世界のレフティがジェットコースターのような一日を何とか乗り切り、海外2勝目を飾った。

　アジアンツアーとの共催で行われている2008年シーズンの欧州ツアー開幕戦、HSBCチャンピオンズ（中国、上海、シャーシャン・インターナショナルGC）は現地時間11日、最終ラウンドの競技を行った。2位に2打差の首位でスタートしたミケルソンは7番を終えて通算16アンダー。追うロス・フィッシャー（英）に5打差をつけ、独走態勢に入ったかに見えた。

　だが、ミケルソンは8番をボギーとしてから様子がおかしくなる。その後、2ボギー、1ダブルボギーを叩き、あっという間に通算11アンダーまでスコアを落とし、フィッシャーに並ばれた。さらにボギーを重ねた15番では、フィッシャーにバーディを奪われ、逆に2打差をつけられる大ピンチ。だが、ドラマはここで終わらなかった。

　16番のバーディで一息ついたミケルソンは、1打差を追って最終18番パー5へと向かう。両者とも2オンを狙ったが、先に打ったフィッシャーは池こそ何とか避けたものの、グリーン左の深いバミューダのラフにつかまった。しかし次にショットしたミケルソンの第2打は池ポチャで、万事休すかと思われた。

　しかし、フィッシャーの第3打はグリーンを転がり、池の中へ。5打目でグリーンオンし、まさかのダブルボギー。第4打でグリーンをとらえたミケルソンも、3メートルのパーパットを入れられず、共に通算10アンダーでホールアウトした。

　勝負は最終日の67の猛チャージにより、先に通算10アンダーで上がっていたリー・ウェストウッド（英）と3人でのプレーオフへ。こうなると百戦錬磨のミケルソンは強かった。18番の繰り返しとなったプレーオフ。2ホール目で1.2メートルのバーディパットを沈めたミケルソンが決着をつけた。

　表彰式でトロフィーを手にしたミケルソンは「ここにチャンピオンとして立っているのが信じられない」と、疲れきった表情でポツリ。「18番で池に入れて勝てるとは思わなかった。こんなことは記憶にない」と苦しかった一日を振り返った。それでも93年以来2度目となる海外での勝利に「本当に勝ててよかった。2008年シーズンのスタートとしては良い感じだ」と最後には笑顔を見せた。

　1打足りずにプレーオフに届かなかったケビン・スタドラー（米）が通算9アンダー4位、全英オープン王者のパドレイ・ハリントン（アイルランド）、ビジェイ・シン（フィジー）は通算8アンダー5位タイ。ヘンリック・ステンソン（スウェーデン）はポール・ケイシー（英）とともに、通算5アンダー9位タイで大会を終えた。