タイガー・ウッズ（米）が、メジャータイトルをそれぞれ3回ずつ手にするトリプルグランドスラムを達成。ジャック・ニクラウス（米）以来、史上2人目の快挙となった。

　米男子ツアーの今季メジャー第2戦、第108回全米オープン（カリフォルニア州サンディエゴ、トリーパインズGC）は現地時間16日、世界ランクNo.1のタイガーと同大会史上最年長優勝（45歳6か月）のかかるロッコ・メディエート（米）が18ホールのプレーオフを行った。

　2人の戦いはし烈を極めた。スタートダッシュが大切な18ホールストロークプレー。比較的一方的な戦いになるケースが多い形式だが、この日ばかりは違った。1番でボギーが先行したメディエートは、3番パー3でホールインワンかと思わせるスーパーショットを披露。ピンから約50センチにつけ、楽々バーディを獲り返す。対するタイガーは3番でボギーを叩き、メディエートに一歩リードを許した。

　しかし、タイガーがパープレーを続けると、メディエートは5番でバンカーからの第2打がカートパスに跳ねる不運に見舞われてこのホールボギー。1オーバーで両雄は並んだ。するとここから、世界最強の男が本領を見せる。6番で約1.5メートル、7番で約2.5メートルを沈める連続バーディ。前半で2人の差は2打に広がった。

　それでも、勝利の女神は気まぐれだ。11番、12番を連続ボギーとしたタイガーを尻目に、メディエートが13番から怒涛の3連続バーディ。タイガーも13番ではバーディとしたものの、逆に1打のリードを奪われてしまった。

　勝負はまたしても最終18番。1打ビハインドのタイガーは、2段グリーンの下の段とはいえ、約7メートルにきっちりと2オン。リードしているメディエートも、およそ5メートルに3オンと一歩も譲らない。タイガーがイーグルパットをオーバーさせた後、メディエートは大会史上最年長優勝のかかるバーディパットに挑んだが、惜しくもカップの左側を通過。これに対しタイガーは、返しのパットをしっかりと沈めた。再びイーブンパーで並び、両者一歩も譲らないまま、勝負はサドンデスにもつれ込んだ。

　7番パー4を舞台に行われたエキストラホール1ホール目。メディエートはティーショットをバンカーに入れ、ここからグリーンをとらえられない。第3打はピンに寄らず、2パットのボギー。この間にキッチリとパーで収めたタイガーが、激闘に終止符を打った。

　ニクラウスのメジャー通算18勝にあと4つと迫る14勝目を達成。満面の笑みで勝利を喜ぶタイガーが抱き上げたのは、1歳の誕生日を18日に控えた愛娘のサム・アレクシスちゃんだった。