セルヒオ・ガルシア（スペイン）が初めての世界ランクNo.1にターゲットを絞り、WGC-CA選手権（現地時間12日、フロリダ州マイアミ、ドラル・ゴルフ・リゾート＆スパ）に出場する。

　現在同ランク2位のガルシアは、その双肩に1994年1月のニック・ファルド（英）以来となる欧州勢の同ランクNo.1の栄光がかかっている。世界ランクNo.1の座には、2005年6月12日以来144週もの長い間、タイガー・ウッズ（米）が居座り続けている中、ガルシアの勢いがタイガーを脅かしているのだ。

　タイガーは08年6月の全米オープンで、ロッコ・メディエート（米）との19ホールプレーオフの末に優勝。ポイントで大きく差をつけ、ブッちぎりの強さを見せていた。ところが、死闘のツケは大きく、直後に左ヒザを手術。今年のWGC初戦、アクセンチュア・マッチプレー選手権で復帰するまで約8か月間ツアーから遠ざかることになり、ジワジワと下からの追い上げを受けてきた。

　タイガー不在の間、ガルシアは欧州ツアーで2勝しかしていない。しかし、米ツアーなどで2位（タイを含む）が4回あり、1回は全米プロ、2回はプレーオフシリーズといずれも獲得ポイントの高い大会。そのため、今大会で優勝し、復帰2戦目のタイガーが27位以下なら逆転で同ランクNo.1につくことができるところまでこぎつけた。

「チャンスがあるなんて良い気分だね。でもタイガーも出ているから大変だよ」とあっさり口にしたガルシア。“神の子”と呼ばれた男も実力をつけ、メジャータイトルへあと一歩に迫るところまで来ている。今季最初のメジャー、マスターズまで約1か月となっているだけに、世界ランクNo.1の座を奪取して自信を深めておきたいところだ。

　日本勢は今季唯一、米ツアーに常駐している今田竜二と、昨季の国内男子ツアー賞金王の片山晋呉、矢野東の3人が参戦。ブルーモンスターと呼ばれる難コース相手に挑む。