およそ11年ぶりのタイガー・ウッズ（米）登場に豪州ゴルフファンたちが燃え上がっている。

　現地時間12日から開催する欧州、豪州共催のJBウェア・マスターズ（豪州・メルボルン、キングストンヒースGC）に出場するタイガーだが、歓迎ムードはハンパではない。練習日からコースにはファンが殺到。大会前からチケットが売る切れという同地のゴルフ界では珍しい出来事となっている。

　タイガー本人は、カメラのシャッター音に悩まされた先週のWGC-HSBCチャンピオンズ（中国・上海、シャーシャン・インターナショナルGC）も含めて、世界中どこへ行っても大人気だけにマイペースだが、この事態を複雑な気持ちで眺めているのが地元豪州勢だ。

　ザ・プレジデンツカップ主将も務めたグレッグ・ノーマン（豪）をはじめ、実力者は数多い豪州勢だが、ツアーとしてはいつまでたっても発展途上。ゴルファーは多いが、新聞の一面をゴルフの記事が飾ることは少ないのに、タイガー登場でビッグニュースになっているからだ。ディフェンディング・チャンピオンのロドニー・パンプリング（豪）は「（ディフェンディング・チャンピオンであることを）父と母は知ってるけど、弟はしらないんじゃないか」と苦笑。全米オープン優勝者で、大会ではタイガーに続く世界ランキング上位のジェフ・オギルビー（豪）は「でも、タイガーが来たことでまたゴルフが注目されるのはうれしいこと。オーストラリアの人たちの前で彼がプレーしてくれることは本当に素晴らしいよ」と、ゴルフの発展のために目を細めた。

　地元勢のそんな思いをよそに、タイガー自身も優勝争いをしながら6位タイに終わった先週のWGC-HSBCチャンピオンズのふがいなさを振り払いたいところ。米ツアーのシーズンは終わったとは言え、来季に向けて真剣な表情でプレーしているだけに、楽しみなのは豪州ファンばかりではない。