世界ランクNo.1不在の戦いの幕が切って落とされる。

　メジャー今季第3戦となる第137回全英オープンは現地時間17日、英国、サウスポートのロイヤル・バークデールで開幕。海から風が吹き付けるリンクスでの戦いは、優勝候補筆頭のタイガー・ウッズ（米）不在のため、激戦となることが予想される。

　ディフェンディング・チャンピオンのパドレイ・ハリントン（アイルランド）も右手首に故障を抱え、出場すら危ぶまれる状態。こうなると期待が集まるのが、昨季大会でハリントンにプレーオフで敗れたセルヒオ・ガルシア（スペイン）だ。今年は米ツアーで“第5のメジャー”と呼ばれるプレーヤーズ選手権を制し、自信をつけたガルシアは「これまでで一番調子が良いと言っていいだろう」と胸を張る。

　さらに今年はサッカーのEURO2008で母国スペインが勝利し、テニスのウィンブルドン、全仏オープンでも同胞のラファエル・ナダルが優勝するなど“スペインの年”といわれている。それだけに「母国のみんなに続くように頑張るよ。一番大切なのは日曜日に（勝ち星を）狙える位置にいることだ」と目を輝かせた。

　一方、世界ランクNo.2ながら大会未勝利のフィル・ミケルソン（米）は、10日以上前に欧州に乗り込んで大会に備えた。ロイヤル・バークデールを3日間下見した時は毎日コンディションが違ったが、ミケルソンは十分に練習して準備ができている。

　その後参戦した前週の欧州ツアー、バークレーズ・スコティッシュ・オープンでは38位タイとふるわなかったものの、全然気にしていない。「今週はここに集中しているからね。たくさん練習して良いゲームプランを見つけたんだ。だからこのフィールドに挑戦することにワクワクしている」と勝つ気満々だ。

　他に02年大会覇者のアーニー・エルス（南ア）、豪州の若き実力者アダム・スコット、アーロン・バデリーの2人。さらに母国のナショナルオープン制覇に燃えるジャスティン・ローズ（英）などもメジャータイトルにターゲットを絞っている。欧米両ツアーで活躍する若手達も大金星を狙っており、誰が勝ってもおかしくない状況だ。