世界ランク482位の苦労人が遂に念願の1勝を挙げた。

　欧州ツアーのカステロ・マスターズ・コスタ・アサールはスペインのクラブ・デ・カンポ・デル・メディテラネオを舞台に、現地時間の25日最終ラウンドを行い、前日単独トップに浮上したミカエル・ジョンゾン（スウェーデン）が4アンダー67をマーク。通算20アンダーまでスコアを伸ばし、2位タイのマーティン・カイマー（独）、クリスチャン・ニルソン（スウェーデン）に1打差をつけて逃げ切った。

「信じられない！　嬉しくて言葉もないよ。優勝を実感するにはまだ少し時間がかかりそうだ」と97年のポルトガル・オープン以来、およそ12年ぶりに勝利の美酒に酔ったジョンゾン。今シーズンはトップ10がわずかに1回。今大会がスタートするまで賞金ランク158位と来季のシード権は絶望的。何度も逆戻りしているQスクール（プロテスト）を受験し直さなければない状況に立たされていた。しかしたった1試合でジョンゾンは崖っぷちから生還したのだ。

　だが最後はヒヤヒヤの連続。6ホールを残してカイマーに5打差をつけ、圧勝かと思われたジョンゾンだが15番でダブルボギー、17番でボギーを叩く間に、カイマーが14番、16番、17番でバーディを奪い、通算19アンダーでトップに並ばれてしまう。しかもニルソンがすでに通算19アンダーでホールアウトしており、最終ホールでバーディを獲らなければプレーオフにもつれ込むことになる。そして迎えた最終18番、カイマーのセカンドショットがピンそが約3メートルのバーディチャンスにつけたのに対して、ジョンゾンはピンチ。勝てば賞金ランク1位に返り咲くカイマーも必死だったが、バーディパットを気合いでジョンゾンがねじ込むと、カイマーは3メートルを外してバーディならず。1打差で37歳の苦労人が勝利を飾った。これで賞金ランクも65位。「この4日間の戦いを誇りに思う」と勝者は笑顔で胸を張った。

　一方、ホームコースで連覇を狙ったセルヒオ・ガルシア（スペイン）は最終日、スコアを2つしか伸ばせず、通算17アンダー、単独4位で4日間を終了。6アンダー65の好スコアをマークしたベテランのダレン・クラーク（北アイルランド）が通算14アンダーで6位タイに食い込んでいる。