世界のレフティが、初登場の中国で大暴れだ。

　中国、上海のシャーシャン・インターナショナルGCを舞台にアジアンツアーとの共催で行われている2008年シーズンの欧州ツアー開幕戦、HSBCチャンピオンズは現地時間10日、第3ラウンドの競技を終了。フィル・ミケルソン（米）がメジャー3勝の貫ろくで地元ギャラリーの目を釘付けにした。トップのケビン・スタドラー（米）に1打差の通算10アンダー2位でスタートし、フロントナインは3バーディ、2ボギーと静かなラウンド。だが、バックナインに入ると、持ち前のアグレッシブなプレーが爆発した。

　ミケルソンは14番バーディの後、15番で10.5メートルのロングパットをぶち込む鮮やかなバーディ。最終18番パー5も9メートルのイーグルパットは惜しくも外したが、楽々バーディで通算14アンダーでフィニッシュした。2位のロス・フィッシャー（英）に2打差の単独首位で最終ラウンドに突入することになった。

「アメリカだろうと、ここ（中国）だろうと、良いプレーがしたいことに変わりはない。戦ってチャンスがあれば勝ちたい。私にとってはそれが楽しいんだ」と、笑顔で勝利への思いを口にしたミケルソン。アジアンツアー初参戦だった前週のバークレイズ・シンガポール・オープン以来、実戦で試している新しいクラブがしっくりとなじんでいる。来季の活躍が予感されるだけに、最終日も目を見張るゴルフを見せてくれるはずだ。

　世界のレフティを2打差で追うフィッシャーは、今季KLMオープンで欧州ツアー初優勝を果たしたばかり。ドバイ・デザート・クラシックではタイガー・ウッズ（米）と一緒にプレーした経験があった。それだけにミケルソン、スタドラーと同じ最終組となった第3ラウンドも動じることはなく、ビッグネームとのプレーを楽しんだ。

「タイガーはすごかった。彼がとてもオープンなのでびっくりしたよ。まるで親友のように話すことができた。今日のフィルも同じだよ。とても上品だし、ラウンド中ずっと話していた。だからリラックスできたんだ」。最終日もフィッシャーは自分のペースでプレーできれば、戦いは激しいものになるに違いない。

　ミケルソンと3打差の3位にポール・ケイシー（英）、予選ラウンド終了時トーナメントリーダーのスタドラーは通算10アンダー4位。通算7アンダー5位タイにパドレイ・ハリントン（アイルランド）、ビジェイ・シン（フィジー）、ディフェンディング・チャンピオンのY・E・ヤン（韓）他がつけている。