2日目から首位を走ったトーマス・エイケン（南ア）が、前日急逝した欧州ツアー最大のヒーロー、セベ・バレステロス（スペイン）が過去3勝した大会を制し、偉大なる先達にツアー初優勝を捧げた。

　セベの故郷スペイン（レアルクラブ・デ・ゴルフ・エル・プラト）で行われていた欧州ツアーのオープン・デ・エスパーニャは現地時間8日、最終ラウンドの競技を終え、この日2アンダー70でプレーしたエイケンが通算10アンダーまでスコアを伸ばし、逃げ切って嬉しいツアー初優勝を達成した。

「セベが亡くなって今週は悲しみに満ちた一週間だった。彼の故郷のナショナルオープンで勝てたのも何かの縁。この勝利を彼と彼の地元のファン、そしてゴルフという偉大なゲームに捧げたい。セベは僕にインスピレーションを与えてくれた恩人。彼のために勝てて本当に嬉しい」と興奮気味に語った27歳のエイケン。過去に南アのサンシャインツアーでは6勝を挙げているが、ヨーロッパでは2007年の本格デビュー以来105試合目での初タイトル獲得となった。

　後続に2打差をつけ単独トップからスタートしたエイケンは前半の2バーディでリードを確実なものとすると、後半2つのボギーを叩いたものの、誰にも首位の座を明け渡すことなく2打差で逃げ切った。通算8アンダー単独2位に入ったアンダース・ハンセン（デンマーク）は「自分も決して悪くなかったけれど、相手のプレーが安定していた」と勝者を讃えた。

　一方、逆転Vを狙った地元期待のパブロ・ララサバル（スペイン）は3打及ばず、ルーキーのスコット・ジェイミソン（スコットランド）と並び3位タイに終わっている。また親友セベの死を悼むホセ・マリア・オラサバル（スペイン）は最終日に5オーバー77を叩き、通算8オーバー56位タイで4日間の競技を終了した。