フィル・ミケルソン（米）が逆転優勝を飾り、乳がんと戦う夫人と母を勇気づけた。

　米男子ツアーのフェデックスカッププレーオフシリーズ最終戦、ザ・ツアー選手権（ジョージア州アトランタ、イースト・レイクGC）は現地時間27日、最終ラウンドの競技を行った。3日目終了時で通算4アンダー3位タイのミケルソンは首位のケニー・ペリー（米）に4打差、2位のタイガー・ウッズ（米）には2打差。最終組の1つ前でプレーし、鮮やかなパッティングで猛チャージを見せた。

　3番で5メートル弱のバーディパットを沈めると、4番では約9メートルのパットをぶち込んだ。8番パー5では第3打でピンそばにつけ、タップインしてバーディ。ペリーがスコアを落としていたこともあり、通算7アンダーでトップタイに並んだ。続く9番もバーディを奪い、単独首位に立ったが、バックナインに入ると勢いがストップ。それでもパットが不調なタイガーを始めとするライバル達も今ひとつの状況下、忍耐強いプレーを続けた。

　バーディが欲しい15番パー5をパーで終わったものの、難しい16番ではショートゲームの名手の面目躍如。グリーン奥からの下り約5.5メートルのアプローチを直接カップインさせた。この日5つ目のバーディを獲り、5アンダー65の通算9アンダーでフィニッシュし、2位のタイガーに3打差をつけて逆転優勝を飾った。

　シーズン序盤に2勝していたが、家族が病魔に襲われる試練の中でゴルフに集中できず、全米オープンの2位タイなど勝利から遠ざかっていたミケルソン。今大会の前には、かつての全米プロ王者であるデイブ・ストックソン（米）と共にパッティングを練習し、見事に功を奏した。久々に見せる会心の笑みで「妻と母が病気と闘い、様々な人のサポートの中で得た特別な優勝だ」と喜びを口にした。

　一方、絶好の位置でスタートしながら、この日30パットとグリーン上で苦しみ、勝利を逃したタイガーは、今ひとつ表情が晴れないまま。「フィル（ミケルソン）が良いプレーをしたね。自分は残念ながらパットが安定せず、彼にプレッシャーをかけることができなかった」と微妙な表情に終始した。だが、フェデックスカップポイントランク首位の座を守り、同カップ優勝のボーナス1,000万ドル（約8億8,700万円）を手に入れた。

　その他、ショーン・オヘア（米）が通算5アンダー単独3位。ペリーは4オーバー74と崩れ、パドレイ・ハリントン（アイルランド）と並ぶ通算4アンダー4位タイに終わった。