スイスの新鋭ジュリアン・クレメント、ユアン・アベイト（アルゼンチン）、アレジャンドロ・カニザレス（スペイン）の他、この日『64』と爆発し前日の35位タイから急浮上したロバート・ディンウィディ（英）らが続いている。今大会出場選手中、もっとも同ツアー賞金ランク上位（3位）のミゲール・A・ヒメネス（スペイン）は通算8アンダー8位タイ。

　スタートホール、540ヤードのパー5でいきなりセカンドショットをピンそば約1メートルにぴたりと寄せてイーグル発進のマッキルロイは「あれで肩の力が抜けた」と勢いに乗り、その後6つのバーディ（3ボギー）を奪って、『66』の好プレーにつなげた。

「初日の『63』より今日の方が内容は良い。状況を考えても『66』には満足」と納得の表情を見せた19歳だが、もし勝てば、1971年のデイル・ヘイズ（南ア）、1976年のセベ・バレステロス（スペイン）に続く史上3番目の年少優勝を達成することになる。昨年の全英オープンでローアマに輝くなど、アマチュア時代から将来を嘱望され続けてきた逸材は、ここまで期待を裏切らない活躍でヨーロッパのゴルフファンの注目を集めてきた。「明日が凄く楽しみ。ホールアウトするときには今ある4打のリードを、6打まで広げたいね！」。果たして強気のマッキルロイの完全優勝はなるのだろうか？

　なお前日マッキルロイと同じ首位タイにつけたディフェンディング・チャンピオンのブレット・ランフォード（豪）は2オーバー73と崩れ、通算6アンダー16位タイに後退した。また父親のデレク氏が麻薬取引の容疑者となった17歳の日系人ゴルファー、タッド・フジカワ（米）は、すでに予選で姿を消している。