メジャー史上最長、7,674ヤードの死闘が幕を開ける。

　現地時間13日開幕のメジャー今季最終戦、第91回 全米プロゴルフ選手権は、2002年以来の開催となるハゼルティン・ナショナルGC（ミネソタ州チャスカ）がその舞台。ビュイック・オープン、WGC-ブリヂストン招待と2週連続で優勝し、絶好調で乗り込んでくるタイガー・ウッズ（米）が大本命なのは言うまでもない。だが、ディフェンディング・チャンピオンのパドレイ・ハリントン（アイルランド）も調子を上げており、予断を許さない戦いになりそうだ。

　7年前に同大会が行われた時より314ヤードも長いタフなセッティング。パー72ではあるものの、600ヤードを越えるパー5が3つもあるなど、飛距離の出ない選手にとっては厳しくなっている。タイガーにとってはこのコースに因縁がある。2002年大会では優勝争いを演じながら、伏兵リッチ・ビーム（米）にまさかの惜敗。その悔しい思いを晴らそうとしているところ、予選ラウンドではそのビームと同組対決が決まった。

　08年全米オープン以来、メジャータイトルから遠ざかり、その数は歴代2位の14でストップしている。大会前の会見では、「メジャータイトルの有無にかかわらず、今年は素晴らしい1年」とタイガーは話した。それでも目標とするのはただひとつ、史上最多のメジャータイトルを持つジャック・ニクラウス（米）の18勝だ。できれば、今年中に1つ勝っておきたい。

　さらにハリントンとの因縁もある。昨季全英オープン、全米プロとメジャー連勝したハリントンは、その後スランプに陥った。しかし「6週間前にヒントを見つけた」と笑顔を取り戻し、前週のブリヂストン招待では最後までタイガーと優勝争い。最終ラウンド大詰めの16番でまさかのトリプルボギーを叩いて敗れた。だが、そのホールでタイガーとハリントンの組がスロープレーで計時されていたという事情があり、2人にとってスッキリしない結末になっていた。直後の今大会では、予選ラウンドから同組。タイガー、ビーム、ハリントンが三者三様の思いを胸に、史上最長コースで激突する。

　また、闘病中の妻、母への思いを形で表したいフィル・ミケルソン（米）、メジャー初優勝を悲願とするセルヒオ・ガルシア（スペイン）、復活にかけるアーニー・エルス（南ア）らももちろん参戦。優勝者に与えられるワナメーカー・トロフィを目指したサバイバルレースが、間もなく始まる。